メディアグランプリ

「慣れていないだけ」の魔法  〜今は書いて書いて、書きまくるのだ〜


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:石川ひろこ(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
ダメだ! 提出の時間まであと30分しかない!!
諦めたくない。
でも、到底間に合いそうにもない!!
私の肩にはぎゅっと力が入り、じんわり汗がにじみ出る。
 
そんな日々がここ最近続いている。
ライターになると決めたのは今年に入ってすぐの事だった。
私はコロナが落ち着いた折にはバリ島で暮らすことを真剣に考えている。
この17年間、私はフォトグラファーとして生きてきたが就労ビザを持っていない私はバリ島で写真の仕事はできない。
さあ、どうやって生活をしていこう。
 
コロナが無ければ、日本から結婚式を挙げにくるカップルの写真撮影とかの仕事もあったかもしれないが、現実は日本からの観光客もほぼいない。
ということは撮影の仕事も当面無いだろう。
 
でもなんとかして自分の生活費くらいは自分で作り出したい。
 
そこで現在、海外で生活している人はどんな仕事をしているのか?
検索してみた。
結果、ダントツに多かったのが「エンジニア」「webデザイナー」そして「ライター」だった。
 
論理的思考が超絶苦手な私がエンジニアになれるとは思えない。
幸い写真は撮れるのでもしかしたらwebデザイナーはできるかもしれない。
 
でもweb上で挙げられてた職業の中で私が一番「やりたい」と思ったのがライターだったのだ。
 
そう、それこそ今、私がこの人生を変える「ライティング・ゼミ」を受けてる理由なのだ。
 
フォトグラファーとして起業してからはほぼ毎日ブログを書いてきた。
文章を通じてまだ見ぬお客様に「自分」というものを売ってきたつもりだ。
撮影に対する熱い思いも日々写真と共に綴ってきたこともあり、文章を書くのは苦痛ではなかった。
 
そして、ありがたいことに「ライター業を始めます」と宣言したらすぐに「定期的に書いて欲しい」という依頼まで舞い込んだ!!
 
そう、今、ここがまさに私の人生が変わりゆくターニングポイントなのだ。
 
ライター業が簡単だ、だなんてこれっぽっちも思っていなかったが、今、改めてこの世にいる全てのライターに尊敬の念を覚える。
一つの記事ができるまでになんという膨大な仕事の量なんでしょうか!
あれやこれやと調べて書いて、読み返してまた書き直し。 鼻毛問題(天狼院ライティングゼミ内では誤字脱字などをこう呼ぶ)に自分でうんざりしながら!!
 
これは大変な世界に足を踏み入れようとしてる気配がする。
 
 
そして時折襲ってくる「君は才能無いな〜〜」、「やっぱり、おバカな君には無理なのよ」、「諦め、諦め。 写真だけ撮ってなはれ」というドス黒い自分自身の声が頭の中でこだまする。
文章を書いてて8割はそんなモヤモヤした気持ちでいる。
 
でも、私は諦めない。
 
そして思い出すのだ。
17年前、貿易事務で働いてた派遣社員を辞め、写真の世界に飛び込んだ時の事を。
ウェディングフォトグラファーの見習いとして実際に撮影現場に入った日の事を。
 
だいたいウェディング撮影の仕事は土日だったため、万が一撮影の日に筋肉痛にでもなったらダメだと自分に言い聞かせ、木曜日くらいから体力を温めた。
当日は緊張のあまり、食欲もなく、吐き気がしてくる。
初めて一人でフォトグラファーデビューした日のことは忘れない。
前日の緊張も然り、当日も挙式、披露宴の間ずっと心臓がばくばくしていた。
 
とりあえず失敗しないように。 研修を思い出し、自分がしそうな失敗は全て紙に書き出し、一つずつチェックして潰していった。
先輩が撮った写真をコピーして、同じシチュエーションになるように撮影したりした。
 
それはそれは、ものすごく大変だった。
でも、とんでもなく楽しかったのだ。
 
心から「これを仕事にできたらなんて幸せなんだろう」、「ホンマにしんどいけども毎日でも撮影していたい」と強く思った日の事を忘れない。
 
 
今から振り返ると、あの時の写真は自分で到底満足できたものではなかった。
もちろん、お客様には喜んでもらってはいたが、いつだって自分の中では「へたくそ〜!」「もっと自然で可愛いポーズ無いんかいっ」「やめちまえ〜」って叱咤する自分がいた。
 
でも、私はやめなかった。
 
だって、一番初めにフォトグラファーデビューした時の「これを自分の生涯の仕事にしたい」と思った強烈な想いがいつも私の中心にあったから。
 
そして未来をイメージした時にカメラを持ってイキイキ走り回ってる自分のイメージが見えたから。 迷うことは無かった。
 
だんだん「写真のセンスゼロ!」と自分に向けて叱咤する声は消えていた。
自分が「良し!」ってOKサインを出せる写真のヒット数が上がって行った頃とだいたい同じ頃だ。
そこまで来たらあとはもう、ただ、楽しさだけを胸にシャッターを切って切って切りまくるだけだった。
そしていつしか、私は自信を持って「私、写真が撮れます。 プロのフォトグラファーです」と言えるようになっていた。
 
この経験が今、ライターとしての人生を始めるに当たり、私の支えとなっている。
クライアントからの一発OKがもらえることは無く、時間ばかりが過ぎていく。
 
自分の理解力の低さに膝から崩れ落ちそうになる。
文章を書くスピードの遅さに苛立ち、時間が過ぎていく早さを嘆きたくなる。
正直、逃げたくなる。
でも、逃げない。
 
 
きっと大丈夫。
写真と一緒だ。
私は慣れていないだけ。
 
「君にライターは無理っしょ」という心の声が立ち上がりそうになると私はこのフレーズを優しく自分に言う。
「慣れてないだけ。 経験が足りないだけ」と。
そして、どんなに辛くても心の支えとなるのは「書き終わった後が楽しい」という事なのだ。
写真の時と同じ。 いや、全ての仕事と同じなのかも知れないがこの気持さえあればその仕事は向いていると言えるのではないか。
才能が無いのではない。 今は経験が足りないだけ。 慣れてないだけ。
今日も、その魔法の言葉を大音量で脳内リフレインしつつ、書いて、書いて、書きまくる。
 
 
この先に、右手にカメラ、左手にノートパソコンを携えて軽やかに海を渡っていく自分をイメージして。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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