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ストレッチは二人三脚である


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:岩田 真治(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「うちに通い始めて、何年くらい経ちましたか?」と聞いてきたのは、ストレッチ専門店のトレーナーだった。そういえば、このマンツーマンストレッチに、4年半も通い続けている。何故、ここまで続いているのか考えてみた。
 
2018年12月、腰を痛めていた私は、近所の接骨院やマッサージ店を、さまよっていた。美容室ジプシーならぬマッサージ店ジプシーだった。どこに行っても、お店の悪いところしか見えなかった。例えば、この整体師が触れるだけで全身が緊張してしまう、ここのマッサージ店では上司から部下に嫌味を言う声が気になる、ここの整体院はいつも予約が取れない、という感じだった。接骨院やマッサージ店でリラックスするどころか、ストレスを溜める一方であった。
 
ある日、ストレッチ専門店のトレーナーが駅前の広場でデモンストレーションを行っていた。「お客様はベッドに横になっていただくだけで大丈夫です。身体を預けていただければ、専門のトレーナーがお客様の全身をストレッチします」というセールストークだった。ストレッチするのにお金を払うのか! というのが私の心の声だった。ストレッチは一人でやるもの、と思い込んでいたからだ。
 
その頃の私は、激しい腰痛に悩まされていた。夜中に目が覚める、寝返りが打てない、というのが当たり前であった。平日は車での長距離移動、週末は単身赴任先との電車移動によって腰に負担がかかっていた。私は「初回半額」の言葉に釣られて、一度、このストレッチ専門店に行ってみることにした。
 
受付で渡された問診票に「気になる部分は腰」と書いた。すぐに腰のストレッチが始まるかと思っていた。しかし、実際は違った。立っている時の姿勢、座っている時の姿勢を、じっくりと観察された。そして、日常生活でどのような姿勢を取ることが多いか、質問された。当時の私は、車の運転、新幹線での移動、デスクワークと日中の大半を座って過ごしていた。
 
トレーナーは私の肩や首のストレッチから始めた。そして、上半身が終わると、足首やふくらはぎのストレッチに移った。問題がある腰は、最後であった。一通りの施術を終えると、トレーナーは「いつギックリ腰になってもおかしくない状況でした。ですから、まずは腰から遠い部分をほぐして、最後に腰をストレッチしました。良ければ、また来週も来てください!」と言った。
 
腰が痛いのは分かっていたが、ギックリ腰寸前だったのか……。こちらの声に耳を傾ける親切そうなトレーナーだったし。リラックスして施術も受けることができたし。予約も取れそうだし、来週も行ってみようかな、と思った。
 
1週間後、同じトレーナーから「ストレッチ後の身体の調子はいかがでしたか?」と質問を受けた。私は、翌日はまだ腰が痛かった。しかし、2~3日すると痛みが無くなった、でも昨日辺りから再び痛くなってきた、と正直に答えた。
 
トレーナーは今回も私の言葉に耳を傾け、直近1週間の私の長時間とった姿勢を再度確認すると、さっそく施術に入った。前回とは時間をかける部位が異なり、太ももの前側と後側、脇腹のストレッチが中心だった。
 
1週間に1度、この店舗に行くたびに、同じトレーナーを指名し、近況を報告した。私の報告に応じて、彼は少しずつ部位と力加減を変えて、ストレッチをやってくれた。3カ月ほどすると、私は腰痛の辛さから解放され、腰の痛さで目覚めることも、寝返りをうてず苦しむことも無くなっていた。二人三脚のストレッチの効果が出てきたのだ。
 
確かに「ストレッチなんか、一人でやっても効果が同じだ。お金と時間を費やすのは無駄だ!」と考える人もいるだろう。私もその一人であった。しかし、それは素人の考え方であった。腰が痛いからと言って、一人で腰のストレッチを行っても、改善しない。何故なら、身体の筋肉は全てが繋がっているからだ。腰の痛みを無くすには、首、肩、脚を含めた全身のストレッチを、適切な強さで行わなければならない。そのためには、自分一人ではなく、専門家の経験とスキルという力を借りる必要がある。
 
もし、私が一人でストレッチを続けていたならば、遅かれ早かれギックリ腰になっていただろう。身体の仕組みを知らない私は、力任せに腰に負担がかかるストレッチしかできないからだ。手遅れになる前に、ストレッチの専門家に出会えたことに感謝している。
 
私は、この専属トレーナーのおかげで、痛みを取る段階から、痛みを起こさない段階へ、自分の身体をステップアップさせることができた。より健康な肉体を手に入れるために、引き続き、このマンツーマンストレッチに通い続けるのである。
 
 
 
 
***
 
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2023-06-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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