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『自分に対する期待を一気に引き上げる方法』

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:AKIYO (26 年 9 月ライティングゼミ withAI)

 

「占い」とは、コスプレのようなものだと思う。

 

朝、7時直前。テレビの番組で、12星座の運勢のランキングが短く放送される。「今日いちばん運勢のいい人は、牡羊座の人です。ラッキーカラーは黄色」その声を聞きながら、玄関を出ていく人も多いのではないだろうか。また10月にもなれば、書店のレジ前には、星座や四柱推命などの多数のタイプに応じたカラフルな占い本がずらっと並ぶ。かつては女性雑誌の巻末には必ず占いのページがあったものだが、それも今はネットに拠点を移し、決して少なくはない人たちが、その配信を待ち侘びている。

私は、占いを信じる気持ちは、コスプレをまとう衝動と同じだと思う。憧れのアニメキャラに似せて、コスチュームを全身に纏い、化粧を施し、歩き方や表情までなりきって演じる遊戯。それらを愛する人たちが得られるもの、それは、共通の「あるもの」だ。

 

人材育成に関わっている私は、多くの若手社員が「自分に自信がないんです」と言うのを聞いてきた。先日のワークショップでは、20代半ばのリーダー候補の社員と話す機会があった。グループの中で仲間に発言を促しながら対話をリードしている女性と個別で話すと、「私はリーダーにはふさわしくないんです」と伏目がちに言う。またある男性は、グループ内でハキハキと発言をしていたにもかかわらず、「僕はいつも、一位にならない人なので、リーダーという性格ではありません」と言う。「どうせ自分はこうだから」というフレーズが、成長を促す呪縛のように、彼らを覆っている。そしてそれは、ときには若手社員だけでなく、業務経験を10年も積んでいる社員にも当てはまる。

 

年齢にかかわらず、私たちは日常の中で、「自分はこういう人だ」という前提を抱えて生きている。例えば、「私は人前で話すことが苦手だ」「私は遠慮しがちで、大人しい人間だ」など。過去の経験で、大勢の人の前で頭が真っ白になってしまった経験からくるものかもしれないし、「○○さんは控えめな人だから」という他人の声が、いつまでも耳から離れないからかもしれない。頭の中で描いた「自分」はいつまでも成長せず、「いつか描いた自分」「誰かが描いた自分」のままでいる。

 

多くの人が占いを好きなのは、そうした「いつも描いている自分」を、たった数行の言葉で描きなおしてしまえるからなのではないだろうか。

「今週は、思いがけない出来事が起こって、あなたの新しい一面が開かれるかもしれません」

読んだ瞬間、「まさか、そんなことあるわけがない」と思いつつも、ひそかに心が踊るのを感じる。現実的ではないけれど、もしかしたら、と。もしもそうであるならば、今日は思いきってあの人に話しかけてもいいかもしれない、いつもはしない提案をしてみてもいいかもしれない。そんなふうに、「占い」には、一段飛躍した行動を起こす力があるのではないだろうか。

 

先日、イベント会場に向かう若者たちの群れに出会った。おそらくアニメイベントがあるのだろう、彼女らはカラフルなウィッグをつけ、化粧をほどこし、頭のてっぺんから足の先まで、完全にキャラクターになりきっていた。そして皆、大きな声で話しながら、笑顔で足早に歩いていた。私が彼女たちの日常生活を知る由もないが、彼女たちの姿には、自信がみなぎっていた。

 

「占い」と「コスプレ」。このふたつに共通するのは、凝り固まった「思い込み」の破壊だ。「自分はこういう存在でしかない」と思い込んでいた思考の枠を、一気に取り払う。その破壊力を、人は欲している。

 

「あなた」に対しての期待が低いのは、実はあなた自身だ。でも、ウィッグを被り、化粧を施したら、何者にもなれる。

そんなはじめの一歩を、占いは導いてくれるのではないだろうか。

 

≪終わり≫

 

 

 

 

 

 

 

 

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