メディアグランプリ

アイドルのように働きたい30代女性の話


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記事:きむらあや(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
アイドルに憧れる子どもだった。
 
小学生のとき、モーニング娘。が人気絶頂であった。
加護ちゃんや辻ちゃんは、いくつも年が変わらない。パッと見でも自分と同じ年頃、とわかる女の子がテレビに出て、歌って踊って歓声を浴びている。それが衝撃だったし、もしかして、自分もアイドルになれちゃう道もあるのかもしれないと思った。思っただけで、何かアクションをするわけでもなかったけれど。
学校に行って勉強する、という普通の小学生の生活とは違う世界を生きる、特別な同世代の子がいる、ということを初めてリアルに教えてくれた存在だったと思う。
学校の宿題をするときは、モーニング娘。のCDを流してもらい、知らない世界を想像しながら取り組んだことをよく覚えている。
 
 
 
現在も、アイドルが結構好きだ。
 
とはいえ、子どもの頃のような、「あの子みたいに歌って踊ってほめられたい」という気持ちではない。
推したい、応援したいという気持ちもないわけではないが、ライブや握手会に行って声援を送りたい! 推し活をしたい! という気持ちがピッタリ合っているわけではないな、と思う。
 
30代になって芽生えたこの気持ちは一体なんだろう、という謎を解き明かすため、今好きなアイドルのことを語ってみたいと思う。
 
 
 
今はハマっているのはK-POPアイドル『TWICE』である。
ライブには行ったことがない。K-POPのシステムもよくわかっていない。にわかファンと怒られそうではあるが、なにか心惹かれるものがある。
 
TWICEは結成10年目を迎える9人組の女性グループである。
コロナ禍に入るかどうかのタイミングで出産し、一日のほとんどの時間を家で過ごしていた2020年。朝のワイドショーで放送されたオーディション番組で、候補生が披露した課題曲が好きになり、オリジナルがどんなものか知りたくて、ミュージックビデオを見始めたことだった。
最初に観たのは「Feel Special」。メロディラインは切ないけど、歌で語られている言葉はそれだけではなくて、自分が小さな存在だと打ちのめされても、いつも「あなた」が「わたし」を特別な存在にしてくれる、という、痛みとあたたかさを感じるものだった。産後でメンタルも不安定だった私は、オーディション番組で歌詞の心情表現に向き合う候補生の姿も相まって、歌詞の日本語訳で泣きそうになった。
ミュージックビデオでは、メンバー同士がお互いを「特別」にしあうストーリーになっていて、さらに泣けるのである。
 
そこから、既存のミュージックビデオをさかのぼって視聴して、メンバーを覚えた。
ハマって4年ほど経ったが、今も新曲が出れば(いわゆる「カムバック」というやつだ)、ミュージックビデオ、ダンス練習動画、歌番組出演動画(韓国は歌番組が公式YouTubeで見られる)を見て彼女たちの魅力を味わっている。
 
彼女たちの魅力は歌やダンスパフォーマンスだけではない。
ステージに立っていないときの彼女たちの様子は、ドキュメンタリーを少し見たことがある程度だが、全員ものすごく優しくて、仲がいい。
5人が韓国、3人が日本、1人が台湾出身と国籍も多様で、それぞれ個性的だけど、みんながそれぞれに人柄がよく、何かトラブルが起こったときも、メンバー同士が気づかい合って乗り越えているということが、ハマったばかりの私でもよくわかる。
 
『TWICE』の名前は「歌で一度、ダンスでもう一度感動させる」という意味があるそうだが、メンバー同士の人柄や関係性で、その何倍も感動させてもらってきた。
 
その感動の中には、『TWICE』のように、信頼しあえる仲間と、同じ方向を向いて努力していきたい、というある種の憧れがあるように感じる。
つまり、私は、『TWICE』の“働き方”をリスペクトしているんだなと思う。
 
人を魅了するという点で優れた才能を持っている人が、同じ志を持つ仲間と共に、努力を重ねてストイックにその専門スキルを磨き、人を感動させている。
私たちは、ビジネス誌の経営者インタビュー記事を読むように、採用サイトの現役社員の声を見るように、「アイドル」という仕事に従事する女性たちの体験談をリアルタイムで見せてもらっているのではないだろうか。
 
私の仕事は、舞台に立って、歌って踊ることではない。
でも、誰の仕事も、人より少し得意と思える分野で、自分にできることを精一杯努力して、人と協力して成果を出すことである。フィールドは違っても、それはアイドルが見せてくれる働き方と同じと言えないだろうか。
 
 
 
私も、仕事を頑張ろうと思う。
もしかしたら、その姿がどこかで誰かの参考になるかもしれない。
そのとき、私はきっと、あの頃憧れていたアイドルになれる、と言っても過言ではない。かもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2024-04-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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