価値のある人間。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:近藤百合菜(チーム天狼院)
「価値のある人間になるって、なんだ」
当たり前のようにみんなが使うことばに、私は引っかかっていた。
「価値のある人間って、なんだ」
いい企業に入ったら価値があって、よくない企業に入ったら価値がないんだろうか。
結婚していたら価値があって、結婚していなかったら価値がないんだろうか。
英語ができたら価値があって、英語ができなかったら価値がないのか。
仕事ができたら価値があって、仕事ができなかったら価値がないのかな。
「私には価値がない」
そう思ってしまうことが、よくある。英語ができない、仕事ができない……と、自分を傷つける。その度に、苦しくなる。
昔はもっと傷つけていた。今では笑い話だけど、「価値がない」と思うのに疲れて寝ていたほどだ。
いま私がなんとか生きられているのは、頑張ったことで少しの成果がチラッと見えた時があるのと、彼氏が話を聞いてくれるから。彼氏は私の話をうんうん、と聞いてくれる。そして、ありのまま認めてくれて褒めてくれる。
彼を見ていると、中学校の「校長先生の話」を思い出す。普通は「校長先生の話」と聞くと「ダルい象徴」だと思うけれど、私の学校では違った。私の校長先生はとても面白い人で、話も面白かったのだ。
あれは、ある母の日に近い月曜日だったと思う。校長先生はこう話した。
「あなたたちが生まれた時、お母さんはあなたのことを「よしよし」と言って頭をなでてくれたでしょう。それはあなたがお金持ちだからではない。勉強が出来るからでもない。赤ちゃんだから、何もないでしょう。でもお母さんは「よしよし」ってあなたたちを認めてくれたんです。」
だからお母さんにありがとうを伝えようね。なんて、終わり方だったと思う。正直その話を聞いた時は、「いい話だなぁ」程度に聞いていたけれど、今はすごく身に染みる。
彼氏から、何もしてなくても認めてもらえる。それで私は幸せなのだが、世の中の圧倒的大半の人からは認められない。
確かに価値があるないで人を判断するのは反対だけれど、何もしないでいるのはちょっと違うという実感は私にもある。何でもいいけれど、何かをコツコツやるのってすごく大事だと思う。たぶんみんなもそう思うよね。
……どうしたら良いのだろう。
ここまで考えて、なんだか良く分からなくなって、私は自転車で近くない川のほとりまで走って考えた。
分からない。「あるない」「上下」の価値という判断軸は安易だから、どうしてもそれに頼ってしまう。
それでもうんうんと考えて、私なりに考えた「何かをコツコツやる意味」の結論。それは、
“まずは自分を助けるために、次に周りの人を助けるために、最後に世界を助けるために、世の中では価値と呼ばれる力を身につける。力を身につけるために何かをコツコツやろう。”ってこと。
自分を助けるってのは、自分の力で生きれるようになるってことだ。もちろん人は一人では生きられないけれど、自分の力を信じられるようになれば心にも少しずつ余裕ができてくる。
そしたら次は周りの人だ。自分を助ける以上の力が余っていてはじめて、周りのことを見て手を差し伸べることができる。
で、最後に世の中。自分も世界もぶっ飛ばして「世の中のために」なんて、無理な話だ。世の中のために頑張るってカッコいいからついつい強がっちゃうけれど、宣言したい。いまの私には、無理だ。
ちなみに助けたら助けたぶんだけ喜びは返ってくるから、力をつければぐんぐんと喜びが増える。その結果、幸せになるんだろう。
でもでも、力をつけ続けるのは無理だからね。私なんかは本当に「休む」のが苦手だ。四六時中気を張って、結果、寝込むなんてことがよくある。いつか「休み」について研究して、モテクリエイターならぬ「おやすみクリエイター」になりたいという野望を持ってるほどだ。
たまには好きなことしてね。例えば今日みたいに、何も用がなくても外に出て、川まで自転車走らせて、寒さに耐えながら文章書いて。折角身体が冷えていることだし、ずっと行きたいと思っていた家の近くにある銭湯に行こうと考えて。こうやって、また力をつけるための力をためよう。ずっと動き続けるなんて無理さ。ペッパーだってルンバだって、ずーっと動き続けるのは無理だよ。充電しないと。
ここまで書いて、私は満足した。だいぶ寒くなってきてこれでは風邪を引いてしまうから、今日は帰ろう。
君にも私にも、価値はある。力をつけて、たまには休んで幸せになろうぜ。それからぼちぼち、世界を救おう。
<<終わり>>
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