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「働き方改革」も「資格」も活かしてなんぼ


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記事:あさのあきお(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「ぶっちゃけ、どうよ? 働き方改革ってやっているけど……」
と、部下に率直に聞いてみた。
 
この部下、周辺から「転職しようか考えている」と聞こえてきた。
その理由が、どうも金銭面が原因のよう。
 
「正直、厳しいです。早く帰宅するより、残業してお金が欲しいです」
と、いきなり本音が返ってきた。
 
「今までは、ボーナスが少なくても残業でカバー出来ていたけど、今は残業が少なくなって、ボーナスも厳しいので、嫁からいろいろ言われています」
もっと切実な言葉が返ってきた。
 
私の勤め先は、法人相手に、事務機器に始まり、IT機器やITサービス等々を販売保守している会社で、主たる事業の事務機器が、同業他社との競争や、テクノロジーの進化や、社会環境の変化で厳しさを増すばかり。その真っただ中で「働き方改革」を御旗に、業務改善を推し進めてきた。
 
私も推進役として、個々の業務ミッションを見直し、業務の無駄を無くし、工数を減らし効率化を進めるなど業務改善を進め、外勤者には、モバイルワークを行う環境を整えた。
 
会社としては経費削減の側面はあると思うが、従業員にはベストなパフォーマンスを発揮して、より大きな成果を得られる環境にしたい。そのために、自分を高める時間や、睡眠時間・リフレッシュする時間を確保するための働き方改革であり、その結果、退社時間が早まり、残業時間が減り、家族の時間や、個人の自由な時間が多くなった。はずだった。
 
しかし、部下から見れば、「働き方改革」は、大きなお世話だったようだ。
 
その昔は、毎日残業するのは当たり前で、退社時間が22時を越えるなんて日常になっていた。
そんな状況だったから、残業代も当たり前に家計に組み込まれていたと思うし、会社も残業時間に対して、とやかく言う事も無かった。
 
「正直、いまの人員で、いまの仕事量だと残業が増える事はあり得ないと思うよ」
こちらも本音で返す。
 
「早く帰っているのも事実だけど、家に帰ってからはどうしているの?」
続けて問いかけるが、答えが返ってこない。
 
「確かに所得は減ったかもしれないけど、その分、時間は出来たはずだよね。その時間はどうしているの?」
 
「だらだら過ごしているだけです」
ようやく、答えが返ってきた。
ムダな時間を過ごしている事は自覚があるみたい。
 
「今までは、時間を会社に買ってもらっていたけど、会社が買ってくれなくなっただけで、所得はマイナスになったけど、時間はプラスになっているはず。その時間を活かすのは自分だし、活かさなかったらマイナスのままだよね」
と伝え、さらに、
 
「時間が出来たのだから、自分のスキルUPのために時間を使ったら? 所得が減ったけど、自分の時間も増えたはずだから、家計は厳しいけど、自分がスキルアップするチャンスだと思って、資格取得に時間を使ってみたらどう? 資格を取得したら褒賞金が出るし」
と、アドバイスをしてみた。
 
勤め先には、社員がスキルを高めるために、資格を取得すると褒賞制度がある。
しかし、時間が出来ても自分への投資はなかなか出来ない。自分のスキルアップのために時間を使い、資格が取得できれば、掛けた時間がお金に変わり自分のスキルも上がる。一石二鳥だが、なかなかそれが出来ずに、ダラダラ過ごしてしまう。
 
 
そう言えば、資格と言えば、昔こんな同僚がいた。
とにかく、資格を取得するのが大好き。
彼は、お金のために資格を取得するのではなく、いま考えれば、まさに「ドM」。
 
学校の勉強はイマイチだったようだが、「資格」となるとモチベーションが上がるそう。理由を聞くと、点数を競うのではなく、合格した時の喜びが何物にも代えがたいそう。
会社に入社すると、メーカー主催の資格試験に始まり、業務の関わる公的資格を取得して、業界の中では全国的に一目置かれる存在になった。
 
資格はこれだけでも十分だが、「中小企業診断士」にチャレンジすると言って、休日は学校にも通い、平日は夜な夜な勉強をして、2度目のチャレンジで見事合格をした。
 
しかし、残念ながら取得した「中小企業診断士」が仕事で十分に活かせなかった。本人に責任がある訳ではないが、そうなる事は予測がついていた。
そこで彼は、会社に不満があった訳でもなく、資格を活かすために会社を辞め、いまは、独立して自分で事務所を起こして仕事をしている。
 
働き方改革で時間が出来ても、その時間を活かせない人。
資格を取得するが活かせないと判って、自ら資格を活かそうとする人。
結局、「活かす(生かす)も殺すも自分次第」って事を肝に銘じておかなければ。
 
人にはあれこれ言う前に、まずは自分も時間を活かす事をせねば! 

 
 
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2018-10-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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