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「すぐ男性を好きになっちゃう病」を治してくれたのは推しでした


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:陣(jin)(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
とある仕事帰り。
 
メインの仕事以外に仕事をしていた私は、休日なく働いていた。
 
理由としてはメインの仕事だけでは収入が足りなかったからだ。
 
ダブルワーク、どころかその当時は4つほど仕事を掛け持ちしていた。
 
そのうちの一つの帰り道だったのだが、ふとメインの職場の後輩が紹介してくれた映画のことを思い出した。
 
この映画は限られた映画館でしか上映されておらず、それも中心街からは少し離れた、バスが1時間に1本しか来ないようなところだった。
 
だが今日はその地での仕事があり、徒歩10分といったところだった。
慌ててその劇場の上映スケジュールを見た。
すると上映時間に間に合うではないか。
 
せっかくここまで来たのだ。見ていこう。
 
そう思い、ネットでチケットを購入する。
仕事で疲れていたせいもあり、ちょっといい席にした。
 
ポップコーンとドリンクを買い、劇場に入る。
 
その映画には3つのグループのアイドルが出てきていた。
ライブ形式で進められていて、まずはグループごとの曲、そしてその3グループが混ざって結成されたユニット曲なども6曲ほど紹介されていた。
途中MCも入り、それぞれのグループの思いや成り立ちなどを話してくれ、最後は皆で一つの曲を歌うという構成だった。もちろんアンコールもあった。
 
歌もとても魅力的で、もっと聞きたいという曲もあったし、誰一人として知らなかったが、いいな。と思うアイドルもいた。
 
そのことを映画を紹介してくれた後輩に知らせると、数日後CDを手渡され、スマホゲームがあることを知った。
 
スマホゲームを始めてみると、更にハマっていった。
それぞれのアイドルがしっかり自分を出していて、それに誇りを持っているし、形は違えどそれぞれグループを愛してる。そしてファンのことをとても大事に思っているというのが伝わってきた。
 
スマホゲームはリズムゲームなのだが、私がした事があるリズムゲームの中ではかなりやりごたえがあり、程よい難易度で、上手くタップできると爽快感さえあった。
 
すごい作り込まれている。ビジュアルも良い。
 
どんどん魅力にハマっていた。
 
そして、あるアイドルを推していくようになった。
 
そう。これが、私が患っていた「男性をすぐ好きになっちゃう病」を治すきっかけになった。
 
私の男性に対する考え方は本当にどうしようもなかった。
見た目はもちろん、優しくされたり、自分ができない仕事ができちゃうだけで好きになっていたのだ。
中学時代に彼氏がいなかったこと、高校時代に女子校だったということ、家族に父親以外男性がいなかったこと。
 
男性と関わる機会が少なく、関わった男性の数が少なすぎる。
 
これが病に罹ってしまった原因だと思っている。
 
高校時代の男性を知らないとなると、最後に知っているのは中学。それもその中学校時代なんて恋愛をしたことがなかったので、どんな感情かわからない。それも、学級委員という立場から関わっていたので、対等に関わったことがないのだ。
 
小学生の時好きだった人がいたが、付き合うまでいかなかった。
 
さて大学時代どうなったか。
 
同世代の男子との会話ができないという事態に陥った。
 
年が一つでも離れていれば、上は敬語でよかったし、下は自分が上だからという理由で話しやすかった。
 
だが同期はどうだ? 口調ってどんなふうに話せばいいの? 語尾は何で締めたらいい? だ・である調でいいの? どんな話題が興味あるの? 何話せばいいの?
 
結局話せるようになったのは1年生の学期末で、普通に会話できるようになったのは4年生になってからだった。
 
そんな学生生活を送っていた私は、男性を2つのグループに分けるようになった。
 
恋愛対象なのか、そうじゃないか。
 
主に若くて仕事のできる、かっこいい人が対象だった。そうじゃない人とはとことん付き合わないようにしていた。今考えると最低なのだが、当時の自分は本気だったし、どういうわけかそういった思考になっていた。
 
誰かを好きにならなければならない。好きになってもらわなければならない。それも自分が関わっているコミュニティの中から選ばなければならない。
 
人見知りもあるし、どんな人がタイプなのかわからない状況で、婚活パーティーの少しの時間で自分と合うかどうかを見定めるようなスキルなど持ち合わせていない。
 
だから知り合いの中から探さねばならなかったし、誰かから好きになってもらえなければ、自分の価値はなくなってしまうと思っていた。
 
だから気になる男性と、職場の女性が普通に話しているだけなのに、相手の女性に対して嫌悪感を抱いたり、気になる男性に変なアプローチをしたりしていた。
 
なにかにとりつかれたように、彼氏を探していた。
 
自分でもどうにかしたいと思っているのに、同僚として見れない。そもそも同僚という考え方がわからなかった。
 
仕事にも影響が出る。
 
本当に悩んでいた。
 
病院で見てもらったほうがいいんじゃないか……。
 
そう思っていたときにアイドルたちと出会った。
 
世界が変わった。
 
いまでは男性とも普通に話せるし、恋愛対象として見ることがなくなった。彼氏がいなくてもあの時より年齢を重ねていても焦ることもない。(それはそれで問題かもしれないが)
 
今までは“男性に選ばれること”を意識していたのだ。こんな自分が相手を選ぶなんておこがましいとさえ思っていた。
 
だからいいかっこしようとして滑ってしまったり、変なアプローチをしてしまったり、男性=恋愛対象として意識してしまっていた。
 
だが、アイドルの場合、自分から選ぶことができた。
 
それが大きかった。
 
選ばれるのではなく、自分が選ぶ立場になったのだ。
 
選ばれないのは自分に原因があるからだと、ずっと思っていた。
だから自分に自信がなかったし、彼氏がいれば、自分に自身が持てると思っていた。
 
でも、自分が選ぶ立場になると、この性格の人良いな。こんな考え方ができるのは素敵だな。という目線で男性を見ることができるようになったのだ。
 
逆に、この感覚は自分には合わないな。など、どんな人が自分は好きで、どんな人は苦手なのかという分析をすることができた。
 
それにアイドルから発せられる言葉はどれも心に寄り添ってくれた。夜更かししていても肯定してくれる。
 
そしてたまに愛の言葉も囁いてくれる。
 
そんな言葉を聞いていると、
 
「こんな自分でもいいんだ」
 
そう思えるようになった。
 
そんなこんなで、するとどうだろう。自然と自分にも自信が持てるようになってきたのだ。
 
自分に自信が持てると恋愛感情で男性を見なくても良くなる。
 
もし、「男性を誰でもすぐ好きになっちゃう病」の人がいたら、DVDを見てほしい。そしてスマホゲームをしてほしい。
 
きっと恋愛感が変わるはずだ。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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