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魚釣りのススメ:眠れぬ夜と引き換えに


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:木田 和廣(ライティングゼミ・4月コース)
 
 
寝れない、寝れない、マズイ、マズイ、明日朝早いのに……。
誰もが経験したことのあるこの焦り。いま、わたしが寝られないのは、そう、明日、釣りの予定があるからです。
 
釣りには大きく分けて、海釣りと淡水の釣りがあり、海釣りの中には、陸っぱりと言われる岸からの釣りと、船からの釣りがあります。私が楽しむのはもっぱら海釣りの船釣り。釣ったら食べられる魚を狙います。魚釣りをスポーツとして楽しみ、釣った魚は逃してあげる「キャッチアンドリリース」というスタイルもありますが、わたしは釣った魚は必ず調理して食べる「キャッチアンドイート」派です。
 
明日は深川の船宿から東京湾にマゴチという魚を狙いに出ます。生きたエビを針につけて釣るエサ釣りと、ルアーという疑似餌で釣る釣りがありますが、明日はエサ釣りです。
 
釣りは、4年半前に始めました。コロナで自粛した期間以外はおおよそ2週間に一度のペースで出ています。ログを確認すると、明日の釣行が95回目です。本当は毎週でも行きたいのですが、釣りは頭も身体も使うアウトドアなアクティビティです。揺れる船で立ちっぱなし、8時間ほど海風に吹かれます。年間を通じて出掛けるので、寒いシーズンは極寒、暑いシーズンは酷暑です。船はだいたい7時に出るので、集合は6時。船宿までの移動時間を考えると早起きが必須でもあります。ですので、毎週では疲れが取れずに仕事にならない。それで隔週に落ち着きました。
 
そんな頻度ですので、釣りはほぼ私の日常と言っても良いのですが、それでもほぼ毎回、釣行前夜はよく眠れません。忘れ物はないだろうか?風向きと潮の干満を考えると良い釣座(船の中のどこの席に座るか)はどこだろう? 予報だと少し風があるな、海はうねらないかな?こんな風にエビを針につけて、こんなアタリがあったらこうアワセを入れて……。頭にいろいろな考えが巡ります。寝られるわけがない。
 
50歳をとうに越え、心のみずみずしさも少し枯れかかりはじめた自覚がないではないおじさんを遠足前の小学生に戻してしまう、釣りにはそんな魅力があるのです。
 
どんな魚が釣れるのでしょうか?東京、千葉、神奈川の船宿に限っても、アジ、サバ、イシモチ、マダイ、アマダイ、ヒラメ、マゴチ、タチウオ、スズキ、サワラ、ワラサ、カツオ、マグロ、カサゴ、オニカサゴ、メバル、イサキ、キス、ハゼ、アカムツ、ハタ、マダコ、ヤリイカ、スルメイカ、コウイカ、フグ(フグは免許を持った船長さんなり、仲乗りとよばれるアシスタントの人が処理してくれたものを持ち帰れます)などを狙いとした船が出ています。
 
マゴチやヒラメは普通のスーパーには売っていないこともある高級魚です。アジやサバはスーパーで手に入りますが、スーパーで売っているのとは鮮度が違います。釣果次第では、それらを自宅に持って帰れるのです。うまいこと釣れた場合、魚は自分で研いでピカピカにしてある出刃包丁や柳刃包丁でさばいて、お刺身や、炙り、カルパッチョ、煮魚、焼き魚、フライ、ムニエル、アクアパッツァに料理して家族や友人に振る舞います。「美味しい」、といって食べてもらえます。嬉しくなって、また、次の釣行を企画します。
逆に釣れない時もあります。あんなに準備したのに、あんなに眠れぬ夜を過ごしたのに……。と悔しい気持ちになります。そして、なぜ釣れなかったのか、どうしたら釣れるようになるのかを考え、次の釣行を企画します。
 
つまり、釣れても、釣れなくても次の釣行を企画する訳です。
 
そうして、釣りを続けると上手になります。それは釣果に跳ね返ります。魚をさばくのも上手になります。それは、早くさばけること、さばいた魚がキレイなことでわかります。料理のレパートリーが増え、調理の腕前もあがります。それは美味いと言ってもらえるので分かります。包丁が研げるようになります。それは包丁の切れ味で分かります。
 
目に見える形で上達が分かるのです。これは大きな喜びです。
 
魚釣りは海と魚が相手ですので、二度と同じコンディンションということがありません。そのため、上達したと思った魚種の釣りでも、実際に釣行すると釣れないことがあります。まだ上達の余地があるのです。料理も包丁研ぎも魚さばきもこれでいい。という到達点は遠く、上達の余地は無限大、つまり喜びも無限大です。
 
魚釣りがくれるそうした喜びは栄養となり、クスリとなり、ストレスにささくれた心を癒やしてくれます。それに、なにしろ、釣れても釣れなくても広い海で風に吹かれるのは本当に気持ちがいい。
 
どうです?あなたも始めてみませんか?魚釣り。
 
 
 
 
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2022-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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