英語を教えるのに必要なスキル
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:そのはたちえこ(ライティング・ゼミ6月コース)
”ビジネス英語トレーナー”という肩書で社会人向けに英語を教える事業を始めて、今年で7年になります。
これまでに、外資系で働く人や働きたい人や転職したい人、日本企業で働いているが仕事で英語が必要になった人たちに英語を教えてきました。
いや、より正確には、”英語を教える”のではなく、”英語の身につけ方”を教えてきました。
実は、英語力をアップさせるには”英語そのもの”を教わるよりも、”英語を勉強する方法”を教わることのほうが大事なのです。
私のお客様は、全員、社会人の方です。つまり、少なくとも中高を通じてなんらか英語には触れてきている、ということ。しかも、ほとんどの方は私のところに相談に来るよりも前に、英会話スクール、市販の教材、通信教育、オンライン英会話などいろいろ試しています。いろいろとやってはみたが、「それでもやっぱり英語に自信がない!」、「思ったほど話せるようになっていない……」と言われてご相談に来られるわけです。
さて、そういう方たちを、英語ができるようにするにはどうしたらいいのか? 特に、英語を教える側がどんなスキルを持っている必要があるのだろうか、ということについて考えてみました。
世間一般的には、教える側は、知識豊富でなくてはならない、とか、正確、かつ流暢に話せなくてはならない、と思われているでしょう。海外在住経験や留学経験、あるいは、教えるならば教員免許がいる、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、私自身の英語力に関して言えば、実は、決して正確、流暢ではありません。TOEICや英検などの試験では、そこそこいい点数を取ることはできましたが、とはいえ、英語についてなら何でも来い、というほどの文法的な知識はありません。話す方にしても、未だにLとRの発音を取り違えることがあるくらいのレベルです。そもそも、私には留学経験もないし、2週間以上海外で生活したこともありません。学生時代に教員免許は取得しましたが、英語科ではなく社会科。それもすでにン十年前なのでとっくに失効しています。
それでも、私は、人に英語を教える、という仕事ができている。
いったい、何をどうやっているのか?
そう、実は、私が教えているのは、”英語そのもの”ではなく、”英語を勉強する方法”なのです。
英語そのものを学びたいなら、本屋さんに行けば、いくらでも中学英語をXX日で復習する本、この一冊でOK、みたいな本が売ってます。YouTubeで丁寧に解説してくれている先生もたくさんいます。そういうリソースを使えば、いくらでも英語そのものを”教わる”ことが可能な時代です。
しかし、多くの人達(特に社会人)は、教わることよりもそもそも時間を取って学び直すことができない、何をどの順番で学び直したら効率が良いのかがわかっていない、という問題を抱えています。
私が得意なのは、実はこの部分。私自身が、留学無し、海外在住経験無しの状態で時間とお金を費やして英語を習得して、外資系で外国人上司の下で働いてきた経験があるので、忙しい社会人が、どの教材をどの順序で使ったら効率よく英語力がアップできるか、というのをお伝えすることができるのです。
さらに、学んだことを仕事の場で活かす、となったときに多くの人がつまづくのが、実はマインド部分。一生懸命英語を勉強したとしても、いざ、話すとなると「間違っていたらどうしよう」あるいは「人前で恥をかきたくない」と思うと話せない、話したとしても蚊の鳴くような小さい声で、ぼそぼそいうだけ、となってしまう。もしかすると、話し始める前に、”I’m sorry. I can’t speak English well.” なんて言ってしまったりしているわけです。
私のところに来られたお客様が、目からウロコ、と言われるのが、実は、このマインドを鍛えること。
私は自分のお客様には、「英語が話せなくてすみません」 というのは絶対に口にしてはいけません、と言っています。そういうかわりに、まずはこう考えてください、と言っています。
「あなたは日本語を話せないから、私が英語で話して差し上げましょう」
どうですか? え? 偉そう?
そうなんです、ちょっと、偉そう。でも、こう思うだけで気が楽になった、という人もいるくらいです。
こちらが外国語で話してあげているわけですから、間違えるのは当たり前。恥ずかしい、と思う必要などないのです。例えば、あなたのところに、日本語勉強中の外国人がやってきて、たどたどしい日本語で一生懸命プレゼンしていたら、それを見てどう思いますか?
「わあ、すごいな、日本語頑張っているんだな。日本語でプレゼンに挑戦するなんて偉いなあ」 と思いこそすれ、「あの外国人、日本語が下手だよね?」なんてところに着目して嘲笑ったりなどしないでしょう? それと同じことです。
英語を効率よく学ぶ方法がわかり、英語を話すマインドができれば、あとは継続して取り組むだけ。そこが一番難しい、と言われる方も多いのですが、私の三ヶ月コースのお客様には、一日最低1時間の英語学習時間を確保する方法をお伝えしているので、忙しい方でもどうにかやりくりされて、英語学習に取り組んでいます。
つまり、社会人に英語を教えるのに必要なのは、高い英語力でもなければ教員資格でもなく、実は、英語の効率的な勉強法をお伝えして、それを実際にやってもらうことができるスキル、ということ。もちろん、教える側が知識豊富で、流暢であるに越したことはないので、私も日々努力していますが、自分が知識豊富、流暢だからといって人に教えられるわけでもないし、知識を教えたからといって生徒が話せるようになるわけではない、ということです。
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