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君だけは変わらないでいて


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:のむけん(ライティング・ゼミ夏期集中コース)
 
 
世の中とは世知辛いもので常に移ろいゆくものだ。
古今東西、昔から変わらず現代に残っているものなど殆どない。
特に最近は時代のスピードが加速し5Gだ、AIだと次々新しいワードが誕生する。
 
そう! 栄枯盛衰の世の中、時代は変わるものだがそれでも僕にはどうしても変わらないでいてほしいものがある。
それは本だ!
本だけは変わらないでいて欲しいと切に願っている。
 
「本は電子書籍があるし、これからも変わらず存在し続けるよ」とあなたは言うかも知れない。
いいや、ちがう、そういうことではなく、紙としての本に変わらないでいて欲しいのだ。
 
僕は本が好きだ。もっと言うなら僕の人生には本が必要だ。
 
毎日僕の鞄には大抵2冊の本が入っている。
行き帰りの通勤電車の中、昼休み、ちょっとした空き時間に読書を楽しむためだ。
 
現在読んでる本と並行してどうしても読みたい本に出会ってしまうときもある。
そんな時は流石に3冊持ち歩くのはきついため、Kindle版を購入することもある。
そういった意味では電子書籍を頭から否定するつもりはないし、その存在価値、優位性、利便性も認めてはいる。
でも、世の中の大半の本が電子書籍になってしまうのは耐えられないのだ。
 
まずは電子書籍では本を読んでいる感じがないことだ。
ページをめくり右手、左手のページバランスが移ろうことに読書の楽しみがあると僕は思っている。
まだまだ左手にページが多い時。
それはこの先の読書体験を想像し、ワクワクする時間だ。
「この先のページには何が書かれているんだろう」
覗き見したくなる衝動を抑えてひたすらに目の前の文字を読み、ひとつページをめくる。
そうして1ページ、また1ページとめくっていって左手のページ少なくなった時。
手にかかる紙の厚さの変化とともに本の終わりが近いことを悟る。
内容を読み進めてきたこともさることながら、厚さから伝わる様々な情報に読書プレジャーとでも言うべき興奮、醍醐味があるのだ。
 
本好きであればきっと共感してもらえると思うが、本はページに書かれたことだけが大事な訳ではないとも思う。
紙質、紙の厚さ、本の厚さやページ数、紙面の大きさ。
インクの色やにおい、表紙のデザイン、カバー等の装丁、全てひっくるめての本だ。
本を作るには紙の見本で一枚一枚厚さ、質感、めくりやすさなどを吟味して内容にふさわしい紙を選ぶ。
選んだ紙を実際のページ数にあわせて本のカタチを作り手応えを確かめる。
本の内容に合いながらも書店で目立つ、手に取ってもらえるように装丁を練りに練る。
そうした涙ぐましい裏方の努力があって一冊の本というのは出来ているのだ。
それを電子書籍で「情報だけ頂きます」などと、なんとも趣がないと言わざるを得ない。
 
また本にはパラパラとページをめくる楽しさがある。
パラパラとページをめくりながら気になったページをを見返すとそこが「今の自分に必要な情報だった」ということも少なくない。
占い的に中身を見ずに「ここだ」と思うページを開き、偶然出会ったその内容を今日の指針とするようなことが出来るのも、紙の本ならではの楽しみだ。
 
引っ越しの際に本棚を整理していて「この本なつかしいなぁ」と思わず手に取り、ついつい読みふけってしまう。
「読んでないで早く片付けてよー」そんな楽しい思い出の1ページも、電子書籍では作り得ない。
 
これはどれもこれも電子書籍に代役が務まる、そういう類のものではないのだ。
だから僕は本だけは変わらないでいて欲しいと切に願うのだ。
 
しかし、しかしだ。
敢えて言おう。
僕が本に変わらないでいて欲しいと思うのはそんな理由からではないのだ。
 
電車内で、街角で、カフェで本を読む。
その時に電子書籍であれば周りからはどう見えるだろうか?
チロチロとスマホを触っている様はゲームをする姿と何ら変わらない。
「僕は今読書をしています」そういった知的な演出がまるで出来ないのだ。
画面を覗き込めばゲームをしているのではないことは分かって貰えるだろう。
しかしネットサーフィンをしているのか、読書をしているのかの違いまではなかなか見抜いては貰えない。
紅茶を片手に窓辺で本を読む、そんな絵になりそうな景色も電子書籍であればシャッターを切る者はいないだろう。
 
女性と「今どんな本読んでるの?」なんて話になったときにも電子書籍では全く面白みがない。
「今はこの本読んでるんだよ」
「わー、その本私も読みたかったんだー」
「そうなんだ。じゃあ、読み終わったら貸してあげるよ」
そんな展開にはなりえないのだ。
せっかくのチャンスを活かすことが出来ないではないか!
 
もちろん、不純な動機で本を持ち読書をする僕にそんなチャンスが訪れたことはない。
本が電子書籍に変わってしまう前に、僕の本に対する姿勢を変えるほうが先なのだろう。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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