足し算で仕事は輝く
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:根本 純希(ライティング・ゼミ日曜コース)
「なんで床屋なのに色々やっているの? なにがやりたいの?」
最近お客さんからされた質問だ。
不思議に思うのは無理もなかった、そう思うのはこのお客さんだけじゃないだろう。
なぜなら僕らのやっている床屋は少々活発な床屋だからだ。
カメラ部というサークル活動があって、お客さんも含めた仲間数人が所属しており、
日帰り撮影会や展示会を行っている。
英語が話せるようになりたいとスタッフの誰かが言い出せば、お客さんの中に教えられそうな方をみつけ講師になってもらう。英語サークルのはじまりだ。
開店12周年には地域を巻き込んでのお祭り。繋がりのある子どもたちがやってみたいことを形にすると店内にはバッティングセンターが出現した。射的に、綿あめ、焼き鳥にフランクフルト、腹話術にダンス、餅つき。盛りだくさんのイベントは70人を超す人が集まり大成功だった。
このように少々活発な床屋は、傍から見るとてんでバラバラなことをやっていて、いったい何がやりたいのだと疑問がわくのだろうが、僕にとっては全部床屋に繋がっていた。
スタイル写真を撮らせていただくときにモデルは格好良く撮影したいし、モデルになったことに満足してもらいたい。
英語しか話せないお客様とコミュニケーションをとり、希望のスタイルを共有するためには英会話は必要だった。
地域密着型の床屋は近所のお客様に支えられて商いが続けられてきたのだから、
皆さんに気軽に喜んでもらえることは何か? と考えたら祭りだっただけだ。
興味を持ったことは、とりあえずやってみることにしていた。それは自分だけじゃなく、
スタッフが興味を持ったものも、どうしたら実現できるかを考え形にすることにしていた。
なぜかというと、足し算することで仕事は面白くなるからだ。
大好きなことを仕事に出来ている人は少ないかもしれない。僕もそのひとりだった。
大好きなことを仕事にしていて、夢中になっている人を見ると輝いてみえて羨ましいとまで感じた……床屋だけをやっているときは。
仕事を面白くするにはその仕事に関連することで興味があることを足していけばいい
カツ丼というメニューで価値を見出し満足する人であればいいのだろうが
僕はカツ定食を好む人間だと思う。メインであるカツをサポートするキャベツも必要だし、
カツと一緒に白飯も頬張りたい。小鉢があるからカツがよけい引き立つのかもしれない。
カツ定食のように、床屋以外のものを合わせることでメインである床屋を楽しめるようになったのだ。
好きな事を仕事にしている人は少ないかもしれない
でも今の関わっている仕事を自分好みにカスタマイズすることはできるはずだ
僕は密かに企んでいることがある
今までは僕の好きなこと、興味のあることをメインに足してきたが
これからは仲間たちの好きなことや足していきたいと思う。
そして仲間たちに職場を楽しんでもらうのだ。
今以上に仕事を好きになってもらい、それぞれの才能を発揮してもらえた時
あのお客さんはこう言うだろう
「遊園地みたいな床屋だな。面白くて目が離せないよ」
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