映画監督から告白され、両想いになったのは《プロフェッショナル・ゼミ》
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記事:田中望美(ライティングゼミ・プロフェッショナル)
まさに赤い糸だと思った。
これでもかというほど、両想いだった。
私たちを結びつけたのは夜中。車の中だった。
私はその日、ようやく新海誠監督の映画「君の名は。」を友人と観に行った。率直な感想を言えば、今まで、これほどまでに身体から心が飛び出そうになる映画を見たことがない。心が飛び出そうになるのを抑えるのに必死で、胸が熱く、うぐぐ……となって苦しかったほどだ。それほどまでに、この映画に吸い寄せられたのだ。上映中には、もう涙、涙の連続で、鳥肌は立つわ、そうかと思えば、声を出して笑っちゃうくらい面白くて、もう、私の顔はぐちゃぐちゃだったと思う。
映画が終わり、友人とよかったね~、本当にいい映画だったと様々なことを会話し、それから余韻に浸った。余韻が二日、三日終わらなくてボーっとしてしまった。余韻の理由は最後に明かそうと思う。少し申し訳ない理由がそこにあるため、謝罪も含めだ(笑)
とにかく私は「君の名は。」という作品にかなり心奪われてしまったのだ。面白いという情報はどこからでも流れてくるので、感動する映画なのだなとは思っていたが、自分が想像していた以上に心奪われてしまったため、気づけば私は友人に、家族に、SNS上にその良さを語っていた。ブログには、映画を一緒に見た友人と別れたすぐ後に、生の感情を新鮮なうちに暴露した。
そう、ここから新海誠監督と私の物語が始まるのだ。
私はその日、実家に帰るため、いつもと違う電車に乗り、親の迎えを待っていた。その間に様々なことに思いを巡らせた。
なぜここまで私の心を惹きつけたのだろう。この感情というのは、うれしくもあり、楽しくもあり、苦しくもあり、悲しくもあった。様々な感情にさせてくれる映画だった。でも、映画というものはストーリーであるため、心が、どん底からハッピーまで大きく揺さぶられるのはこの映画だけには限らない。
ならば、何がほかの映画とは違ったのだろうか? その時はここまで深く考えていなかったのだけれど、私はブログ上でこう語っていた。
心が身体から飛び出るかと思った。
それくらいこの映画に心惹かれ、めっちゃ入り込んだ。
これほど感情移入できた映画を今までに見たことがない。
以下はネタバレ注意! ネタバレってほどでもないが。
私的には、
「災害」っていうテーマに触れていたことが
頑張れ! 諦めないで! どうかお願い!
と、多くの人の心を強く揺さぶったんじゃないかと思う。
思えば近年、たくさんの災害があり、多くの日本人は恐怖や絶望、驚きや希望などの重たい感情が溢れたことだろう。
そんな中で、この映画は
近年の日本の流れを現した集大成のようなものである気がする。
そして、エンディングには、
強く明るく進む未来への願いが込められていたのだと思う。
私はこのようなことをブログにつづり、新海誠監督のすごさにため息をついていた。15分ほど「君の名は。」の感動に身を浸らせ、物思いにふけっていると、親が駅まで迎えに来たため、車に乗り込み実家へと向かい始めた。すでに22時を回っていたと思う。心がまだ余韻に浸りたりていなかったのだろうか、普段はすぐさまケータイをいじるのだが、何が見えるでもない真っ暗な外を眺めながら、車内でたまたま流れていたラジオを呆然と聞いていた。聞いていたというか、ラジオの音が自然と耳に入ってきていたと言うほうが正しい気がする。しかし私は、突然流れてきたある人の名前を耳にし、親に驚かれぬよう静かに、そして激しくラジオに耳を傾けた。
私が耳を傾けた声は「新海誠監督」だったのだ。
ラジオのDJが、
「今日のゲストはシン・ゴジラを追い抜くほどの人気を博している映画、「君の名は」監督の新海誠氏です」
と、落ち着いた紹介に始まり、穏やかな何でもないような話が進んでゆく。そして、ついに本題へと向かった。心地よい声をしたDJが、どんな想いでこの映画制作に取り組み、どんなメッセージを込めたのかごく自然な流れで質問したのだ。
新海監督はこう答えた。
「ここ最近、東日本大震災に始まり、多発する豪雨による自然災害などが日本全体の空気感を不安にさせています。その空気感を映画で表現し、一つの奇跡を起こすことによって、現実では起こり得ないようなことで起こしてしまうことによって、未来への祈りとか、突き進む希望とかを感じてほしかったんです」
私は、はっとした。
ドンピシャではないか。ドンピシャではないか。ついさっきブログ上にあげた、「君の名は。」から私が受け取ったメッセージとドンピシャではないか。
