メディアグランプリ

子育てに悩むことは呼吸するようなこと

thumbnail


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:安村政子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「学校にいきたくない」
「いじめられている」
 
息子が小学校4年生の時に、言われた言葉です。母子家庭で子育てしながらは無理だった んだ、仕事ばかりして、息子を見れていなかった、息子の気持ちに、全然気づいてあげれ ていなかった、親として失格だと思いました。
 
人生の中で一番辛かった……
胸が張り裂けそうだった……
 
思わず抱きしめて、「よく言ってくれたね。誰に、いじめられていて学校に行きたくない の?」「何が、あったの?」と、聞きました。息子は、「○○くん……」「みんなの前で、え えかっこし~、優等生~、きもいんじゃあ~と言われる」と言った。
 
小学校1年生の時は、仲良かった子やんな、優しそうな子やったよな……なんで? と頭の中 を過りました。息子の通っている小学校は、全学年1クラスという小さな学校、だから、 クラス替えなんてものはなく、6年間クラスは同じ、そんな場所で、いじめなんて、私 は、どうしたらいいのだろう。
 
息子は、母子家庭で育ったせいだろう、妹と弟の面倒を良く見てくれる、はっきりいって 優等生。なので、余計に、私には心配をかけまいと、 いままで、何も言えなかったのだろ う。ということは、容易に推測できたので、辛くて胸が痛かった。
 
子どものためなら、何でもできる。そんな思いで、私は、息子にこう言った、「あなたに
学校に行きたくないと言われたら、じゃあ、いかなくていいよ。ママも、仕事辞めて、そ
ばにいるよ。」「あなたのことを、気づ付けるすべてのものから、あなたを守りたいか
ら」私の、正直な気持ちだった。
 
でも、その後、こうも言った「でもね、こうも思っているの。ママが、1度守ったら、こ れからも、ずっと守らないといけなくならないかな」
 
息子は、下を向いて泣いていた。
「どうしたい、どうする?」
 
次の日、学校を休ませて、とにかく息子と遊んだ。息抜きをさせてあげたかった、いまま で、我慢させて、無理させてゴメン。合間に、担任の先生に相談の電話を入れてみた。先 生は、「お母さんすいませんでした。気づくのが遅かったのかも知れません。」「からか われている、ふざけていると思っていました。ですが、我慢していたんですね」「明日、 学校に来てください。2人で話をさせてみます」
 
体育館で、息子は泣きながら、言われたくないこと、やってほしくないこと言ったよう
だ。いじめていた子は、すんなり謝てくれた。よかった、ほっとした。しかし、先生の前
以外で、何か起こらないかは、心配で心配で仕方なかった。
 
しかし、心配することはなかった、いじめた子と両親が謝りに来た。「この度は、息子が ひどいことをしました」と、私は、「いえ、こちらこそ、○○君ゴメンね、これからも仲
良くしてね」と、言った。両親の対応に頭が下がる思いをした。
 
今回のように、いじめっ子の両親の対応には驚いた、こんなにうまくケースはないらし
い。なぜ、うまくいったのだろう。
 
あれから15年、私は、鍼灸師をしながら、乳幼児教育に関わる仕事をしている。子育てと 仕事を両立できているかのように思っていながらも、実は、子どもの気持ちに、まったく 気づかなかったような母親がだ。こんな親が、子育て指導を自ら目指すわけもない。な ぜ、乳幼児教育に関わる仕事をしているか、ただ、毎日、あたり前のことをあたり前に一 生懸命、生きてきたら、ここにいた。
 
そして、今は、子どもの身体のこと、発達の土台となる「呼吸」、子どもの自主性、主体
性をママ達に指導している。現代の子ども達が、呼吸ができていない問題に取り組んでい
る。いやいや、呼吸ができていないなら、死でるでしょう。そう、思われるかも知れない
が、「呼吸」とは「無意識」にできないといけないのだ、呼吸するのに力が入ると、毎
日、無駄なエネルギーを使っているということになる。子ども達は、無駄にエネルギーを
使っている。だから、身体は疲れる。だから、やる気もでない。
 
呼吸のことを理解すると、大切なことに気づき、今聞けて良かった。とママ達は、喜ぶ。
逆に、後悔するママもいたりもするが、でも、「呼吸」とは、当たり前「無意識」ででき
ることを獲得させてあげて欲しい。
 
昔の私は、子ども達を食べさせていくためにとか、子ども達を大学に入れるためにとか、
子ども達のために、子ども達のためにと頑張っていた。その結果が、いじめ問題だ。何事
にも一生懸命いきてきたからこそ、あれくらいで済んだが、今、乳幼児教育に携わってわ
かったことは、子どものためと言っても、子どものためではなく、自分のためだったとい
うこと。私は、好きで仕事を頑張っていたのだ、その結果、子どもはいじめにあったの
だ。
 
昔の自分に言ってやりたいことがある!あなたは、子どものために頑張っているのではな
く、好きで頑張っていることを認め、子育てに悩んでいいし、ダメな親なんていない
よ」
 
子どものために悩むことは当たり前のことで、呼吸をすることと同じ。子ども達も、あた
り前のように生きて、人生を乗り越えていく!これが、当たり前の事だと今になって思
う。
 
ママ達に、伝えたいことは、それは、子育てに悩むママは、ママとしてダメなんかじゃな
い! ということ。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 
http://tenro-in.com/zemi/102023
 

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2019-11-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事