雑居ビルで昼食を。
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記事:NMR(ライティング・ゼミ)
私は西新宿のとある雑居ビルの入り口の前に立っていた。
「ここのはずなんだけどな……」
スマホで地図を確認する。間違いない、ここが目的地だ。
雑然とした入り口。看板は変色し、壁面が剥がれて年季が入ったボロボロのビル。
狭い入り口から中に入る。昼だと言うのに薄暗い廊下だ。
エレベーターに乗り込む。人ひとりが乗っただけなのにこの狭さはいったい。
3階のボタンを押す。エレベーターは上昇を始めるが、ガタゴトと揺れて不安になる。
目的階に到着してエレベーターから降りると、そこは廊下ではなくいきなり目的地だった。
「はい、いらっしゃい」
割烹着を着た愛想のない中年の女性が顔を出す。
そう、私は「絶品とり天定食」が食べられるという居酒屋のランチにやって来たのだ。
こんな雑居ビル、知らなかったら中に入ろうとは思わないだろう。
少なくとも、今までの小心者の自分だったら絶対にありえない。
そんな小心者の私が、なぜそんな得体の知れない雑居ビルに堂々と入って行けたのか。
答えは簡単で、「前もってそのお店が美味しいこと」を知っていたからである。
ランチは情報戦だ。
お店はどこにあるのか、営業は何時までか、何がオススメなのか。
あらかじめネットで調べておくのが基本戦略。写真で店の雰囲気まで知ることができる。
どんな試合でも、勝つためには相手の状況を知る必要がある。
今日のスタメンは誰か。怪我人はいるのか。風向きはどうか。
やみくもに戦っても勝てる可能性は低い。
ランチも全く同じ。
情報を制するものが美味しいランチにありつける。
せっかく行くのだから、できれば美味しいものを気持ちよく食べたい。
あらかじめ店員の愛想が悪いと分かっていれば、無愛想な接客でも精神的ダメージは少ない。
店構えはイマイチでも美味しいと分かっていれば躊躇なく入ることができる。
得体の知れない雑居ビルにも入ることができるのだ。
ランチは情報を知っていると知らないとでは、大きな差が出るイベントなのである。
以前の職場では、同僚と数人でランチに行くのが当たり前だった。
行くのはだいたい決まって会社向かいの中華か、裏通りの和食か、沖縄料理か、カレー屋さん。
数人で行くと、どうしても行きつけの店が決まってくる。
お気に入りの店の中から選ぶのだから、味に間違いはないが、マンネリ化は避けられない。
そんなローテーションに嫌気が差してきたのも事実だった。
そして今思えば、惰性で決まっていた中に僕の意思はなかった。
なんとなく決まればそれで良かったのである。
食べることについて惰性で決めることは、なんとももったいないことだ。
そんなことを考えていたせいもあり、新宿にある今の会社への転職を機にランチタイムに店巡りを始めた。
目標は「毎日違うランチを食べる」ことだ。
始めてみるとこれが実に楽しい。
街にはこんなにたくさんの店があることに気づく。
特に新宿は高層ビルのレストラン街があったかと思えば、路地裏の雑居ビル、住宅街の一軒家レストランなど、バラエティに富んでいる。有名なラーメン屋や大御所シェフのレストランなどもある。
もちろん、行く店行く店が必ずしも美味しいわけではない。
有名店だからといって、食べログで点数が高いからといって、必ずしも美味しいとは限らない。
だが、仕入れた情報とどこがどう違ったのか、答え合わせをするのが楽しい。
はじめのうちは会社の周辺だけで済ませていたのだが、だいたい制覇してしまうと遠くに足を伸ばすようになる。
今では15分以上かけて歩くことも珍しくなくなった。食べたあとの腹ごなしには丁度いい。
長い距離を歩くと、また新しい店が見つかる。
自分の「街を見る目」が明らかに変わっていくのがわかる。何気なく歩いていた道が宝探しゲームのように見えてくるのだから、楽しくないわけがない。
そしてなんと。仕事の進め方まで変わってきた。
今日はこの店に行こう、だから午前の部でここまで片付けよう、あの店のラストオーダーは14時だから13時半にはここを出られるようにしないと、とテキパキ片付けるようになった。なんともまあ、ランチさまさまである。
どんどん出かけていくことで、どちらかというと心配性で小心者だった自分が、楽観的に物事を考えられるようになった。「知る」ことで「行動できる」ようになったからだろう。
ひとりで雑居ビルにある居酒屋ランチに行くなんてことは、今までは考えられなかった。
情報を仕入れることは、自分が前向きに行動するための武器になる。
ランチの仕方を変えるだけで、ここまで行動できるようになると思わなかった。
私のお店リストにはまだまだストックがたんまりある。
明日はどこに行こう。
***
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