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仕事は夏休みの宿題

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202*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:bajio(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「あなたは子どもの頃、夏休みの宿題をどのようにやっていましたか」
 
・初日から手をつけて、とっとと終わらせる
・計画を立てて毎日コツコツやる
・夏休み終盤ギリギリになってやる
 
私は自信を持って(自信を持つことではないが)「夏休み終盤ギリギリになってやる」タイプだ。
 
今日から夏休み。まずは思いっきり遊ぶ。
宿題のことなんて全く気にしない。
 
夏休み中盤にもなってくると少し気になってくる。
「もうそろそろやらないとなぁ」と思いつつ、まだ手をつけない。
「まだ大丈夫」と自分に言い聞かせ、気になりながらも遊び続ける。
そして1日1日と過ぎていく。夏休みの終わりが近づいてくる。
 
夏休みも残り1週間。
「もうやらないと間に合わない」そうなって初めて手をつける。
覚悟を決めて、ようやく動き出す。
 
・算数のドリル
・絵日記
・工作
・自由研究
 
やること盛りだくさん。てんてこまい。
「こんなことなら始めからやっておけばよかった」と泣き言を言いながら宿題にあけくれる毎日。
 
そして最終日。すべての宿題が終わる。
 
「やりきったぁ」
なんとも言えない爽快感。マラソンで42.195キロを走りきると、こんな気持ちになるのかしらん。すっきりとした気分で眠りにつく。
いよいよ登校日。仕上げた宿題を手に意気揚々と学校に向かうのだ。
 
「ギリギリまでやらない」
この悪癖は、社会人になった今でも私につきまとっている。
 
・お客さまへのプレゼン資料の作成
・社内会議のための準備
・社内の提出物
 
どれをとっても期限ギリギリ。毎日何かしらの期限物があるので、常にてんてこまいだ。
 
「だったら、すぐやったらいいじゃないか」となるのだが、これがなかなかそうもならない。
 
なぜそうならないのか振り返ってみると、この悪癖を肯定してしまっている自分に気付いた。ギリギリ癖で良かった理由があるのだ。
 
一つ目は、ギリギリになってやるときに出てくるなんとも言えない興奮。これ以上遅らせると間に合わないという危機感から出てくる集中力はものすごい。
一気に資料を仕上げ、その興奮そのままに会議室に向かう。つい数分前まで準備をしていたのだから、内容は頭に十分はいっている。自信を持って説明できる。その会議を終わったときの爽快感。「やりきったあ」となんとも言えない達成感をまた感じるのだ。
 
二つ目、これは(夏休みの宿題と違い)会社員の仕事ならではの理由かもしれない。「やるべきことが、いつの間にか、やらなくてよくなってしまう」こんなことも多いのだ。
データ分析の指示を受けていたが、何かしらの理由で、その案件がなくなってしまい、対応する必要がなくなる。
ただでさえやることがたくさんある。無駄が回避できたという経験が「すぐにやらなくてよかったあ」という考えにつながっている気がする。
 
そんなわけで、夏休みの宿題同様、ギリギリになってやる。そのうえ、その良さすら感じているものだから、改めもせず年月が過ぎていった。
 
ところが、最近はそうも言ってられなくなってきた。
 
社会人生活もかれこれ20年。一担当から課長、いわゆる中間管理職となり、これまでのやり方では上手く行かない、ことが増えてきたのだ。
 
一つ目は、自分で時間がコントロールできなくなってきたこと。
今の課長という立場は、これまでの担当者と異なり、基本的には部下からの相談や困りごとに対して対応する仕事。お客様とのトラブルや、関係者との調整は、突然やってくるもの。ことが起こった際に「今自分の仕事をしているんで後にしてね」なんて言えない。予定を変更し、すぐに対応。期限に対して、これくらいの時間があれば対応できると思っていた時間が埋まってしまう。結果、間に合わなくなってしまう。
 
二つ目は、自分が主体性がないと思われてしまうこと。受け身の姿勢に映ってしまうことだ。
部下に任せていた仕事で、まだ自分が動かなくても大丈夫、と思っていたつもりでも、周りからはほったらかしにしているように見られてしまう。気になることがあれば、自分から動き出す。部下に声をかけ、問題を共有。場合によっては自分が動き出さないといけない。ギリギリになったら対応しようでは上手くいかない。
 
このままじゃまずい。
仕事が回らないだけではなく、部下や関係部、お取引先からの信頼も失ってしまう。
 
早め早めに対応するのが苦手なわたしが、悩み、試行錯誤した。そして、生み出したやり方はこうだ。
 
『とりあえず五分だけやってみる』

やるべきことが出てきた時に、時間を空けずに、まずは五分だけ手をつけてみるのだ。
 
やるべきことはどんな内容なのか、自分だけでできること、それとも誰かと連携しなければいけないことか、どのくらい作業時間が必要なのか、を見積もる。
そして、すぐに出来そうなことなら、その流れで終わらせてしまう。
 
すると、すぐに終わらせられることが意外に多いことに気がついた。
やってしまうと、途中でやめてしまうとまたいちからで、もったいないからとそのまま続け、終わらせられるようになったのだ。
 
そして、その場では終わらない仕事も、何をやっておけばいいのか、それにどのくらい時間がかかるのかが分かるので、無駄に焦る必要もなくなった。
 
「雀百まで踊り忘れず」
 
幼い頃に身についた悪癖は一生治らない、ということわざだ。スズメがひょこひょこと踊るように歩くのは、小さい頃から死ぬまで変わらない。
 
夏休みの宿題にも、今の仕事にもあくせくしている自分。スズメと同じだなぁと呆れつつ、この悪癖と付き合いながら何とかやっていこうと思う。
 
 
 
 
***
 
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2022-03-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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