女性との雑談のコツについての一考察
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【6月開講申込みページ/東京・福岡・京都・全国通信】人生を変える!「天狼院ライティング・ゼミ」《平日コース》〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
→【東京・福岡・京都・全国通信対応】《平日コース》
記事:石川 皓基(ライティングゼミ平日コース)
脳科学という分野は少なからず人の興味を引くもので、テレビなどでも脳科学者という肩書きの人をよく見かける。いわば脳科学ブームともいえるものがここ数年は続いているようだが、その中でも、男性と女性では脳の働きが違う、という話は興味深い。
専門的なことはよくわからないが、どうやら脳の神経の連携の仕方が男女で異なることからくる違いらしい。
脳の構造や働きについては、まだまだ解明されていないことが多いというし、昔から信じられていたことが後になって覆されるようなことも少なくないようであるし、それに、人それぞれの個体差というのもありそうなので、鵜呑みにするのは良くないだろう。
しかしながら、大学入学のために上京するまで、つまり成人する少し前までの、人格の大枠を形成する時期に、祖母や母や姉の発言力がとても強い女性中心の家庭の中で育ってきた身としては、なんとなく、経験則も含めてここ最近の男女の脳の働きの違いに関する言説についてはしっくりくるものがある。
中でも特にしっくりきているのが、男性の脳は感情の損得を抜きにして合理的な考え方をするのが得意で、反対に女性の脳は感情を読み取ることが上手く直感的な考え方が得意、というものである。
「女性の話はつながりがない」
仕事上の話し合いなど、公的な要素のある場では不思議なことにほぼ感じないが、家族と他愛もない話をするときや、女友達と飲んだりするような、きわめてプライベートな要素の強い場での雑談についてはとてもよく感じる。
決してそれが嫌というわけではないが、話題のハンドルの切り方が急すぎるだろ、とつっこみたくなるような会話になることも少なくない。特に僕の母親などは凄い。僕への小言を言っていたかと思えば、気づいたら父の愚痴を言っていたりする。ふがいない父子のせいで、不満の連想ゲームをさせてしまって申し訳ないと思うが、まさにこの連想ゲームのように話が飛んでいく、という印象を、母のみならず他の女性との雑談においてもしばしば抱くことがある。
偏見や先入観によるものという可能性も大いにあるが、そういった印象を抱いているが故に、女性の脳は直感的、という言説にしっくりきてしまうのだ。
僕自身は女性上位の家庭で育ったおかげか、そういった連想ゲームのような会話にはそれなりに慣れているつもりなのだが、そこはやはり合理的な(悪くいえば理屈っぽい)男性脳。
どうも女性の話を理屈っぽくまとめようとしたり、合理的にたどりつく結論へと導こうとしたりしてしまう。そしてこのような話し方をすると、くどいと思われることが少なからずある。こうなってしまっては女性との会話は失敗しているといえるだろう。良き聞き手になれていないのだ。
慣れているつもりになっているだけではこのような失敗を繰り返してしまう。どうにかこれをわかりやすい形で言語化して、応用可能な形にできないか、と思うようになった。
この重大なテーマについて、思い出して考えては忘れたりすることを繰り返しながら日々を過ごしている中で、たまたま聴いていたラジオのパーソナリティの言葉の中に大きなヒントを見つけることができた。
それは、ラジオは聞き流すもの、という趣旨の言葉だった。
なるほど、たしかに。
ラジオではよく、芸能人が、テレビではいえないようなこぼれ話なんかをすることがある。そういう人たちのコアなファンであったりすれば、普段聞けないような話が聞けるということで一言一句聞き逃さないようにかぶりついて聞く、という聴取スタイルもあるのかもしれない。
が、どちらかといえばラジオは、聞き流すスタイルの方が一般的なように思う。ラジオが流れている定番のシーンというのを想像してみると、パッと思いつくのは、昔ながらの定食屋の店内や、車での長旅で音が無いと寝てしまいそうなとき、などだ。
こういうシーンでラジオの音に全神経を集中している人はいないだろう。定食屋でラジオに集中していたら箸が進まなさそうだし、車を運転しているときにラジオにばかり意識が向かっては事故を起こしてしまう。
しかしながら、である。そのラジオから、「好きなバンドの名前」の後に「新曲」なんてワードが聞こえてしまったりしたら、一旦箸を止めて曲紹介のトークと、その後に流れる曲まで聞いてしまうだろう。「交通情報」「渋滞」なんてワードが聞こえたら、運転に集中しつつもラジオに意識が向くはずだ。
ということは、ラジオの一般的な聞き方は、単に聞き流すものではなく、「聞き流しているようで、エッセンスを拾いながら聞いている」、とまとめることができるのではないか。
これを女性との会話にうまく応用できないか。
女性の脳が感情ベースで直感的に考えることを得意とするのであり、それが故に話が飛ぶように感じるというのであれば、話が飛ぶ瞬間というのは、まさにその女性の脳が直感的に発するべきと感じて言葉を発した時なのではないだろうか。
そうであるならば、その瞬間には、女性が話したいと思っている内容のエッセンスが詰まっている可能性が高いといえそうである。
会話の中のその瞬間はチャンスとなりうる。ラジオで聞きたい情報が流れたときに耳を傾け、少し音量を大きくするように、女性の話題が飛んだ瞬間に、しっかりと意識を向け、「それ、詳しく聞かせて」なんて形で、話を促す。
うまくはまれば女性は「話したいことを話せている」という感覚を得て、気分よく会話を終えることができるのではないだろうか。
なんだか良さそうな気がしてきた。「ラジオのように聞く」理論、良き聞き手になるための一つのコツってことでもいいんじゃないだろうか。
もちろん、女性の側にも個人差はあるから、用法容量には注意が必要であろうけども。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/zemi/writingsemi/36546
天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。