今すぐできる!関係性を劇的に改善するコミュニケーション~あなたの言葉の主語は本当に「私」ですか?~
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:中川翔太(ライティング・ゼミ平日コース)
「はあ……ありがとうございます」
表情はこわばり笑顔はない。むしろ少しムッとした顔だ。
目線は右斜め下を向いており、こちらに目は合わせない。
今にもここから立ち去りたそうだ。
自分と話すことを面倒に思っているのではないかと考えてしまう。
明らかに響いていない、不発だ。
またやってしまった。
社会人に少し慣れ始めた頃から、後輩育成を任せてもらえるようになった。
そこまでは良かったものの、思うように行かない。
「どうすれば自分の思いが伝わるのだろうか……」
会社やバイト、サークルや委員会……
生きている限り何かしらのコミュニティに所属しているはずで、コミュニティに所属していれば、必ずと言っていいほど発生するのが、育成・指導・マネジメントだ。
育成や指導やマネジメントに携わったことがある人であれば、一度は悩んだことがあるのではないだろうか。今まさに悩んでいる人もいるかもしれない。
年齢や立場など自分と相手のギャップが大きいほど、感覚が伝わりづらい。
「最近の若者は~」状態である。こうなってしまってはお手上げだ。
私もその一人だった。自分を指導してくれた先輩をイメージし、見様見真似で後輩指導に臨むも手応えなし。年次は近いものの、後輩が何に困っているのか、なぜできないかが理解できない。
そんな状況に行き詰まりを感じ、何か変えねばと心理学を勉強し始めた。
そこで学んだ内容を元に、一つ意識を変えただけで劇的に変化が起こったのだ。
「いやそうじゃなくて、こうだって言ったでしょ」
元々どちらかというと理性的に物事を考える方で、いわゆる正論を振りかざすタイプだった。
ルールだから。決まりだから。正しいから。
流石にもう正論では人は動かないことは身に沁みてわかってはいるが、そう簡単にコミュニケーションスタイルが変わるわけではない。分かるとできるは違うのだ。
土台にそんな考えを持っているものだから、最初は自分と異なる後輩がエイリアンのように思えた。
なんとか上手に指導しようと頑張ってみたものの、空振りばかり。
「仕事が早い!」と褒めてみてもだめ。
「もっと早くしなさい!」と叱ってみてもだめ。
押してダメなら引いてみなとはよく言うが、押しても引いてもダメならどうすればいいのか……
そんなときに出会ったのが「I(アイ)メッセージ」である。
I(私)を主語にして話す、といった非常にシンプルな手法だ。
これが私のコミュニケーションを劇的に変えてくれたのだ。
……なんだそんなことか、と思っただろうか?
正直私は最初にこの話を聞いたときに、そう思った。
I(私)を主語にして話すなんて当たり前のことだろ、と。
でも本当にそうだろうか?自分の胸に手を当てて、もう一度考えてみてほしい。
少なくとも私はできていなかった。少しではない、全くだ。
まさに先程私がしていた後輩指導は悪い例で、主語がI(私)になっていないことにお気づきだろうか?
「(あなたは、)仕事が早い!」
「(あなたは、)もっと早くしなさい!」
ご覧の通り、どちらも「あなた(相手)」が主語になっているYOUメッセージなのだ。
では以下はどうだろうか?
「頑張ったな!」
「よくやった!」
「もっとできるはずだ!」
指導の場面でよく使う言葉ではないだろうか?
実は、これもYOUメッセージだ。
こういった言葉は、相手に対する「評価」や「推測」と、受け取られる可能性がある。
例えば、「頑張ったな!」の場合。
相手が心から頑張っていなかったりすると、「なんだ、結局成果しか見てないのか、全然わかってくれてないな……」とむしろ相手が離れてしまう危険性がある。
不用意に反抗や抵抗を生んでしまうのだ。
以前の私はまさにこの状態だった。
では、Iメッセージで相手に伝えることはそんなに難しいことなのだろうか。
結論、そんなことは一切ない。非常にシンプルでとっても簡単だ。
意識さえできればすぐにでも変えられる。
それは、「自分の感情を添えること」である。
「いつも仕事が早くて、助かるよ」
「○時までにやってくれると、嬉しいな」
上記のように事実や指示に対して、あなたの感情を添えるだけでいいのだ。
「仕事が早い」は人によってものさしが違うため、一概に良し悪しを判断できないが、「(私が)助かる」のは紛れもない事実で、相手には否定のしようがない。
「相手の言動が自分に対してどのような影響を与えたのか」を、相手に伝えるのがIメッセージなのだ。
こうすることで相手の抵抗や反抗を和らげ、相手に言葉が響きやすくなる。
「中川さん!これできました!」「中川さん!〇〇やったらうまくいきました!」
満足そうに笑顔で駆け寄って来てくれる。報告してくれる。
Iメッセージを活用したことにより、私の言葉がより伝わりやすくなったのはもちろん、私が「嬉しい」と伝えたことを言われなくても実践し、その成果を教えてくれるようになったのだ。
主語をYOUからIに意識的に変えただけで、相手との関係性も劇的に改善した。
あなたのメッセージは、私主語だっただろうか?それとも相手主語だっただろうか?
Iメッセージを活用してあなたの人生がより良いものになれば、私は嬉しい。
***
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