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判明! 私の話が夫に伝わらないワケ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:辻美惠(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
みなさん、こんにちは。
突然ですが、相手が自分の言っていることを理解してくれない経験はありませんか?
こんなに素晴らしいのにわかってくれない。
絶対いいのに試してくれない。
 
私はあります。
説明に言葉が足りず、伝わらないこともあります。
相手が困っているから参考になるかとアドバイスしても、相手はその困りごとを解決したいと思っていないこともあります。
自分は自分。相手は相手。
仕方ない、と諦めつつ、諦めきれない気持ちもどこか残っている状況。特に夫に対してその現象はよく起こります。
私の伝えたことが結果として、自分にとって素晴らしいことになる経験を幾度も夫はしているはず。
 
それなのに!
 
 
なんで!
 
 
 
 
私の言葉を聞いてくれないのー!!!
 
 
 
 
 
 
わかってはいるのです。
愚痴りたいだけで何か対処したいわけではない気持ちも、現状より良い状態になるために行動を起こす面倒くささも、やった方が良いことはわかっていてもできない腰の重さも。
 
でもさあ、でもさあ。
赤の他人なら気にならなくとも、寝食を共にする相手だからこそ気になってしまうこの気持ち。
 
ええ、ええ。
問題は夫じゃなくて、私なんですよね。
まず私は私を満たすことに集中する。相手が気になるのは自分に集中できていないし、自分が満たされていないから。
確かに、疲れたり忙しかったりすると、口うるさくなるし。聞き入れてもらえないとイライラするし。
それに、他人を変えることはできない。自分で変わることしかできない。
相手に変わってほしかったら、自分が変わってみせるしかない。
それはね、わかってるんですよ。
わかってはいるんですよ。
 
そんな悶々とした気持ちを抱えておりました。
先日、ある話を聞いて、パッとこのモヤが消えてしまったんです。
 
みなさんは、RASというものをご存知ですか?
ラスと読みます。IT用語のほうではなく、脳機能のほうです。
Reticular Activating Systemの略で、日本語としては網様体賦活系(もうようたいふかつけい)といいます。
 
覚醒制御に関わる脳幹の機能で、他にも色々な機能に関与しているそうです。
簡単に説明すると、脳に入ってくるあらゆる情報から、必要な情報のみを選別するフィルターの役割を果たしています。
 
カクテルパーティー効果を思い浮かべてもらうとわかりやすいのではないでしょうか。
人がたくさんいて音があふれている場でも、自分の名前は聞き取れたり、興味がある会話が聞こえてきて、目の前の相手との会話を聞き流してしまったりしますよね。
自分が認識している情報はどんどん入ってくるけど、意識していない情報は入ってこないのです。
ちなみに、この情報が見落とされてしまうことをスコトーマ、心理的盲点、といいます。
 
なぜこんな機能があるのでしょうか?
脳はものすごく大量のエネルギーを必要とします。
エネルギーを効率的に使うためにこのような機能があるのです。
日々入ってくる大量の情報をすべて処理してはいられないのです。
 
私の目からウロコが落ちました。
そうか、エネルギーが足りないんだ。
合点がいきました。
 
夫は虚弱体質です。すぐ疲れてしまいます。
在宅勤務になって本当に歩かなくなってしまいました。
子供の長時間の散歩に耐えることも暑いなか公園で遊ぶこともなかなか厳しい体です。
アレルギー体質だし、うつ症状はすぐ出るし。
そのことで私がもっと運動しなよ、寝る前のスマホはやめなよ、とネチネチ言ってしまい、冒頭の不満へとつながるのです。
 
でも、そもそもそんな状態なんだから、脳を余分に働かせるエネルギーももちろんないわけで。
RASが情報を遮断して、私の言葉が伝わらないんだ。
 
また、夫はいろいろと気がつかない。
気が利かない、とも言えますが、何か物が置いてあっても本当に目に入っていない。
節穴、なんてよくからかったり、イライラしたりしていたのですが、あれもこれも全部RASが働いているのか、とつながりました。
 
とにもかくにもエネルギー不足なんだ。
相手の問題だから、と切り離してみても、なんで改善しようと思わないんだろう、と思ってしまい、また悶々としてしまう、ということを繰り返してきたのですが、ようやくすっきり納得できたのでした。
 
ということで、朝のラジオ体操を一緒にすることから始めています。
今までは、朝の準備が忙しいから自分で体操してくれないかな、でもしないんだからしょうがないよね、と思っていました。
でも一緒にやれば考えるエネルギーを使う必要はありません。
あと、自分のことは自分で、という意識が強くて、私が誘っては意味がない、と思っていました。
別に誘って断られずに一緒にやってくれるならそれでいいじゃん。
朝忙しいとはいえ、ラジオ体操をやるくらいの時間はあります。
私のスコトーマでもあったのでしょう。RASが開けて夫を誘うことができるようになりました。
 
リハビリの現場では、意識障害の患者の方を立たせてRASに刺激を与えるそうです。
在宅勤務で寝っ転がりながら仕事をしている夫をいかに立たせるか、を直近の目標とします。
 
 
 
 
***
 
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2023-07-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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