・近年の日本の流れを表した集大成のようなものである気がする。
私がこの映画に入り込んでしまったのは、自分も生活しているこの日本で映画と同じ空気感を味わっていたから。それはやっぱり、「災害」がテーマにあったからだ。災害によって様々な立場の人が様々な思いを自分なりに実感しているのだ。
・エンディングには、強く明るく進む未来への願いが込められていたのだと思う。
これもやっぱり、そうだ。奇跡を起こすことで、未来への祈りや希望を見出してほしいと新海監督は語っていた。
やっぱりすごいと思った。新海誠監督は、私が言えることではないが、ただものじゃないと本気で思った。なぜなら、こんなにも明確に、観る人にメッセージを届けているからだ。この映画を観て、いろんな感情を抱いてほしいというレベルではない。確かな日本に対する思いがあって、確かな伝えたいメッセージがあって、それを、映画という表現物を通して完璧に伝えきっているのだ。
そんな興奮を胸に抱えながら、実家につくと、すぐにそのことを母に告げた。母も先日観たようで、どう思ったのか尋ねた。すると、意外にあっけらかんとした返事が返ってきた。私のようにそんなに難しく考えてなかった、ただただ、キュンとしたり、感動した作品だったというのだ。確かに母は数日前に観たという出来事だったので、私よりはこの映画に対する熱が冷めていても、当然のことだろう。しかし、私は2,3日たっても冷めなかったのだから、何なら今でも冷めていないのだから、もう少し私と熱を合わせてくれてもいいのではないかというほどの平然さだった。
そう考えると、私は再びはっとした。待てよ、新海誠監督のメッセージをしっかりと受け取った私もすごいんじゃないか!? すべての人が完璧に新海監督のメッセージを受け取ったわけではない。意味をはき違えてすれ違ったり、意味を加えすぎて、うまくいかなかったりもすることだろう。自意識過剰に思われそうだが、それほどドンピシャにメッセージを受け取っていたことに奇跡すら感じていたのである。なんだか、赤い糸でつながったような、新海監督からの告白が成立し、両想いになったようだと感じた。
私が真夜中の車内で偶然聞いたラジオによって、私と映画監督は結ばれたのだ。
これがはじめに述べた、私の恋物語正体である。
この告白ともいえるようなメッセージをしっかりと受け取った私の中に大きな変化が起きた。新海誠監督のすばらしさは、なんといっても、その「メッセージ力」。多くの人に反響を呼んだのは、日本の全体の空気感を表したことによって、日本人の心の奥底に潜む無意識の中の心のツボを押していたからだと思う。誰もが感覚的に感じていた心の中を反映し、奇跡を起こしたからこそ、共感できたのだ。だから、監督が自分の映画を「みなさんに観られるべき映画になったと思う」というのは本当だと思う。この驚異の「メッセージ力」。戦略的に、そして情熱的に私たちの心に届け、響かせた新海監督の「メッセージを伝える力。」
私はこの能力を持つ新海誠監督がうらやましくてしょうがないと思った。
なぜなら。
私が中学生時代に心を奪われたのが、創作ダンスだった。高校生の女の子たちが、怒りや、悲しみ、喜び、飢え、など様々な感情を表現する姿をみて、あの頃、今まで生きてきた中で一番感動したのを覚えている。私はその時点で、その高校に入学し、彼女たちと踊ることを決めた。そのため、人が変わったように、受験勉強にも励みはじめた。晴れて合格し、入部した創作ダンス部では、時には可憐な華となり、観てくれる人に感謝の気持ちを伝えたり、時には山や風になり、自然の偉大さを伝えた。そして、東日本大震災の被災者として、私もまたこの悲しみを忘れず、命の大切さ、生きていることの尊さを表現するという素晴らしい経験ができたのだ。
だから、私が高校時代に一気に流行り始めたHIPHOPというジャンルのダンスを知ったとき、私の心は何も感じなかった。かっこいい、すごい、とは思う。身体の動きやその人の世界観がみれるダンスだからだ。しかし、私には、技術だけで、中身がないように見えてしまった。あなたは何を伝えたいの? 圧倒的なこのダンスに対する思いは、伝えたいことはあるの? それらのダンスは中身のない形だけのようなものにしか感じられなかったのだ。HIPHOPをこんな想いで踊っています、と言われれば少しは心が感動するかもしれない。しかし、これらのダンスのほとんどが、決まった動きと動きの組み合わせでできた、なんだろう、キラキラした飾りのようなものだ。逆に、創作ダンスは、テーマを決め、何を伝えたいのか、どうして、どうやって伝えたいのかを仲間と話し合い、それを伝えるための動きを自分たちで考えていく。そうやって時間をかけて、時には悩みながら作られたものだから、感じるもの、伝わるものがまるで違うのは当然だ。
