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醒めないNizi Projectの魔法


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:イマムラカナコ(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「面白いオーディション番組があるんだけど」
3ヵ月ほど前、高校生の娘が、また私にお薦めをしてきた。
JKである娘から、私は流行りを知ることが多い。
 
娘は、K-POPの女性アイドルグループのTWICEの大ファンでもある。
新曲のミュージックビデオが出るたびに、私にも一緒に観ようと言ってくる。
私が、サビの部分を覚えて歌うと嬉しそうにしている。
大好きなアイドルの素晴らしさを、私と共有したいようだ。
 
娘のお薦めのオーディション番組は、「Nizi Project」というらしい。
韓国の大手プロダクションJYPが主催しており、何よりそのプロダクションにはTWICEが所属しているのだ。
もしデビューメンバーが決まれば、TWICEの妹分と言ったところになるようだ。
 
娘のお薦めで、これまでも散々K-POPアイドルグループを覚えなければならなかった私は、ちょっと食傷気味だった。
確かにいろんなグループを観ていると、そのグループならではの良さが見えてくる。
歌が素晴らしい。ダンスが素晴らしい。チームワークが素晴らしい。もちろんビジュアルも。
日々研鑽を積んでいるであろう彼らの努力を垣間見たような気がして、名前を覚える頃には、ちょっと応援したくなるのだ。
あのグループも素敵。このグループも格好いい。
分かる。分かるよ。
でもお母さんは、そんなに覚えきれないよ。
 
ちょっとげんなりしていた私に、娘が言った。
「今度は覚えやすいよ。だって日本人だもん」
そうなの?
難しい韓国の名前に苦戦しなくていいの?
日本人と言うだけで、私のバリアが薄くなった。
 
丁度、日本テレビの「スッキリ」という朝の情報番組で、そのオーディション番組の特集が放映されていた。
その頃は、地域予選、東京合宿を経て、デビューメンバーを絞るための韓国合宿まで話が進んでいた。
娘はすかさず、You Tubeで今までのオーディションの動画を見せてきた。
1万人もの応募者の中から、練習生はどんどん絞られていった。
韓国合宿に来ることができたのは、なんとたったの13名。
ここに来るまで彼女たちは、何回も自らの可能性や実力について評価を受けた。
 
この番組で練習生としてアイドルを目指している女の子たちは、ほぼ10代。
私の娘と同じくらいだ。
この時点で、彼女たちの努力と汗と涙のドキュメンタリーに没頭するのに時間はかからなかった。
練習が思うようにいかなかったり、自らの課題を乗り越えるために真摯に自分と向かい合う彼女たちに、何度泣かされたことか。
裏での努力を、評価のステージで出し切らねばならないプレッシャーは、想像するだけで胸が押しつぶされそうになった。
 
彼女たちの評価は、JYPの代表である、J.Y.Park氏が行う。
プロデューサーでもあり、自らも第1線のアーティストとして活躍している彼は、評価に「人柄」という項目も含めていた。
長年アーティストとして自分自身を律してきた彼ならではの評価基準である。彼は、評価を下すときも決して励ましを忘れない。
残念な結果に終わったとしても、そこから彼女らが何かを見つけ出せるヒントを贈ることを忘れない。
 
このJ.Y.Park氏の語録は、「スッキリ」でも話題になっていた。
新たな指導者像として、感銘を受ける方も多かったようだ。
彼は練習生たちを、ビシビシと厳しく鍛えるわけではない。
威圧的な態度で、彼女たちに接することはない。
事務所の代表だから、きっと練習生たちも彼の前では緊張するだろう。
その彼女たちを包み込むかのように、真剣に彼女たちにアドバイスを贈るのだ。
その言葉が琴線に触れ、彼女たちは緊張の糸が切れて涙する。
そして再び自分を鼓舞して、次の課題に向かっていくのだ。
 
J.Y.Park氏は、北風と太陽で言えば、太陽である。
冷たい風を吹き付けて追い立てるのではなく、温かい風でやんわりと包み込み、そのままのあなたでいいよと安心させるのだ。
結果として、自信を取り戻した彼女たちは、次々と素晴らしいステージに還元してくれる。
 
彼女たちの先輩、TWICEの曲で「Feel Special」という曲がある。
練習生の評価で、この曲が課題曲になったことがあった。
この曲は、TWICEの経験を聞いて、J.Y.Park氏が作った曲だ。
歌詞の内容が、TWICEの悩みや想いを率直に表現できていると思った。
「困難なことがあって自分に自信が持てなかったとき、あなたがくれた言葉が、私を特別にしてくれる。だからどんなに世間が私を落ち込ませたりしたとしても、私はまた笑う」
そんな内容の歌詞だ。
有名人ゆえの苦労は、なった者ではないと分からないだろう。
歌詞の「あなた」は、ファンのことらしい。
ファンがどれだけ、心の支えになっているか。
そのファンの励ましが、原動力となるのだ。
 
練習生たちはTWICEとは立場が違うけれども、自分の境遇に投影して、この曲のパフォーマンスに昇華させていたようだった。
大変な環境に身を置いて、それでもなお努力できる彼女たちのステージは眩しく、不覚にもまた涙が出た。
 
「Nizi Project」でデビューを掴んだのは、9名の女の子たちだ。
グループ名は、「NiziU」である。
デビューメンバー発表の時には、固唾を飲んで見守った。
マコ、リク、リマ、リオ、マヤ、ミイヒ、マユカ、アヤカ、ニナの9人。
最年長でリーダーのマコを筆頭に、それぞれが魅力的なメンバーでチームワークも抜群だ。
ダンスや歌、ビジュアルだけが好みなのではない。
オーディションを通して、彼女たちの人間性や将来性にもハマっているのだ。
きっと、このメンバーたちが今度は自らが太陽となってファンを温かく照らしてくれるだろう。
「Feel Special」の歌詞のように、これから先辛いことが待ち受けているかもしれない。
それでも、メンバーがファンを、ファンがメンバーを思い遣っている限り、温かに互いの背中を押す関係が続いていくと信じたい。
「Nizi Project」から始まった魔法は、まだまだ終わらない。
「NiziU」となってますます磨かれた彼女たちは、更に素敵な夢を見せてくれるに違いない。
 
 
 
 
***
 
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2020-09-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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