何をめざしているのですか?
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記事: haruki (ライティング・ゼミ2月コース)
何をめざしているのですか?
筋トレを始めて、よく言われる言葉である。
筋トレを始めたきっかけは、風呂上りに鏡にうつった自分の姿をみて、ぞっとしたからだ。胸がたるんで、お腹がでてきている。情けない。体を引き締めて、お腹もシックスパックになりたい! と思ったからだ。最初は、自宅で雑誌やネットの情報を参考にしながらトレーニングを始めたが、続かないし効果もない。次によく広告で目にしていた大手の温泉付きのジムに通ってみることにした。様々なトレーニング器具やレッスンもあり楽しく、なんとなくトレーニング。最後に温泉にはいってゆっくり過ごして帰宅。その後のビールが美味しくてたまらなかった。結局、1年間ジムに通ったがまたしても何の効果もなかった。
いつになったら理想のボデイを手に入れることができるのだろうか?
ここは個別指導であるパーソナルジムに入会するしかないと思いジムを探してまわった。ついに見つけた! こぢんまりとしているが、ジムの名前がマッスルジム 筋肉ジムだ! ちょっと気が引けて一度入るのをためらったが、思いきって説明を聞きにジムの中に入ってみた。屈強なマッチョマンばかりで熱気むんむんと思っていたが、その反対で、セレブマダムも多く、まったく汗臭くなく気持ちのいいジムだった。ジムのオーナーは、Tシャツの下からでも分かるほどはちきれんばかりの胸筋と腕筋のマッチョマンであった。とりあえずダイエット目的の3か月パーソナルコースに入会してみた。その内容は、マンツーマンでジムでのトレーニングだけでなく、食事にもかなり気を付けなくてはならなかった。
マッチョなジムのオーナーによると
「ダイエットの基本は食事7割、運動3割。食事は毎日3回するので、体にとっては筋トレより影響を受けやすいので大事です。筋トレは正しいホームで重い負荷をかけすぎないで、ケガを予防してトレーニング続けをしましょう」とのことだった。
最初は、慣れない器具と負荷のトレーニングでもあり筋肉痛の日々と空腹との闘いだった。そして、みるみるうちに体が絞れてきた。だんだんと欲がでてきて、思い切ってシックスパックになりたい! とオーナーに打ち明けてみた。
すると不敵な笑みと共に
「それではトレーニング内容を変更しましょう。食事内容も変えないといけないですね。ちょうど他の会員さんもベストボディコンテストに出場するので一緒にそのコンテスト出場を目標にしましょう」と言われてしまった。あまりの圧のため断れないままシックスパックを目指すどころかコンテスト(マッチョ大会)に出場することになってしまった。
先ずは、写真審査。体をひねってより絞れているようにみせてジムで写真撮影。既にある程度は体が絞れていいたので、あっけなく写真審査は通過してしまった。それから大会までの3か月間が大変だった。トレーニングは、胸・背中・足とまんべんなくトレーニング。腹筋は毎日おこなう。さらに食事はもっと過酷で、3食 ささみ、ブロッコリーとプロテインの生活だった。もちろんアルコールも禁止だった。それ以外にも筋肉をいかにきれいにみせるかのポーズ練習や日焼けした体の方がよりメリハリがつくとのことで日焼けサロンにまで通った。大会前日は、サウナに行き体の水を抜いてさらに絞りこみ、その後、甘いものを解禁して糖分をしっかりととって、エネルギーが枯渇した筋肉にとりこませて筋肉をはらせた。
いよいよ大会当日。やっとの思いで、出場選手と舞台にでると、あっけにとられた。筋肉のつきかたがまったく違っていた。黒さも。1年ぐらいのトレーニングと食事では、足元にもおよばなかった。あっけなく予選落ちをした。しかし、舞台に立ち人前で筋肉をみせる華やかな世界を知ることができ楽しかった。
大会後、トレーニングは習慣になるとやめられなくなっていた。筋トレを習慣にすることで、時間活用方法が変わっていき、時間節約のため集中して仕事をする。仕事を早く終わらせてジムに行き、食事内容も考えながらとるようになっていた。体が絞られたことによって、見た目がかわっただけでなく、体が楽になるので体をますます動かしたくなる。そしてさらに趣味が増えた。トレイルランニングを始めた。山の中を走るので過酷でその分筋力が必要となる。いつの間にか、筋肉のコンテストのための筋トレから、トレイルランニングのための筋トレとなっていった。
今では週3回の筋トレ・走りのためのジム・早寝早起きの習慣がつき週4回の早朝ランニングをおこなっている。ますます時間に追われているが、日々楽しく過ごせている。
それをみてまわりの人たちから、何をめざしているのですか? と言われる。 わかっていないなーと思いながらも、自分の人生がいい方向に向いていることを実感している。
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