私は、その「メッセージ」というものに、だれにも負けないほどのこだわりを持っているようだ。だから、今では多くの人が習ったりしているかっこいい感じのHIPHOP系のダンスには関心がなかった。ただ、体を動かして楽しむにはいいものだと思っている(笑)
何かを伝えたい、自分の心の中にある「メッセージ」を届けたい。そういう気持ちがかなり強いと、自分でも思っている。とはいうものの、私はかなりの口下手で、人を前にしてしゃべると、全然ダメダメだ。うまく伝えることができず、いつも悔しい思いをする。だからこそ、創作ダンスや、文章、演劇という表現方法に憑りつかれた様に没頭してしまうのだろう。これらの表現方法なら、うまく伝えられるかもしれない、これらの方法なら、口で伝えるよりも、もっともっと相手に届く「メッセージ」を届けられる。
そういう思いが人一倍強いので、そのような表現には敏感すぎるほど敏感だ。映画でも、人一倍感情移入し泣いてしまうことがあるし、逆に大笑いしてしまうこともある。演劇と生演奏の音楽、身体表現がコラボした作品を見に行った時は、メッセージが伝わりすぎて、始まった瞬間から、終わるまで終始涙と鼻水が止まらなかった。今も、この作品を思い出すだけで、じわっと来る。
今回の「君の名は。」も含め、これらの作品に出会えることは、幸せなことなのだが、同時にいつも必ず思うことがある。
それが、うらやましくてしょうがないという想いだ。
新海誠監督のように、一人でも多くの人に自分のメッセージを鮮明に届けられること。そういう作品を作ることのできる彼らのことが、悔しくなるほど、うらやましくてしょうがない。実際、最後のほうは、圧倒的なメッセージ力に悔しくなって涙している部分も多い(笑)
そういう私だから、高校生、いや、中学生のころから言い続けていることがある。それが、「人に夢や感動を届けられる人になること」。ずっとずっと言い続けてきてここまで来た。どうしても、今まで自分が受け取ってきたような感動や、夢や、喜び、苦しみ。そういったメッセージを、今度は私が届けたい。届ける側にいたい。いつだって彼らは私に夢を見せてくれて、元気づけてくれて、前を向かせてくれて、強くしてくれた。私もそんな風になりたいのだ。ただただ純粋にそう思った。
だけど、まだまだ私はあまちゃんだ。彼らには到底かなわない。でも、いつか、必ず彼らのように、彼らから私が感じ取ったような気持ちを届けられる表現者になりたいと思う。なる。それを忘れないためにも、「メッセージ力」に優れた才能を持つ彼らのような多くの人に、私は敏感に反応し、その技を盗んでいかなければと感じている。
あいつの「メッセージ力」半端ねえぞと言われるために。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
終わり……たいところではあるのですが、おまけがあります(笑)
ここからは、読んでも読まなくてもオッケーです(笑)
この文章の途中に、
余韻が続きすぎた理由で、謝らなければならないことがあると書きました。
その理由とは、今更、RADWINPSのすばらしさに気付いたということです。
いやー。RADは素晴らしい! 「君の名は。」の映画に素晴らしくマッチするし、映画を観終わった後、すでにもう一回観たいと言っていたのですが、観に行けないので、音楽をダウンロードしたんです。そしたら、その音楽を聴くだけで、映像が鮮明に出てくる出てくる、浮かぶ浮かぶ! さらには、あ~、あの場面はこういうことだったんだな、とか、あの時こう思ってたんだなとか、さらに深いところまでこの映画を味わうことができました。
なので、すみません!! むかーしからのRADファンのみなさん、今の今まで、RADのすばらしさに気が付かなかったのに、これを機にRADが大好きになってしまいました! 長いRADファンのみなさんからしたら、お前に何がわかるんだ! と、怒られそうですが、RADファンの仲間入りをさせていただけると嬉しいです(笑) 快く迎えてください、お願いします!
私は「君の名は。」を支えた、素晴らしいRADの「メッセージ力」も学ばないといけないのです。
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「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
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