病院の観察からも、学びます
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:羽富 都史彰(ライティング・ゼミ9月コース)
年末になると、仕事も家のことも一気に忙しくなり、あっという間に1日が過ぎていきます。今年の12月も例外ではありませんでした。でも、そんな中で突然体調を崩してしまったのです。
最初は喉の痛みから始まりました。「市販薬でなんとかなるかな」と思いながら様子を見ていましたが、だるさが増していくばかり。それでも熱は平熱に近かったので、仕事を優先していました。でも、さすがに限界を感じて病院を受診すると、なんと「肺炎」と診断され、1週間の点滴治療が必要だと言われたのです。
忙しい年末に通院なんて……と思いつつも、治療を受けるしかありませんでした。それでも「せっかく病院に通うのなら、何か学びを得よう」と考え、スタッフや患者さんの様子をじっくり観察することにしたのです。
観察から見えた「人と人との違い」
点滴を受ける合間に周りを見渡すと、医師や看護師の対応が意外にも人それぞれであることに気づきました。
たとえば、ある医師は淡々としていて高圧的な雰囲気。しかも、無表情。
でも、別の医師は診察の前に「お待たせしましたね」「寒い中お疲れさまです」と声をかけてくれました。その一言があるだけで、心が少し軽くなるのを感じました。
しかも、診察が終わると、「お孫さんのためにも、運動は、継続して下さいね」と付け加えました。
私は、心の中で「すごい、応対力だ」と思いました。
あくまでも,医者と言う立場ではなく、一人の人間として「言葉遣いや、態度」に全神経を集中している感じの良さに、敬意を感じていました。
看護師さんにも同じことが言えます。点滴を打ってもらうとき、針が痛くないと感じる人と、少し痛いなと感じる人がいました。同じ仕事をしているのに、受ける印象がまったく違うのです。
ほんのちょっとの差です。一言付け加えることで、痛さも和らげてくれます。
魔法の言葉に感じるのです。 副作用が無い言葉のお薬に変わるのです。
点滴をしていると、お昼前後になりました。「業務の引き継ぎ」の場面に出くわしたのです。
私は看護師さんに直接質問をしてみました。引き継ぎのとき、みんな立ったまま行っているのを見て、「なぜ座らないんですか?」と聞くと、「集中力を保つためです。立った状態の方が緊張感を持てるんですよ」と答えてくれました。
その答えに、私はハッとしました。「確かに、命を預かる現場では、一瞬たりとも気が抜けないんだ」と強く感じたのです。
この経験を商売にどう活かすか? 考えるきっかけとなりました。
この病院での経験を通して、私の中でひとつの大きな気づきがありました。
それは、「人は相手が何をしてくれたかより、どう感じたかを記憶している」ということです。
たとえば、病院では診察や治療という「行為」がメインですが、それ以上に患者が受け取るのは「安心感」や「信頼感」。その根底にあるのが、医師や看護師のちょっとした心遣いなのです。この気づきは、私たちの日常や仕事にもそのまま当てはまります。
お客様に商品やサービスを提供するとき、ただ効率よく進めるだけでは心に残りません。そこに「おもてなしの心」や「思いやり」や「気配り」があると、相手の感情に響きます。そして、その感情が、信頼や感動、さらには口コミやリピートにつながるのです。
実践してみたらどうなった?
この学びをすぐに自社の接客に活かしてみることにしました。スタッフには、「お客様がどう感じるか」を意識して行動するよう伝えました。そして、具体的な例として、「忙しくても、心のこもった一言を添えよう」とアドバイスしました。
すると、早速効果が現れました。たとえば、あるスタッフがお客様に「寒い中お越しいただきありがとうございます」と声をかけたところ、そのお客様は「ここに来ると気分がいいわ」と笑顔を見せてくれたのです。それ以来、その方は常連さんになり、周りの方にもお店を紹介してくださるようになりました。
この「たった一言」の力を実感するとともに、スタッフの意識も変わり、結果的に顧客満足度アンケートの評価が上がり、リピート率も向上しました。
病院での経験が教えてくれたこと
振り返ると、今回の体調不良は決して楽しい出来事ではありませんでした。それでも、病院で得た学びは私にとってとても貴重なものでした。
「どんな状況でも、学びの姿勢を持てば、そこから新しい気づきが得られる」
病院での観察がなければ、こんな大切なことに気づけなかったかもしれません。そして、その学びを実践し、成果を得られたことに心から感謝しています。
皆さんも、日々の中で「この経験から何を学べるだろう?」と考えてみてください。どんな小さな気づきも、きっと次の一歩につながるはずです。そして、その一歩が周りの人を笑顔にし、自分自身の成長にもつながります。
たとえ思いがけない出来事が起きても、そこから得られるものがある。そんなふうに考えられるようになると、人生はもっと豊かで、感動に満ちたものになるのではないでしょうか。
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