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言葉の距離感

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:成広汐里(ライティングゼミ平日コース)
 
「タメでいいですよ」
あー……ごめんなさい。
多分無理です。当分敬語です。
 
Twitterだとよく見る光景だ。
私は趣味アカウントでリプライとかをするとき基本敬語だ。
敬語が外れるのは多分1年くらい経つか、1回直接会ってから。
 
あとはこれ。
「あ、今、私傷ついた。誰かの代わりに」
 
そんなことをTwitterにいるとよく思う。
それは別に私に向けられた言葉でもない。
その誰かが私の関係者というわけでもない。
ただタイムラインに流れてきた。それだけ。
それでなんとなく傷ついてしまう。
「その人がこのツイート見たら多分傷つくだろうなあ。ちょっと有名なだけで私たちと変わらない人だもんね」
と不思議な優しさを発揮してしまう。
 
HSP(Highly Sensitive Person)という性質がある。
これは病気ではない。
そういう気質、性格だととらえて欲しい。
で、それがどんな気質かというと。
一言で言えば「繊細」、ただそれだけ。
 
あるサイトではHSPの長所、得意なこととして5つ上げていた。
1、 人に共感する力が強い。
2,深い思考ができる。
3,五感が鋭い。
4、危険意識が高い。
5,内面のエネルギーが強い。
 
逆に苦手なこと、短所はこれだ。
1, 雑談・会話。
2, 頑張りすぎる。
3, 罪悪感を抱きやすい。
4, 怯えがち。
5, 怒りと争い。
 
試しにセルフチェックをしてみるとHSPだった。
ああ、なるほど。そういうことか。
つまりそう思うのは私だけで他の人はそんなに気にしない。
 
で終わらせてもいいんだけど、納得いかない。
だって言われた本人は傷ついてるかもしれないからだ。
 
HSPという言葉を知ったのは最近だ。
それより前は「文章書くようになったからかなあ」なんて思っていた。
ライティングゼミで毎週のように2000字を書くようになった。
文章を書くようになると人より言葉を気にする。
間違えても自分の書いた言葉で誰かを傷つけないように。
怖さは多分誰よりも知っている。
なぜなら言葉で傷ついたことがあるから。
 
言葉には距離感がある。
家族に言っていいこと。
親友に言っていいこと。
友達に言っていいこと。
知り合い・顔見知りに言っていいこと。
初対面の人に言っていいこと。
それぞれ全部違うだろう。
 
例えば。
何か嫌なことがあったとき。
家族になら素直に感情を表現しても良いだろう。
親友もまあいいかも。
でも友達は? うーんちょっと気を遣うかも。
知り合いや顔見知りは? 間違いなく猫被る。
初対面は? そんな感情を出すような話はそもそもしない。
 
SNSができるまではこれでよかった。
会ったことのない人とは話せないからだ。
でも今は違う。
会ったことがない人にも簡単に話しかけられる。
会話ができる。
ネット上でだけで会話して、もしかしたら一生会わないかも知れない。
そんな人たちと簡単に会話ができてしまう。
 
よくよく考えたら怖くないだろうか。
初対面を通り越して友達感覚で話していたりしないだろうか。
時々「それ本人に言う必要ある?」みたいなことまで返信している人がいる。
嫌い、とか。
そうは思わない、とか。
そう思うのは勝手だけど、言わなくてよくないですか? と思う。
議論して良いのは面と向かってだけだろう。
だからそういうツイートを見るとこう思う。
「ああ。距離感、勘違いしてるなあ」と。
会ったこともないのに、自分の感情を素直に出してしまっているのだ。
よく考えたらなかなか失礼なことをしてるんじゃないだろうか。
 
Twitterは仮面舞踏会みたいなものだ。
仮面舞踏会はそれなりの距離感で大人の時間を楽しむ、そんな場所だと思う。
Twitterもまた何か呟くと専門家や本人から返信が来たりする。
使い方によってはきっと社交場として楽しめるはずだ。
ただ仮面舞踏会と違うのは、仮面をつける人もいれば、仮面を外す人もいるところ。
ネットは時間とは違う。
時間は人との距離を縮める。
ネットも人との距離を縮める。
でもその距離は多分心じゃない。
時間が縮めるのは心だ。
何度も会えば知り合いは友達になり、友達は親友になるだろう。
でもネットは初対面を一気に友達まで縮める。
そんな急に距離が縮んでも困る。
簡単に感情をぶつけられても困る。
だから私は敬語を使うのだと思う。
その人たちと適度な距離感がほしいからだ。
 
会わないから気にしなくて良いことはないだろう。
だって心を動かした言葉はいつまでも覚えているから。
私がたくさんの救われた言葉を、傷ついた言葉を覚えているように。
しかもネットは半永久的に言葉が起こる。
面と向かって言われるよりよっぽどたちが悪い。
 
今の時代ネットから離れて生活するのは難しいだろう。
だから言葉には気をつけたい。
あなたの知らないところで、あなたの言葉が誰かを傷つけていたら?
ほらね、怖くなったでしょ。
今の時代にある怖い話。
皆様も言葉には気をつけて。
 
 
 
 
***
 
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2019-12-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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