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メディアグランプリ

カニビル付きは美味いカニ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:谷口季代子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「ヤバい。このカニミソめっちゃ美味い!」
子どもから歓声があがります。
 
一口食べました。
何でしょう、この濃厚さは。
水っぽさがひとつもないんです。
 
足の身の詰まりも申し分ありません。
それでいてスルスルと殻から外れます。
そしてこの味!
間違いなく、これまで食べたカニの中で一番です。
口に入れた瞬間に広がる香り、旨味、口福感。
 
しばらくして、カニを食べているのに手がベタベタになっていないことに気づきました。
いつもなら、カニの身から出てくる汁でベタベタになるのですが。
このカニは汁がほとんど出てこないんです。
本当に濃厚です。
 
家族4人で夢中で食べました。
あとに残った殻さえも惜しい気がして、鍋で茹でて出汁をとったんです(ケチ! 笑)
それを雑炊にしたら……これまた子どもから歓声が上がりました。
 
このカニを奨めてくれた相木魚問屋のおばちゃん。
ありがとう
最高です!
 
敦賀港の相木魚問屋に来ている。
京都から敦賀は意外と近くて、クルマで2時間ほど。
11月初旬のカニの解禁日を過ぎると、カニを買いたくなってクルマを走らせる。
 
ここ何年か、観光客向けの大きな市場でカニを購入していた。
市場の中に何軒もカニ専門の店があって、元気の良い店員さんが奨めてくれるカニを買っていた。
 
でも、いつもちょっとモヤモヤしていた。
「おねえさん、いつも2万円のところ、今日は値引いちゃうよ。1万3千円でどう?」
「うーん、予算がねー」
「じゃあ、このエビもつけて1万円!
「うーん……」
「じゃあ、このブリの短冊もつけちゃうよ! お買い得! 」
結局この辺で折り合いをつけて購入するのだが、
「いったい原価はいくらなのよ?」とモヤモヤする。
 
その、もろもろついて1万円のカニは化粧箱に入っている冷凍モノだ。
一旦茹でてから冷凍しているので、解凍したらそのまま食べれるという。
 
何かの記事で、カニは茹でたてが美味いということを知った。
ぜひ食べてみたいと思い、いつもの敦賀港で買えないかネットで調べた。
そして行き着いたのが相木魚問屋。
Facebookにセリで落とした魚や、カニを茹でている画像がUPされている。
よーし、私も茹でたてガニを食べるぞー!
 
にこやかなおばちゃんが迎えてくれた。
「家族4人で食べたいんですが、どれがよいでしょう?」
「これなんか値打ちがあると思いますよ」
奨めてくれたカニは、敦賀港であがった越前ガニ。大きなツメには越前ガニのブランドタグがついている。
どうしてこれを選んでくれたか尋ねた。
「カニビルの卵がついているでしょ? これはカニが脱皮して時間が経っているから身が詰まっている証拠なんですよ」
カニビルとは、カニや魚に寄生して体液を吸うヒルだそうだ。蟹の甲羅についている5mmくらいの黒いツブツブがそれの卵。人に害はない。
カニは脱皮を繰り返して大きくなるが、脱皮したてのものは、殻ばかり大きくて身の詰まりが良くない。
対して、カニビルの卵がたくさん甲羅についているものは、脱皮して日が経っている証拠で、身が詰まっている可能性が高い。
しかもこのカニは昨日茹でたばかりだという。
 
茹でたてガニと冷凍ガニの違いについても教えてもらった。
冷凍ガニは、上手に解凍してもどうしてもカニのドリップ(旨味)が出てしまう。これは冷凍した肉と同じだ。
一方、茹でたてガニはドリップが出ない。
その違いが明らかに出るのがミソの部分。
もともと水分が多い部分だから、冷凍するとその旨味が流れ出やすい。茹でたてなら、そのものの旨味を味わえるということなのだ。
そういうことなのかー。
これを聞いて買わずにはいられない。
 
子どもが小さい「セイコガニ」を指差して、「これがかわいいから買ってほしい」と言っている。
カニがかわいいって……くすっとなりながら、セイコガニを見た。
卵をたくさん抱えている。
よくよく見ると、買おうとしている越前ガニのミニチュア版のようにも見える。
 
そういえば、カニの種類について知らないなぁと思い、おばちゃんに尋ねた。
なんと越前ガニも松葉ガニもセイコガニも、みんな「ズワイガニ」だそうだ。
大きな越前ガニや松葉ガニがオスで、セイコガニとかコッパガニとか呼ばれているものがメス。
何も知らずに、毎年ぼーっとカニを食べてたんだなー。
チコちゃんに叱られるわ。
 
いろいろ教えてもらって大満足して、おすすめの越前ガニとセイコガニを買った。
越前ガニは1万5千円、セイコガニは700円だった。
おばちゃんに値引きをお願いしたら、もう夕方だからとOKしてくれた。
「いくらにしたか言わないでね」と、にっこり人差し指を口にあてて。
 
もし北陸にご旅行のときは、ぜひ茹でたてガニをご賞味くださいね。
そして選ぶなら、甲羅にカニビルの卵付き!
口福感でいっぱいになれると思いますよ。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-12-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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