メディアグランプリ

私だけは大丈夫だと思っていたのに……


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記事:水乃龍(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
「絶対大丈夫だと思ったのに」
それを見た時、私はすぐにそう思った。
ショックで自分の見たものが信じられなかった。
でも、何度見てもそこに書いてあるものが変わることはない。
「大丈夫、大丈夫」
自分を励ますように、何度もそう思った。
「夜中に見るからこんなに不安になるだ。もう今日は寝てしまおう」
私はそっとその書類を封筒に戻して、逃げるようにベッドにむかった。
 
それから数週間、私は何もなかったように過ごした。
毎日、仕事と家の往復だけで何も変わらない毎日だったけど、ふとした時に不安な気持ちが湧きあがってきた。
「このままじゃダメだ」
強くそう思った。
「まずは、自分の状況をはっきりさせよう」
そう決めた。
正直、自分の状況が、まだ大丈夫なのか、それとも悪いのか、よく分かっていなかった。
私は手元に届いた書類を見て、ただ不安になっていたのだ。
「分からない」ということが1番恐いと思う。
だから、まず自分の状況を知ろうと思った。そして、もし悪かったとしても対処するのは早い方が絶対に良い。
そう自分に言い聞かせて、専門の病院を探すことにした。
あの日私が見ていたのは、健康診断の結果だった。
これまで何度となく健康診断を受けてきたが、どこにも引っかかったことはなかった。
だから今回も絶対に大丈夫だと思っていたのだ。
でもそうじゃなかった。
私は、今回はじめて乳房の超音波検査で「要経過観察」の結果をいただいてしまったのだ。
手元に届いた結果には、詳しいことが書かれていなかった。
だから、どういう状態なのか健康診断を受けた病院に電話で問い合わせてみた。
「要経過観察ってことは、のう胞があったんでしょうね」
と言われた。
でも、それ以上詳しいことは何も教えてくれなかった。
「もしかしたら乳がんになってしまうかもしれない……」
私は不安でいっぱいになった。
そして、私は自分の状態を確認するために診察を受けることにしたのだ。
 
診察日当日も不安で仕方がなかった。
名前が呼ばれて、医師の前に座るとドキドキした。
「何を言われるんだろう。大丈夫だろうか」
子供の時、親に成績表を見せているような気分だった。
ジッと私の健康診断票を見て、医師は言った。
「のう胞っていう水の塊があるみたいですね。大丈夫とは思いますが、その中に悪いものがないか調べてみましょう」と。
私は少しだけ安心した。これまで「のう胞」というのがどんなものか分からず、とても不安だったのだ。
私は念のため、マンモグラフィー検査とエコー検査をすることになった。
その結果は、問題なし。
今のところ悪い所はなく、年に1回検査をして様子を見ていれば十分だという。
そこでやっと私は安心し、そして不安になった。
「今回が大丈夫でも、次も同じように大丈夫とは限らない」
この時、私ははじめて真剣に考えた。
そうならない為に、私に何ができるだろう。
私には専門的な知識はない。
でも、もし万が一が起こった時のために「セルフチェック」を行うことはできる。
病院で流れていたセルフチェックのDVDによると、月1回行うと良いらいしい。
チェックの方法は3つ。
まずは、見る。
腕を高く上げて、ひきつれやくぼみ、その他変化がないかチェックするのだ。腕を腰に当ててからも同様のチェックを行う。
次は、触る。
4本の指で、10円玉ぐらいの「の」の字を書くようにチェックする。
最後は、絞る。
絞るようにして血液や分泌物が出ないか確認するのだ。
この3つのチェックで、少しでも気になることがあれば診察した方が良いらしい。
触ってチェックする方法は有名なので知っていた。しかし、見て・絞ってチェックする方法は知らなかった。
セルフチェック1つとっても、私達が知らないことは多いと改めて実感してしまった。
 
病気に年齢も性別も関係ない。
当然のことで分かっているつもりが分かっていなかった。
今まで私は健康診断が嫌いだった。
面倒だし、時間もかかって疲れるからだ。
でも、今回のことで健康診断は私に「安心」を与えてくれていたのだと気づいた。
毎年1回検査をして、「問題なし」という安心をもらう。
それを毎年続けることで元気な体でいることができるのだ。
もちろん今回のように、「要注意」の診断をされるときもあるだろう。
それでも、早い段階で自分の状態を知ることができれば、きっと悪い方向にむかうことはないだろう。
来年の診断では「安心」をもらえるように少しずつ改善していきたいと思う。
そして、もし診断を受けていない人がいたら、「安心」をもらうためにもぜひ一度病院に行ってみてほしい。
 
※病気・セルフチェックについて専門的な知識はありませんので、ご注意ください
 
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2018-11-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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