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恋が私の生き方を変えた。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:TOMOMI(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
出会いは、突然やってきた。
雷にうたれたような衝撃で、私はあっという間に恋に落ちた。
 
出会いは7年前。
私は、15年ぶりに友達の紹介で仕事をすることになった。
その仕事で、初めて出会った。
 
話は聞いてはいたが、最初まったく興味なかった。
「すっごい素敵だよ!」と友人たちが興奮してしゃべっている。
その会話にも「ふーん。そうなのね」と無関心だった。
 
しかし、初めて出会った瞬間、私は恋に落ちてしまった。
 
ドキドキがとまらない。
超かっこいい!
この気持ちは、ういういしい頃の初恋の相手を思う気持ちに似ている。
付き合いたての、ドキドキワクワク、寝ても覚めても彼のことしか考えられなかった恋愛以来だ。
 
ベッドにはいってまぶたを閉じると、その残像が浮かぶ。
するとまたドキドキしてきて眠れなくなってしまうのだ。
 
マネキン人形のような手足の長さと私のこぶし程の顔の小ささ。
男らしいのに、美しいしぐさ。
包容力でやさしく包み込むような動き。
開襟シャツの胸元の開け具合にキュンキュン。
こんな美しい人が現実にいるのか! と衝撃的だった。
あまりの美しさに見とれてしまった。
まるで少女漫画にでてくる王子様。
 
そう。私は、恋をしたのだ。
それも、大恋愛。
 
私は、ネットでできる限りの情報を集め、さらに、のめりこんでいった。
 
その時の私の行動力、集中力、熱量は今思い出しても関心するほどだ。
 
いったい私の中のどこにそんな力が眠っていたのか?
自分でもびっくりする。
少し前まで、「なんか記憶力悪くなったなあ。歳かあ。物忘れもひどいし。なーんにもする気にならない」なんてぼやいていた私はどこへ行った?
人間、好きなものはどんどん記憶できるのだ。
あーこれを、過去の勉学に活かせていたらどんなに優秀な人になれたことか!
 
そんな衝撃的な一気に燃え上がった私の恋のお相手は
「タ・カ・ラ・ヅ・カ」
 
歌手の松田聖子さんが昔、結婚相手に「ビビビ」ときたと記者会見で話していた。
その「ビビビ」を私は経験してしまったようだ。
 
400人以上いるジェンヌさん(宝塚では演者さんをこう呼ぶ)の顔と名前をどんどん憶えていく私の熱量は半端なかった。あの難しい名前がスラスラと頭の中にはいっていく。すばらしい記憶力。
 
私は、この歳まで、一人で新幹線にのったことがなかった。
新幹線どころか、一人でカフェにはいることすらできない小心者。
一人で映画にも行けれなかった。
まさに「箱入り娘」……ではなく「箱入りおばちゃん」だった。
 
一人で行動するのは、心細いし、めんどうくさい。いっつも誰かに甘えていた。
若い時は、友達や彼氏。結婚してからは夫。
いつもだれかと一緒にいて、自分一人で行動することは嫌いだった。
自立できていなかった。
そんな甘えん坊のおばちゃんは、一人で旅したいなんてことは考えたこともなかった。
 
しかし、タカラヅカに恋した私は、今までとは違う。
 
まず、どうやったらタカラヅカをもっと知ることができるのか?
必死になって何日もネット検索した。
 
そして、機械音痴の私が、めんどうくさいテレビの契約を結んだ。
タカラヅカ専門のテレビ番組を発見したからだ。
今までなら、間違いなく夫に頼んでいた。が、夫に頼んだらそれがいつになるかわからない。
そんなの待っていられない。
 
一人で新幹線に乗るようにもなった。
私が一人で新幹線に乗るというのは、一大事業であった。
しかし、東京と兵庫にある大劇場に行くためには、新幹線にのる必要がある。
しかも、何度も観劇するつもりなので、一番安く行ける方法も調べ上げた。
今はなき早得切符は、大阪まで格安で行くことができた。
新幹線にめちゃくちゃ詳しくなった。
 
一人旅もできるようになった。
一人でホテルにも泊まれるようになるなんて!
最初に泊まった時、怖くて明かりを全部つけて寝た。
それでも、なぜか緊張して、ぐっすり眠れなかったなあ。
しかし、今じゃ、超爆睡できる。
 
東京の地下鉄って田舎者には難しくて、かなり予習をしてから行ったっけ。
お茶会という名のファンミーティングがホテルで行われるんだけど、
東京の街ってひろいし、複雑。
一張羅のドレスをきて慣れないヒールを履きおめかししていたのに、
間違えてひとつ前の駅でおりちゃって、その恰好で都会の街を一人でダッシュした。
足がもげそうに痛いけど、愛しい人に会うのに遅刻はしたくない。
 
昔は、旅行にいっても「電車、面倒だもん」と車での移動を好み、少し歩くことさえ嫌がった。
その私が、「はじめてのおつかい」のように地図を片手に電車を乗り継ぎ、時には走り、また時には人に尋ね、なんとか会場にたどりつく。
好きな人に会うためなら、こんな面倒なことも平気。
 
あんなに嫌だったお店にはいって一人で食事することも、タカラヅカ観劇のためなら躊躇なくできた。
それでも、最初は、スマホを見ながら食事しないとなんか落ち着かなくて。
コーヒーショップでさえ、ソワソワしていた。
それが、最近は、背筋を正してどんな店でもはいれる。
博多座に行ったときなんて、「ひとりもつ鍋」「ひとりラーメン」もやってのけた。
うれしくって、思わず写メして友達に自慢しちゃった。
ラーメン店に女子一人ではいるのって、普通の人でもハードル高いと思う。
まさか、私がラーメン屋のカウンターで一人、麺をすすっているなんて誰が想像した?
昔は、買い物に出かけても、一人で食事するぐらいなら、空腹の方がましだったから昼ごはんぬきだった。
それに比べて、ひとりで気軽に好きなお店にはいれる気楽さよ。
 
タカラヅカに出会ってから、階段をのぼるように、次々やれることが増えていった。
大恋愛中の私にできないものなんてない。
好きという感情はものすごいエネルギーになる。
 
いままでの人生で、私は「これが好き!」と胸をはって言えるものがなかった。
「あなたの趣味は?」ときかれても、
「うーん、しいていえば読書か買い物かな?」としか答えられなかったが、今は「タカラヅカ観劇!」と声を大にして言える。
 
こんなに大好きなものと出会えた私は幸せ者だ。
大好きなものに出会えたのは、仕事をしようと行動を起こしたからだ。
なんの変化もないぬるま湯につかったような専業主婦生活。
ちょっと違和感をかんじはじめたとき、その違和感をそのままにせず、行動した。
正直、仕事を始めるのはすごく勇気が必要だったけど。
行動した結果、タカラヅカに出会えた。
 
タカラヅカのおかげで、いろいろなことが一人でできるようになり、自分に自信がでてきた。
自信ができると、タカラヅカ以外のことでも、いろいろやってみたくなる。
ライティングもそうだし、カメラも始めた。
いろんな知識をつけたくなり、今まで以上に本を読むようにもなった。
健康で、いつまでも観劇にいける体作りのために、運動、食生活にもより気をつけるようになった。
もし、途中、面倒で怖くて行動することをやめていたら、今の充実した生活はおくれていなかったし、私は変われていなかった。
待っていても幸せはやってこない。
行動することで未来は変わる。
 
だって、大好きなタカラヅカに出会えて、私の生き方は変わったのだから。
 
 
 
 
***
 
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2022-10-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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