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  【怪しいツボトントンで人生が変わった話】


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:いのまたかなこ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
TFTという治療をご存知だろうか。
 
Thought Field Therapy(思考場療法)の略で、ツボをシンプルにタッピングするだけで心理的問題を改善させていくものだ。
 
やり方さえわかればいつだって自分で行える治療法である。
 
私の親友が初めてこの治療を受けた時、あまりの手軽さと滑稽さに医師へ疑いの目を向けたそうだ。付き添いの旦那さんに至っては、堪らず隣で吹き出していたらしい。
 
私も調べてみたが端から見ると本当に怪しくて、新興宗教か胡散臭いセミナーみたいなのだ。
 
でもどういうわけか不思議と効くという。
 
実際、彼女の主治医でさえ
 
「いやぁ、これさあー、ほんとに不思議だよねえ〜」
 
なんて言うのだから面白い。
 
さて、どうして彼女がこの治療を受けることになったか、経緯を少し話したい。もちろん彼女には許可をもらっている。
 
彼女は20歳の時にPTSDと診断された。
 
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは強い恐怖感を伴う経験をした人に起きやすく、心の傷として残って様々な症状を引き起こす病気だ。
 
主な症状としては再体験(フラッシュバック)がある。まるで過去の現場にいるが如く五感が生々しく再現されるのだ。また、この感覚を恐れる余り解離状態や無気力を引き起こしたりする。完治が難しい病気である。
 
彼女はこの病気になったのは自身が弱いせいだと自分を責めた。でも実際は心の弱い人だけがPTSDになるわけではない。誰にでもなりうる可能性があるのだが当時の彼女には分からなかった。
 
たった半年で彼女の体重は15キロも落ちた。
 
それからフラッシュバッグを起こさないよう、また、起きても正常な精神でいるように、彼女が一回に飲む薬はゆうに20種類にもなっていた。すると今度は身体がパンパンに浮腫み、彼女はいつもぼんやりしていた。彼女の家族も私も、どう接して良いか分からない程だった。
 
彼女にさらに追い打ちをかけたのは彼女が33歳を迎えた夏だった。
 
私は彼女の家で夕食をご馳走になっていた。
 
いつものように彼女が夕食後の薬を飲むと、ほどなくして手足が踊るようにリズミカルに動き出した。貧乏ゆすりが震度1とするなら震度7くらいの暴れ具合だ。
 
また時に首や指、足がひきつって有り得ない角度で硬直する。1時間経っても治らず、それどころか酷くなった。常に動く手足のせいで汗だくになる。息が切れるほど疲れても、首がねじれて痛くても彼女自身の意思ではやめられない。
 
黒目がずっと上を向いて固定されているし、舌と喉が引き攣っているらしくうまく話もできない。
 
見ていた私も恐ろしかったし、彼女はただ怖くて痛かったと後で教えてくれた。
 
怖がる彼女に付き添って彼女の両親と夜間救急病院へ行くと、即、入院だった。
 
その時は薬の副作用によるジストニアと診断され、さらに救急の医師は言った。
 
「この副作用の治療法は確立されておらず、筋弛緩剤と強い眠剤を打って無理やり筋肉と脳を眠らせることしか対処法はありません」
 
変な角度で手が硬直しているので、彼女は箸を使うこともできなくなった。私が見つけてきた介護用の太いフォークでやっと食事をとる。眠っている時だけが唯一の安息に見えた。
 
3ヶ月の入院を経て、やっと自宅療養に切り替わった。
 
でも彼女の身体はおかしなままだったので、外出する度に異常者を見る目を向けられたそうだ。恥かしいからと彼女はますます自宅に引きこもった。
 
何だか、もう余生を過ごしているように見えた。
 
転機が訪れたのはおよそ1年半前、彼女が37歳の時だ。彼女は結婚をし、その東京で名医に出会ったのだ。
 
先生は彼女の状態を診るとこう言った。
 
「うう〜ん、これはジストニアじゃなくって過呼吸による『助産師の手』じゃないかなあ? すぐに楽にしてあげましょう。ええと、ここね、ガミュートポイントって言ってね、右手の甲の薬指と小指の間を左手でトントントンと押していきますよ。さあ、私の真似をしてくださいね、行きますよ?」
 
彼女はわけもわからず真似をする。言われるがまま強張った指でトントントン。
 
「次に両手で目の下をトントン5回。はい、1、2、3、4、5。次は鎖骨の下5回。脇の下5回。良いですよ〜。もう一度ガミュートポイントをトントン押しながらハミングします。そうだなぁ、『咲いた咲いた』のメロディにしよう。いきますよ。フンフンフン〜、フンフンフン〜、フンフンフンフン、フンフンフ〜ン。そのまま私の指を目だけで追ってください。床から天井にむかいますよ、そう、良いですよ〜。はいっ、どうですか?」
 
たった5分くらいの出来事だ。
 
薬も注射もしないで、あんなに異常だった彼女の身体は普通の身体になっていた。始めは吹き出していたご主人も、彼女の変わり様は心底驚いたと言う。
 
「まだムズムズしたり動きたがったりしますか?」
 
「いいえ……」
 
彼女自身、狐につままれる思いだったそうだ。
 
医師は続けた。
 
「良いですね〜。では次にトラウマ治療をしていきます。フラッシュバックした状態を作らないといけないのでまず催眠をかけますが、催眠状態のまま治療するので怖くないですよ」
 
(え、まって? 催眠なんてかかるわけない。だいたいそんな胡散臭いこと……)
 
ガクッ。彼女はすぐに催眠にかかった。
 
一緒にいたご主人からの話を聞いていなかったら、私だって信じなかっただろう。これが積年の苦しみが溶かされた、最初の治療だった。
 
その後の治療はデリケートな内容なので、彼女の名誉のため伏せさせてもらう。しかしたった1年半でPTSDはどんどん良くなった。まだ完治はしていないので彼女は通院を続けているが、薬の種類もずいぶんと減った。20種類だった薬は今では漢方薬を2種類と軽い睡眠導入剤だけだ。
 
念のためにヘルプマークこそつけているが、彼女一人でも全く問題なく外出できた。箸だって持てるし、細かい刺繍だってできる。
 
TFTをきっかけに、苦しみながら死を待つだけの人生から希望のある人生へと一変したのだ。
 
このようにTFTのツボトントンは彼女のようなPTSD患者のみならず、不安や不眠、過呼吸症候群、パニック障害とあらゆる精神的な病気に対応している。
 
即効性があるのに副作用がない。
 
唯一のデメリットは、他人にこの治療の効果を信じてもらうのが難しいこと。だから気になった方は騙されたと思ってちょっとやってみてほしい。
 
一番手っ取り早くTFTのやり方を知りたければ、LINEの『TFTセンタージャパン』のトークに「不安」「不眠」「鬱」など気になっている事を入力してみるといい。即座に各々にあったタッピング方法の動画が送られてくる。その動画を真似るだけなのだ。もちろん無料だ。私もやってみた。
 
なんかよく分からないけど楽になった、と実感するはずである。
 
 
 
 
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2021-03-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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