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雑談とはコンビニスイーツのようなものだと思う


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:秋野ゆみこ(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「もう桃の季節なんですね」
スーパーのレジ待ちで並んでいる時に後ろの人に話しかけました。彼女のカゴに桃の花が入っていたのです。
日曜日のレジはとても混んでいます。長く待たされてイライラする事もよくあります。そんな時、こんなちょっとした雑談をすると心が和むのです。
 
私は雑談が大好きです。
もちろん単純にそれが楽しいという事もあります。でも、それだけではありません。雑談が偶然の幸運を運んできてくれると信じているのです。
 
若かりし頃、転職を考えていた事がありました。でも、なかなか踏み切れません。そんな事を友人達との雑談で話したら、同じ事を考えている人がいて一緒に学校に行って専門性を身に着けようという事になりました。
一人ではとてもできそうになかった事が、友人と二人なら励まし合って達成できました。
 
夫と結婚したのも雑談がきっかけです。あるグループで知り合い、ちょっとした雑談をした事がきっかけで付き合うようになり、結婚しました。
 
雑談が苦手な人もたくさんいると思います。そういう人は雑談に多くを求め過ぎているのかもしれません。雑談に完璧はないし、特に実りがなくても良いのです。ありのままの自分を飾らずに出せばそれで良いのだと思います。
 
例えば、ある日の夕食準備の話です。
その日のメニューはカプレーゼ、大根の煮物、豚肉の生姜焼きでした。早めに買い物に行って準備万端のはずが、生姜焼きに入れる生姜を買い忘れていました。慌てて、近くのスーパーにそれだけ買いに行って事なきを得ました。ほっとして、次にカプレーゼを作ろうとすると今度はトマトがありません。そい言えば息子が昼食のサラダにトマトを使っていた事を思い出しました。それで、大慌ててまたスーパーへ走りました。
なんだか買い物をしているのか、夕食の準備をしているのかわけがわからなくなりました。
 
こんな失敗を雑談で誰かに話すと笑って貰えて、その場の空気が和らぎます。そうすると、相手との距離も縮まってさらに良い関係になれるのです。
そうです。全ては雑談のネタだと思えば失敗も怖くなくなります。
最近では知らない人にもこうして話かける事ができる私ですが、元々はとても人見知りで、知っている人とさえ上手く話す事ができませんでした。若い頃は「話し方教室」に通った事もあります。今でも試行錯誤を続けながら雑談を楽しんでいるのです。
 
雑談をするのに、特に道具や下準備はいりません。気負わずに手軽な気持ちで話せば良いと思います。
小さなコツとしてはダラダラと長く話を続けない事です。だんだん飽きてしまいますし、他人の悪口や噂話に発展してしまっては意味がありません。大切なのはほどほどにしておく事です。
 
私は雑談をコンビニスイーツのようなものだと思っています。
 
今年も1月になるとイチゴのスイーツが始まり、その愛らしい色や形でスイーツコーナーを盛り上げていました。
たまたま近くのファミリーマートに行った時に「ふわふわケーキオムレットいちご」を思わず買いたくなりました。お手頃価格の278円です。息子と二人分買って帰りました。
「本当にふわふわだね」
「次はロールケーキを試してみよう」
などと、話しながら幸せな時間を過ごしました。そして、翌日にはロールケーキを買いました。
これが、どこかの有名なパティシエのお店となるとこうはいきません。それはそれで魅力はありますが、わざわざ電車に乗って出かけて行き、どれを買おうか吟味してからでなければ手がでません。
その点、コンビニスイーツはどこにでもあって、気負わずに食べる事ができます。そして、口に入れると美味しい甘さが広がって私達を幸せに導いてくれるのです。
 
ただし、食べすぎには要注意です。いくら美味しいからと言って食べすぎると肥満につながりますし、虫歯の危険もあります。ほどほどにしておくのがちょうど良いのだと思います。
 
雑談とは相手との共通項を見つけたり、お互いの経験を共有したりする事です。
たくさんの人と雑談をしていると、世の中には本当に色々な人がいるのだという事がわかります。私が知っている事なんてほんの一握りの事だけなのだと気づかされます。
それを自分の中に取り入れて、少しでも人生を豊にできれば嬉しいですし、自分だけではなく、他の人の人生も豊にできれば尚嬉しい事だと思います。
雑談を通してお互いに良い影響の輪を広げて行かれたら、こんな素敵な事はありません。
雑談は苦手だと思っている方、お手軽なコンビニスイーツを食べるような気持ちでちょっと誰かと雑談してみませんか?
 
 
 
 
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2022-03-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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