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記事:しおり(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
当時私は、理系の大学院1年生だった。
 
小学6年生の時、田舎町から大都会へ引っ越した。浦島太朗はこんな気分だったのだろうか。携帯電話、プリクラ、アイドルコンサート、わけの分からないものだらけで、着いていけず孤独を感じていた。
休み時間は友達と校庭を駆け回り、放課後は秘密基地で遊ぶ、以前は外交的な子どもだった。しかし、引っ越しをきっかけに、内向的な子どもになっていった。
 
それから約10年。私は理系の大学院1年生、私は内向的大人になった。これから就職活動という試練がまっている。企業へ面接にいくことを考えただけで、手足が震える。このままじゃまずい。接客のバイトでもしてみよう。少しでも外交的になるために、接客のバイトを探し始めた。お客さんとたくさん話すのは嫌だから、少し話す程度から。そう思い、スーパーのレジ打ちソフトな接客に応募した。
 
バイトの面接当日。お店にいくと、「あれ、スーパーじゃない」そこは某大型家具店だった。応募先を間違えたのだった。真面目な私は、ドタキャンなど出来ず、面接を受けて、見事採用。某大型家具店では、お客さんに自ら声を掛け、商品を売らなければならない。こうして家具販売員というハードな接客の日々が始まった。
 
バイト初日。20人以上のお客さんと話した。商品知識がなく、お客さんからの質問に答えられず、舌打ちをくらったこともあった。怖い。先輩社員を見習って必死に外交的で明るい人を装おうとがんばった。けど、やはり外交的で明るい販売員さんには遠くおよばず販売成績は伸びなかった。
 
ある日、照明の販売を任された。この照明売場には若干の問題があった。
一般的な照明売場で売られているものの明るさは、昼間の太陽くらい。この照明売場で売っているものは、夕方の太陽くらい。なので、店に訪れたお客さんからは「ちょっと暗いのよね」と言われており、売り上げも悪かった。
 
困ったな、いろいろな手違いで、今ここにいる。自分の中にたくさんの言い訳が浮かんだ。でも、やるしかない。任されてしまったからには。私は、この暗い照明達を売る方法を必死に考えた。
 
なかなかいい方法が浮かばなかったある日のこと。大学院の睡眠についての講義を受講した。現代人は夜に明るい照明の光を受けるため、不眠になったり、睡眠の質が低下するらしい。
 
これだ、と思った。外交的な人のまねをして、明るく話そうとした。けど、上手くいかなかった。でも、そんな内向的、外交的などといった1つの特性にこだわらなくてよかったのだ。私は理系女子。だったら、理系女子である利点を利用すればいいのだ。
 
次のバイトの日。また照明売場を担当した。いつものようにお客さんからは「ちょっと暗いのよね」と言われた。そこで私は「お客さん、実はこの暗さが売りなのです」と言った。お客さんからは「えっ」といったような驚きの反応が返ってきた。その反応を確認した後、私はお客さんに「体にとって照明というのは時計と同じなのです。太陽の用に明るい照明を浴びれば、体は朝だと思って目覚めます。逆に夕日の用に柔らかい光の照明を浴びれば、体は夜だと思って休む体制に入ります」と言った科学的な事実を伝えた。この事実にお客さんも興味を示してくれた。そして、徐々に照明の売上げは上がって言った。
 
他の人のようになろうとして頑張っていた頃は、まったく成果などでなかった。自分の理系女子として培った知識を活かそうと行動しだしたら、成果がでだした。なにかになるのではなく、まず自分にあるものを活かすのが大事だと知った。
 
このバイトでの経験が活きたのだろうか。私は見事、企業の採用面接を突破し社会人となった。

 
 
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2018-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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