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メディアグランプリ

Eカップブラでアバター体験


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鈴木麻未(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
毎日ご機嫌で過ごしたいものである。仕事を1日がんばって、すっきりと終わらせる。
満足して空を見上げたら夕焼け空が綺麗なことに気づいて、伸びをしながら晩御飯のおかずを考えるような、そんな毎日を送りたい。
 
でもそうもいかない日はある。決まったはずのことがひっくり返り、ちょっとしたクレームが心なしか無礼で、なんだかついていない。そんな昨日だから会社に行きたくないなあという朝にふと思い立って、妊娠中に買ったEカップのブラジャーをつけてみたことがあった。
 
サイズが変わることを想定されていて中に詰めるパットもセットで買ってあったのでパカパカになる心配もない。普段のときよりは2段階のサイズアップで身なりを整えてみると、この馬鹿馬鹿しい思いつきが、予想以上に楽しいことに気がついた。
 
歩いていても景色が新鮮。我が前方に、存在感あり。いつもより装備が充実していて強者な気持ち。
 
あれ? ということは弱っていたのかな、私。だから装備に頼りたかったのかな。でもこれで元気になるなら最高じゃない。私は既婚者だし誰を騙すわけでもない。この罪のない遊びで気分が上がるなんて、やっぱり最高だ。
 
あまりに可笑しくて、同僚にチャットでこっそり教えてしまった。最初の私のトーン
が「昨日ついてなくてさ」から始まったので、愚痴を聞くモードだった同僚は、予想外の続きに「すごい! 楽しい! 一瞬で元気になった!」と絶賛してくれた。同僚までを元気にするとは、ほんとすごい。
 
なんでなのかなと考える。私は普段から大きなおっぱいに憧れているわけではないし、自分についているもので特に困っていない。豊かな感じ、とか、景気がいいな、みたいなポジティブな印象は持っているので、それを装備できたのが良かったのだろうか。
 
そうか「装備」なのだ。真っ正直な自分「本体」で向き合うのに疲れちゃったときに、「装備」が違う自分気分にさせてくれて、それで元気になったのかもしれない。
 
これってアバター体験みたい。アバターというのは、ネットワーク上の仮想空間でのユーザーの分身のこと。私はEカップのブラジャーをつけたことで、現実空間でも分身気分になれたのだ。
 
もっと分身になれたらいいのに。いや、そもそも分身だということに、みんなが共通認識を持てたらいいのに。
 
どういう意味かと言うと、仕事上の私は、本名で仕事をしているし私本体として働いているけれど、職場における役割を担っているだけなのだ。そこに個性は出るし、私らしさも出るけれど、なんていうか仕事としてやっていることを「本人がやりたがっていること」と勘違いしている人がわりに多くて、困る。仕事してやっていることに個人的趣味嗜好が全反映されているはずないのに。
 
例えば行きつけの美容師さんは、娘にもとても優しくしてくれるけれど、それは美容師さんとお客さんという関係があってのことで、そこで見せている姿が本体全てと思われても困るだろう(裏で意地悪ということではなく人間関係の設定がその場ということ)。そこに触れずとも、美容室という仮想空間で良い関係、気持ち良い関係でいられたらそれでよいと思う。
 
多くの人は分かっていると思う。クレームを言う側にもなる可能性があるけれど、役割としてのそこにいる人に、問題の解決をしてほしくて伝えるなら機能として正しい。
 
でもそうでない人もいる。駅でものすごく怒っている人とか、喧嘩している人とか、その場の知らない人同士のやり取りとは思えない。その人の人生に積み重なった怒りが溢れ出てしまったように思える。役割としてそこにいる人が巻き込まれたら不幸なことだし、問題も解決しない。
 
役割としてそこにいる人が、分身以上に巻き込まれることなく、無事であって欲しいと思う。そして怒りが溢れ出てしまう人も、その人もまたいろいろなものに巻き込まれてしまっているのかもしれないから、その人の問題が解決することを願う。
 
Eカップブラジャーの話から、こんな話になろうとは自分でも思っていなかった。本当に同じ本体がこれを書いているのかな?
 
それを言うならば、冒頭に書いた「空を見上げたら夕焼け空は綺麗」これも分身ぽくはないか? SNSにでも書いたら「けっ」とでも言われそうでもないか?
 
うん。これも分身でいいのだと思う。そういうことを言う分身も、私の一部なのだ。なので同じ本体の分身の一つが書きました。「けっ」と誰かに言われたとしても、全身全霊で受け止めず、そういう私もいるのですよ、とたくさんの分身とともに受け止めたい。
 
場面に応じた本物の分身がたくさんあるというのは、トランプで言うと色んなカードを持っているみたいなものだ。多けりゃいいってわけではないだろうけど、必要な場面で適切なカードが使えたらいいよね。
 
Eカップブラさんは、ユーモア担当とか、視点を変えてみよう担当なのだろうか。楽しくて頼りになります。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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