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今日もかわいく、おとももち

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:堀部佳野乃(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「今日もかわいいぞ! モーニング娘の道重さゆみです!」
 
道重さゆみさんは、アイドルグループであるモーニング娘の元メンバーであり、かつてはバラエティー番組に引っ張りだこだった。
子どもの頃に初めて彼女をテレビで見たとき、正直言ってあまり良い印象は無かった。
確かに色白でかわいいけど、それを自分で言っちゃう、少し変わったアイドルだと思っていた。
 
「ゆるしてにゃん! おとももち! ももち、こと嗣永桃子です!」
 
嗣永桃子さんは、アイドルグループであるベリーズ工房の元メンバーであり、彼女もかつてバラエティー番組に引っ張りだこだった。
子どもの頃に初めて彼女をテレビで見たとき、これまた道重さんと同様、あまり良い印象は無かった。
ももちも、自分のことを自分でかわいいと言っちゃうキャラであり、お決まりのセリフはすぐに飽きられそうだなと思っていた。
 
しかし大人になった今、わたしは2人のことをとても尊敬している。
 
3年ほど前に精神的に体調を壊したときがあった。
そのとき、わたしはモーニング娘に出会った。
もともと名前は知っている程度の知識しか無かったが、メンバーを入れ替えた現在のモーニング娘を知れば知るほど、夢中になった。
モーニング娘の楽曲、パフォーマンス、人間性、そのすべてに勇気づけられ、モーニング娘のおかげで辛い時期を乗り越えられたと言っても過言ではない。
 
現在のモーニング娘を知り尽くした頃に、今度はモーニング娘の歴史が気になり始めた。
いろいろ調べていくうちに、かつて全然良い印象が無かった道重さんも、モーニング娘の一員であったことを知った。
 
そして、モーニング娘の歴史を知り尽くした頃に、今度は同じ事務所のグループが気になり始めた。
いろいろ調べていくうちに、ベリーズ工房というアイドルグループがあったことを知り、そのメンバーの一員が、かつて全然良い印象が無かったももちだったことを知った。
 
2人とも、芸能界の大変さをまったく知らないであろう10代の幼い頃からアイドル活動をスタートさせている。
そして、自分のことをかわいいと言うナルシストキャラ、憎まれキャラを確立し、バラエティー番組に引っ張りだこの存在となった。
 
しかし、彼女たちが最初からこのキャラでデビューしたかというと、決してそうではない。
デビューしたての頃は、先輩たちについていくのがやっと、芸能界の荒波にのまれないようにするのがやっと、というような、どこにでもいるごく普通の女の子だった。
彼女たちがそれぞれのグループに加入したときは、AKB48が一世を風靡しており、モーニング娘もベリーズ工房も、テレビの露出が少なかった。
「モーニング娘が大好き」
「ベリーズ工房が大好き」
自分の大好きなグループをもっと世間に知ってほしいという一心で、何年もかけてぶれないキャラを確立し、テレビに出演した際は先頭に立って自分のグループを売り込んだ。
 
ナルシストで憎まれキャラであるがゆえに、世間からのバッシングも多く受けたという。
(わたしもかつては、それに加担しているひとりだった……)
それでもまったく物怖じせず、バラエティー番組でどんどん爪痕を残していく。
 
最終的に2人とも、10年以上をアイドル活動に捧げた。
現在、道重さんはバラエティー番組への出演は希望せず、モデル活動をメインに行っている。
ももちは新たに教育の仕事をしたいという夢をもって芸能界を引退し、完全に表舞台から姿を消した。
 
同じ事務所のアイドルメンバーたちの中でも、特に在籍日数が長かった2人。
しかし、彼女たちの芸能界に対する決断の潔さからは、相当な苦労があったことが伺い知れる。
 
おそらく彼女たちの本当の思いを知らず、あまり良くないイメージのままの人は世間にたくさんいるだろう。
でも、彼女たちは「それでもいい」と言っていた。
 
そんな人間性を裏付けるように、彼女たちのファンは特段熱狂的で、かつマナーが良い。
ももちが引退した際に、彼女のお願いとして「引退後に街中でももちを見かけても絶対に話しかけないで」というものがあった。
そのお願いは、引退から5年以上経っている今もファンの間で厳重に守られており、写真やプライベートな情報などの流出がほとんどない。
 
わたしは2人のアイドル人生を知って、「たとえ犠牲になったとしても、自分の人生の一部を捧げたい」と思える存在に出会えることは本当に素敵だなと感じた。
 
それからしばらくして、わたしは天狼院の「ライティング・ゼミ」というものに出会う。
最初は今やっているライターの仕事に生かせればいいな、くらいの軽い気持ちで参加したライティング・ゼミ。
しかし、初回の講義でわたしは衝撃を受けた。
雲の上の存在とすら思えるようなすごい人が、目の前で教えてくれる!
本を書いているような文章のプロが、自分の文章をフィードバックしてくれる!
というか、サポートしてくれる天狼院のスタッフのみなさんが優しすぎる!
 
日に日にライティング・ゼミへの、天狼院への愛が増していく。
ある日、気づいたのだ。
もしかして、わたしも出会えたのかも? と。
道重さんやももちのように、大好きだからこそ捧げたいと思えるものに。
 
わたしは現在、天狼院のスタッフとして働いている。
天狼院の先輩方のような素晴らしい人間性の大人になれるよう、わたしと同じく人生が変わる体験をひとりでも多くのお客様ができるよう、自分にできることを日々模索していきたい。
 
 
 
 
***
 
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2023-06-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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