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竹のように強くしなやかに〜「レジリエンス」考察


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:まりこラベンダージョーンズ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
ウイルス対策をしながら暮らす生活がニューノーマルとなった今、コロナ禍が教えてれたこと、とくに「レジリエンス」と健康について、考えたいと思います。
 
こんな状況でも元気に楽しく暮らせている人というのは、しなやかに振り戻る力が大きいようです。
 
具体的には、落ち込んだとしても気持ちの切替えが早い人や、運動不足と感じたらこまめに身体を動かす工夫ができる人です。あなたの周りにも、そんな人がいませんか?
 
こういう人は「レジリエンス」が高いと言えます。
 
この用語は、もともと、反発力や弾力性を意味する英語で、物理学・生物学・心理学で使われます。ヘルスコーチという職業柄、私にとっては馴染みのある概念ですが、日本語にしにくいと感じていました。
 
「自分やシステム全体が不利な状況になった時に、その状況に対して行動を順応させ、回復する能力」と定義されています。
 
ところが、最近はそのまま「レジリエンス」として、一般的に耳にする言葉になってきました。それだけ、いまの社会に必要とされているのでしょう。
 
「レジリエンス」とは、分かりやすく言えば振り戻る力のことです。
 
しなやかに生きる力がある人は、たとえバランスを崩して転びそうになったとしても、直前で態勢を立て直し、自分にとっての中心軸、真ん中に戻れるのです。
 
バランスを取る、と聞くと直立不動でいるように思えますが、じっさい私たちは、常に変化する環境に応じて、バランスを取り続けているのです。私の中では、無限大のような形でゆらゆらしているイメージです。
 
つまり、バランスという名詞ではなく、バランシングという現在進行形と考えたほうが、実情に近いと考えます。
 
「レジリエンス」の高い人は、竹のように折れにくい、しなやかで強い心と身体を持つから、大風が吹いても、しなって中心に戻る。ポキッとは折れないのです。
 
ここで、「レジリエンス」を健康と自律神経の関係から考えましょう。
 
自律神経には2つのモードがあります。頑張るモードの交感神経と、ゆるめるモードの副交感神経です。
 
しなやかに生きるには、両方がきちんと機能することが大切です。
 
しかも大事なことは、「ストレスを生むから交感神経が悪者」ではないこと。ストレスが悪いのではなく、ストレスを感じ続けること、極端な状態に居続けるのが良くないのです。
 
たとえば「24時間、戦えますか?」のメンタリティ。昭和の言葉というひと昔前の考え方かもしれませんが、ブラック企業が問題になるなか、いまだに日本社会に根強くある風習なのかもしれません。
 
当然ながら、常にガチガチでは身体やメンタルを壊します。ゆるゆるとする時間の過ごし方も、活動的に動く時間と同じくらいに大切です。
 
収縮と弛緩。
「頑張る」と「リラックス」。
 
つまり実際は、2つの自律神経はどちらも私たちの健康にとって必要不可欠です。片方が良くて、もう片方が悪いわけではありません。
 
いつも頑張っているわけではなく、ぼーっとしている時間があるから、ひらめきが生まれ目標実現できる。反対に、ぼーっとしてばかりでは、何も生み出すことができないし物事は前進しない。
 
これに関しては、初めての海外生活で頑張りすぎて、プチうつ気味になったり、病気をくり返したりという、個人的に苦い経験があります。メリハリを感じて、自分なりのバランスを見つけるのに数年かかってしまいました。
 
その体験からわかったことは、2つの相反する状態を心身で味わうことが、人間という生物の自然の営みだということです。
 
スイッチが入りっぱなし。
ずっと緩みっぱなし。
 
どちらか両極端で止まってしまうと、人間は弱くなります。
 
バランスが固定的でないように、常にゆらゆらしながら、真ん中に戻ってくることが、生命の営みです。その振り戻しが強さを作ります。
 
レジリエンスとはしなやかさ。
 
「打たれ強い力」「折れない心」とは、片方に振り切ったときに、いかに中心にまた戻ってこられるか、が鍵になります。
 
では、具体的に何をしたら良いのでしょう?
 
メリハリを意識して生活に組み込むことです。
 
たとえば、一日中デスクワークをしている人なら、こまめに身体を動かす時間を作る。ジムに行かなくとも、階段を使うなど、工夫次第で運動はできます。
 
コツは、やる気ではなくて環境や仕組みに頼ること。
 
小さく始めて効果を心身に感じ始めると、楽だから、気持ちが良いから、よりよい選択ができるように、あなたも変われます。
 
これは仕事上、クライアントさんの変化を拝見して毎度ながら驚くことです。身体の持つ生命力、レジリエンスに畏敬の念さえ覚えます。
 
休憩する。ぼーっとする時間や瞑想をする。運動する。水を飲む。血糖値を乱高下させる食べ物を避ける。質の良い睡眠を確保する。
こういった毎日の基本的な、小さなセルフケアが大きな違いを生みます。
また身体を整えることで、体力がつき気持ちも安定するものです。感情が身体の状態に大きく左右されていることは、私たちは、ふだん気づかないものです。
 
試していただきたいのが、今度イライラしてると気づいたら、身体の状態を感じてみること。身体のどこに、どんな感覚がありますか?
 
眉間にシワが寄っているか。
みぞおちが硬くなっているか。
呼吸が止まっているかも?
 
そんなことに気づけるようになったら、まず身体をゆるめる、そのためにふう〜っと、息を吐いてみましょう。
 
このように身体の状態をこまめにチェックする癖がつくと、極端に振れているときは、少しゆるめたほうがいいな、または最近たるんでいるからちょっと引き締めるために運動しよう、といまの自分に必要なことが分かってきます。
 
適切な運動・食事・睡眠などのセルフケアとは、けっして贅沢でも自己中心的でもありません。日々の生活のなかで続けると、心も身体も喜び、しなやかな暮らし方へと、変化がじわじわ訪れます。
その結果、ストレスとの付き合い方がうまくなり、リラックス状態から考えて行動できるようになったり、ぴりぴりモードとゆったりモードを意識的に選択できるようになったりします。
 
「レジリエンス」が竹のようにしなる力だとすると、もうひとつ竹と似ている点があります。
 
それは「レジリエンス」の高い人は、見えないところで人を支え、また支えられていて、大地深く地下茎を根ざしていること。打たれ強い人は、下からも周りからもサポートを受けたり、互いの繋がりやネットワークがあることです。
 
しなやかさがあれば、自分に余裕ができて、周囲の人への言葉がけや態度が変わるので、より良い繋がりや関係性を作り直すせるからでしょう。
 
ですから、しなやかな竹のような心と身体を目指す暮らし方をする嬉しい副産物としては、自分が健康になれるだけではなく、周りとの関係も変わることがあげられます。
 
この記事では、「レジリエンス」と健康について、おもに自律神経との関連で考えてみました。
 
自分の場合は、どうやったら良いかな?
「レジリエンス」を高めて、しなやかに生きるためにできることは何だろう?
 
と考えるきっかけになれば幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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