苦手を克服する方法
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:赤井七海(ライティング・ゼミ6月コース)
私の朝は、二度寝から始まる。
要するに朝起きるのが苦手なのだ。
だけど朝活に憧れている。
朝は本当に起きたくない。できることなら昼まで寝ていたい。
どこでも長時間寝られることくらいが特技の私にとって、起きることは超難関の壁だ。
「じゃあ早く寝ればいいじゃない?」
そう思う人もいるかもしれないが、早く寝ても起きられないのだ。
朝スッキリ起きる方法をネットで調べて大体上位に上がってくるのが「早く寝る」だ。
あとは「寝る前にスマートフォンを見ない」とか。
試してみてもどうも上手くいかない。
いつもより2時間早く寝ても結局朝起きる時間は変わらない。厄介な身体だ。
だから私は、厄介な身体を無理やり起こして1日を始めなければならない。
今日も「起きろ、起きろ」と肩を叩かれるようにスマートフォンのアラームが早朝に鳴り響く。
うるさいなと思い、アラームを止めてまた眠りに入る。毎日同じ音で目が覚めるのでだんだんアラームの音が嫌になってきている。
以前好きなアーティストの曲ならテンションが上がって起きられるかもと思い、「Official髭団dism」の曲で試してみたが、彼らのことを嫌いになりそうですぐにやめた。
たまに好きなアーティストの曲で起きている友達を見かけるが、それができない私にとっては不思議でならない。
とにかくスマートフォンに肩を叩かれても1度目のアラームでは起きられないので、2度目のアラームでようやく体を起こす。ぼーっとしながら布団から出て顔を洗いに洗面台へ向かう。
1回のアラームで起きられたらどんなに楽かと毎日考える。朝起きられないなりに早起きに憧れているのだ。
そしてふと思った。
「朝活とかしてみたいなあ」
やたらと夢だけは大きい。朝早く起きて趣味や勉強に時間を使っているVlog系YouTuberを見るとどうも羨ましくなってしまう。
でも朝起きられたら苦手なことを一つ克服できるから、ちょっとだけ自信もつくかもしれない。
ちょっとやってみたくなった。
次の日とりあえず根性で早起きしてみる。
なんとか1度目のアラームで体を起こすことに成功した。でもここですぐに壁にぶつかる。
起きたところで何をしたらいいのかわからないのだ。
特にすることを決めていなかったので、ぼーっとしながら椅子に腰掛けたあと結局ベッドに戻って眠りに入った。なんてこった。
これではまずいと思い、次の日からは起きてヨガをしてみたり本を読んでみたりした。でもどれも続かずにまたベッドに戻ってしまう。
朝活は思ったよりとんでもなく高い壁だった。
これでは意味がないなあ。何かやるべきことってないかなあ。早起きを続けるにはどうすればいいかなあ。と考えた結果、ある方法を思いついた。
「あ、掃除しよう」
普段仕事で忙しいことを言い訳に家の掃除ができていなかった。そして汚いところを見ざるを得ないため、綺麗なものだけを見ていたい都合の良い私には若干苦手意識があった。
でも朝活をしてみたい気持ちがまだ残っているので朝起きてトイレ掃除をしてみた。
ぼーっとしながらもトイレブラシで便器を擦る。便座を掃除用のトイレに流せるペーパーで磨く。
すると、思っていたより気持ちがいい。
夜にするトイレ掃除の倍くらい気分がスッキリとしていた。
「あ、これいいかも」
次の日は溜まっていた食器を洗ってキッチンの掃除をしてみた。夕食後食器洗いをするのが面倒でいつも放ったらかしにしてしまっているから山積みだ。
ガチャガチャと食器同士がぶつかる音を聞きながら洗い物をする。そして食器洗いが終わればシンクの汚れをスポンジで落とす。
これまた不思議と気持ちがいい。
「これはいいなあ」
こうして朝に掃除をすることを繰り返していくと、日に日に家が綺麗になっていくことに気付いた。それと同時に、知らない間に早起きが不快ではなくなっていったように感じる。無意識のうちに朝活が習慣化してきたのだ。苦手だったことが気付かぬうちに克服されていた。
「ああ、苦手なことってやるべきことを作って仕組み化してしまえば克服できるのか」
そんなことをこの朝活を通して気づくことができた。苦手を克服して「できた」という成功体験を作ることが自信に繋がることも身をもって経験できたと思う。
苦手を克服することは簡単なことではない。
気合いだけではなかなか難しい。逆に根性のみで克服できる人だっているだろう。
自分にうまくハマる方法は人それぞれだ。だからこそ今回の私の実践した方法も一例として、「そんな方法もあるのだな」くらいに受け取ってもらえたらいい。
「仕組みにしてしまう」という方法で私は成功することができた。
これはきっと早起き以外の苦手なことにも役立ってくる気がしている。そして苦手が減ることは大きな自信となる。だからこそ、今回の経験を通して得た自信を胸にこれからも苦手なことに臆せずどんどんチャレンジしていきたい。
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