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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:新谷 幸菜(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
約4ヶ月間に渡るライティング・ゼミの課題も、とうとう今回で最終回である。
今まで文章を書くことは好きだったが、周囲から評価されるのが怖くて人に見せることはしていなかった。
しかしこの課題を通して、最初は抵抗もあったが、繰り返し人に見てもらうことにより、徐々に評価に対する抵抗感は薄れていった。
そして今では、同じく評価が怖くて避けていた歌も、人前で歌えるようになった。これはライティング・ゼミで度胸がついた成果である。
そんなライティング・ゼミの課題の最終回には、私が人生で初めて参加したLGBTQのオンライン交流会について書こうと思う。
 
まず、なぜ私がLGBTQ交流会に参加するに至ったかと言うと、簡潔に言うと失恋だ。
先月始めに彼氏と別れた私は、「男ばかり見ているのも、もったいない! この際今までの恋愛の壁をぶち破ってやろう!」と、レズビアンへの世界に踏み込む決意をしたのである。
思い立ったが吉日の私は、早速、各あるインターネットサイトの中でも信頼できそうな団体に突如、電話をかけたのであった。
その「LGBTサポート協会」という団体は、サイトからも誠実さと清潔感を感じられ、好感を持つことができた。ただ、蓋を開けるとそれもそのはず、本格的なLGBTQ専用の婚活サイトだったのである。婚活サイトとも知らずにノコノコと電話をして、
「まだ自分のセクシュアリティが定まっていなくて」
と、しどろもどろに話す私に、電話で対応してくださったスタッフの松本さんは、
「どんな状態でも大丈夫ですよ。まずは、お互いにお話ししてみたらいいんじゃないでしょうか」
と、優しく受け止めてくださった。そして、その時に今回のオンライン交流会を紹介されたのである。
会費も1,000円とお手軽な価格だったこともあり、論より証拠、習うより慣れよで、参加を決めたのである。
 
そして当日。
19時半に交流会が始まるため、19時20分にzoomに入った際には、すでに全員がそろっていた。参加者9名に対し、仲人7人という手厚い環境だった。
参加者は当然と言えば当然だが、全員女性だった。参加地も東京や島根、京都などまちまちで、職業も会社員、自衛隊、公務員など様々な人がいた。
仲人の方のリードで簡単な自己紹介から始まり、自己紹介の後は3つのブレイクアウトルームという小部屋に別れて、参加者3人、仲人で話し合った。
ブレイクアウトルームでは、「クリスマスの予定」や「レズビアンあるある」など話題のお助けになるお題もあり、話は盛り上がった。
面白かったのが「レズビアンあるある」である。
初めての彼女ができたときのことや、ストレートの人を口説き落として10年近く付き合っていたこと、親戚に「彼氏できたの?」「いつ結婚するの?」と聞かれて困るといったことなど、多くの話が出た。
切なかったのが、「周囲の同意がない」ことだ。
「職場内で付き合っていたが、職場にカミングアウトしなかったので、堂々とできなかった」「結婚を考えていたが親の同意がなくて別れた」など、今まで間接的に聞くことはあったが、実際の体験談として聞くことで、周囲に同意のある恋愛がいかに安心かと言うことを思い知った。
 
また、参加してみて気が付いたことがある。
「思っていた以上に、自分には性的マイノリティに対して偏見がある」
ということだ。
私は昔から自分がバイセクシャルの傾向があるとも思っており、精神科看護師や教員という立場からも「自分はマイノリティに理解があり、偏見が少ない方だ」と思っていた。
しかし実際にその場にいると、それが大きな傲慢だったことを痛感したのである。
例えば、zoomで集まっているときに他の参加者を見て、「案外普通だな」と無意識に自分とは違う人として見ている。他にも、自分が使う言葉が相手の地雷を踏まないか様子を伺いながら話す。これも相手を「社会から虐げられていて卑屈になっている人」として見ているからだろう。
初めてレズビアンの人たちと直接話して、案外と偏見に満ちている自分に戸惑い、嫌悪感を持つことになるとは思っていなかった。
「知っているつもりになっては、いけないな……」と、反省したのである。
 
そして、もう一つ気が付いたことがある。
「私は別れた彼氏を尊敬していて、大きな感謝がある」
ということだ。
今回レズビアン交流会に参加をして、「容姿はこれがいい」「声はこれがいい」「背の高さは……」「性格は……」とパートナーに要求する基準を持っている人を多く見かけた。
以前の私はそうだったので、気持ちは大変よく分かる。自分の意に沿わないところがあったらすぐに関係を切る。そんな女王様気取りの私だった。
しかし、別れた彼氏と付き合っていた時に「パートナーシップとは何か」ということについて学ばせてもらったのだ。
別れた彼氏は最初、全然タイプではなかった。しかし、それは相手にとっても一緒だったと思う。思っていたものと違うと思うこともあったと思うし、イライラすることもあったと思う。でも、それはお互い様なのである。完璧な人なんていない。だからこそ、一緒に過ごして受け入れ合っていく。そうして二人の関係性ができていく。
そんな大切なことを教えてくれた人だった。
人前で改めて自分の恋愛観を話して、その感謝と尊敬を深く感じた。
そのため、何の話をしてもそうなってしまうのである。
例えば、
「ゆきなさんはどうして、この会に参加したんですか?」と聞かれて、
「11月に彼氏と別れて、この際に恋愛の幅を広げようと思ったんです」
「どんな彼氏だったんですか?」
「一緒にいて受け入れ合っていくという大切なことを教えてくれた人でした」
だったり、
「どんな人がタイプなんですか?」
「タイプというか……。前の彼氏は最初タイプじゃなかったんですけど、合わないと思うことも一緒にいて受け入れ合っていくというのを教えてもらったんですよね。なので、結局タイプとかではないかもしれません」
など。やりづらい参加者である。
レズビアンの交流会でノンケの元彼の話をしまくって帰ってくる、という不思議な時間を過ごしてしまった。
 
そして、最後に配られるアンケートフォームで協会への加入を決めるのだが、
「皆さんとても素敵な方々でした。けど、やっぱり私は今の自分の気持ちを大事にして、元彼を思い続けることにします」
と書き、協会への加入は選択しなかった。
こうして、今回の私のレズビアンへの挑戦は締めくくったのである。
……と、なると思ったのだが、なんと交流会の4日後に協会の人から以下のメッセージが届いたのである。
「新谷様、こんにちは! 先日は交流会にご参加頂きありがとうございました。あの後ですが、なんと新谷様が一番人気と報告がありまして。ゆきなさんは協会に登録されないのですか? という問い合わせが多数届いているのです。良かったら仮登録だけでもされませんか?」
ちょっと困惑するが、嬉しいお知らせである。仮登録するかは、協会の方と直接お話しして決めようと思うが、私の挑戦はもう少し続くかも知れない。
 
さて、ここで私のライティング・ゼミの課題は終了するが、せっかく付いた習慣でもあるし、今後も定期的に個人的なサイトに挙げていきたいと思っている。
大きな成長をくれたこの機会に感謝を捧げて。
 
 
 
 
***
 
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2022-12-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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