クリスマスケーキを食べる会に行ったら必殺技を覚えて帰ってきた
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:Asski Miho(ライティング・ゼミ集中コース)
2021年12月25日土曜日、私はウキウキしていました。
クリスマスです。
その日、私はクリスマスケーキを食べる会に誘われてとてもウキウキしていたのでした。
友人がとても美味しいと噂のクリスマスケーキを予約してくれて、みんなで食べようと言ってくれたのです。
食べるために生きていると言っても過言でないくらい食べることが好きな私は、そのオイシイ話に「行かせて、頂きますっ!!!」とすぐ食らいつき、その日寒い中マスクを鼻水(ヨダレ)で濡らしながら会場へ向かっていたのでした。
ここで必殺技を覚えることになることも知らずに……。
会場に着くと、クリスマスケーキを食べる会に参加していたのは8人。
それに対してケーキは苺やキウイ、オレンジなど色とりどりのフルーツの乗った大きなホールケーキがひとつ。
みんなが心安らかにケーキを食べるには、ケーキを綺麗に八等分する必要があります。
なかなかに大きな役目を超絶美人で仕事の出来る一児のママであるNさんが担当してくださいました。
ナイフを持ったNさん。
残り7人の視線がNさんに集まります。
華麗にカッティング……
と思いきや、Nさんはお湯を取りに行きました。
???
頭の中に大量のクエスチョンマークがついた私を察したのか、友人が助け舟を出してくれます。
「包丁を温めるとクリームがつかなくて、ケーキが綺麗に切れるんだよ」
なんでも切る前にナイフを温めるとクリームを溶かしながら切ることができるので、クリームがナイフにくっつかずに綺麗に切れるそうです。(Google先生調べ)
そんな技、あったんかー!!!
割とメジャーな方法らしいですが、それを全く知らなかった私は衝撃を受けます。
でも、衝撃はまだまだ続きました。
包丁を温め、第一刀。
スパッ。
そんな表現が相応しいくらい、ケーキはクリームがぐちゃっと潰れることもなく、包丁に余分にクリームがつく事もなく、美しく二等分されました。
うおお、すごい綺麗に切れたあああ!!! プロの方みたい! と感動し、そして次の一刀がいつ繰り出されるのか! とワクワクしながら見ていると、Nさんはキッチンの方へ向かいました。
ジャーーーーー……
蛇口をひねり、ナイフを水で洗うNさん。
そう。お湯で温めてケーキは綺麗に切れたとはいえ、若干はナイフにクリームがついていたのでした。
それをNさんは綺麗にしてから次の一刀を入れようとしていたのです。
その一連の作業を普段からやっているように当たり前に、とても美しい所作で行っていくNさん。
その美しい後ろ姿を見ながら、私は心の中で一人大反省会を開始しました。
前日の24日、クリスマスイブの日に会社でささやかながらもクリスマス会が開かれ、そこでもクリスマスケーキを食べていました。
ホールケーキが用意され、カットをしたのは私。
私は何も考えず等分できればいいでしょ! と、ザクシュ、ザクシュ! とクリスマスケーキにナイフを入れていきました。
切り上がったケーキは所々クリームが欠けたり潰れたり、ナイフにもたくさんのクリームが付いてしまったりと、お世辞にも綺麗と言えるものではありませんでした。
それを「あ〜、ちょっとぐちゃっとしちゃいましたけど、みなさん取っていって下さ〜い」とヘラヘラしながら言っていた自分。
綺麗に切ろう……! その意識もなく、また調べたらすぐ出てくるのに綺麗に切るやり方を知ろうともしていなかった自分を恥じました。
そして、次にクリスマスケーキを切る時にはリベンジをする!!! と誓ったのです。
そんな風に私が心の中で一人大反省会をしている間に、クリスマスケーキはNさんの手によってとても美しく八等分されていました。
一刀の度に洗い直され、お湯で温められたナイフで切られたクリスマスケーキはクリームが欠けたり潰れたりする事もなく、芸術品かと思えるくらいとても美しい佇まいで、キラキラとおいしそうな輝きを放っていました。
そしてその美しいケーキは味も勿論、とても美味しく皆で「うま〜い!!!」と、悶絶(感激)しながら食べたのでした。
ということで、クリスマスケーキを食べる会に参加して図らずも、新しい必殺技を覚えて帰ってきました。
「ナイフを温める」と「一刀ごとに綺麗にする」
きっとこれからの人生、ケーキを切る時にはこのコマンドが私の選択肢に追加される事でしょう。(今も使いたくてうずうずしています)
いや、ケーキを切る時だけじゃない、例えば、何か文章を書く前にPCをちょっとふいたり、机を拭いて整えたりと何かをする前に
「ちゃんと整える」
このコマンドを発動していこうね、意識していこうね、というサンタさんからのプレゼントだったのかもしれない、そうしみじみ思ったクリスマスケーキを食べる会での出来事でした。
そして、あと数日後に迫ったお正月でもきっと何か新たな必殺技を覚えることができるだろう、いや、今日の2021年12月29日水曜日だって覚えようと思えば必殺技を覚えられると、気合を入れたのでした。
***
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