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真面目に働くだけでは給料は上がらない、から出るための「公式」を教えてもらった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:杉本織恵(ライティング・ゼミ平日コース)
 
真面目に働いていれば、上司が評価してくれて、給料も上がるはず。
  
そんな風に考えていた時期がありました。
毎朝定時に出勤して、自分の仕事に責任を持って向き合い、より良い結果を出すためにはどうすればいいのか考え、頑張って働いていました。気乗りしない仕事や、終電まで続く残業に、嫌になったこともありましたが、投げ出さず、真面目に仕事に向き合って……そうすれば、上司や周りが私の頑張りを評価してくれるはず。お給料も自然と上がっていくはず。そんな風に仕事をしていました。
  
もし私が、そのまま、当時の会社で働いていたら、ずっとそう考えていたかもしれません。年に一度、スズメの涙程に昇給し、社会保険料に消えていく。労ってはもらえるけど、なかなか評価や給料に直結しない。それが「普通」なんだと思っていました。
  
そして「皆もあんまり給料って上がらないんだな。会社員っていうのは、こんな感じなんだ。仕方ない。食べるのに困っているわけじゃないし」そんな風に思うようになっていたでしょう。
  
ですが、機会を得て、転職して、ある外資系の企業に入った時、私のそんな考え方は根底から覆されました。
  
そこでの常識は、「何も言わない」=「満足している」でした。
  
黙って働いていれば評価してもらえるなんて、ありえないことでした。自分がどんなに仕事をしていても、黙っていたら給料は上がりません。自分はこれだけのことをした、評価して欲しい、と堂々と言う必要がありました。
  
それは給料に限りません。全てのことに関して自らの意見を言わなくてはいけない世界でした。以前所属していた某大手企業では、会議に出ても下っ端として聞いていれば良かったのですが、その会社ではたとえ平社員であっても、会議に出たら自分の意見を言わなければ、そこに居る意味は無いとみなされます。常に意見を表明することが求められました。
  
これは、私には大きな課題でした。自分の意見が正しいのだろうか、ズレてないだろうか、どんな風に評価されるんだろう、と戦々恐々としながら、何も言わずに終えた会議も、いくつもありました。
  
そんな会社で、ものすごく堂々としている女性と出会いました。アシスタント業務で、ごくごく普通のスタッフなのに、いつもはっきりと意見を述べる人でした。彼女の意見はよく間違っていましたし、ズレてることもありました。ですが、彼女はとても評価が高かったのです。
  
それは、私にとって衝撃でした。
「あんなに間違えるのに、評価されるんだ」ということが。
  
自分がある程度上の立場になってみればわかるのですが、トップは部下に「正しい意見」なんて求めていません。違う角度、新しい視点、自分が思いつかなかったアイデア、目線を変える発言、などなど、業務全体を見ているのです。彼女が評価されるのは当然でした。
  
そして彼女は順調に給料を上げていきました。給料を上げるために、彼女のとった方法はシンプルです。「〇〇万円を希望します」と率直に伝えていました。
  
この会社での常識は、「何も言わない」=「満足している」です。
そして、会社と社員は対等です。
  
対等ということは、「面倒をみる」という感覚が無いと言えます。社員教育をしないという意味ではありません。親が子供の面倒を見るように「いつもちゃんと見てますからね」というスタンスが無いということです。
  
私が社会人デビューした頃に持っていた「真面目に働いていれば、上司が評価してくれて、給料も上がるはず」という考え方は、逆を返せば「常に誰かが私のことを見ていてくれているのが当然」ということになります。
  
子供が親に、「常に自分に注目していて欲しい」「泣いているだけで何が嫌なのか分かって欲しい」と甘えるように、私は、会社や上司に対して「常に私の仕事ぶりを見ていて欲しい」「黙っていても評価して欲しい」と甘えていたわけです。
  
泣いている子供に対してだって「泣いてちゃわからないから、ちゃんと説明して」と言うくせに、自分は黙って仕事をしているだけで評価してもらえて当然と思っているなんて、なんて傲慢だったのか、と思います。
  
そして、その甘えは、この会社では全く通用しませんでした。「黙っている」=「満足している」ですから、私が何も言わなければ、給料も何もかも全く変わらないのです。
  
その後、仕事の環境が変わり、様々な経営者とお付き合いすることが増えたのですが、この「黙っている」=「満足している」の公式は、経営者の方々はごく普通に持ち合わせていることに気づきました。
  
「何も言わないで、わかってくれって、無理だよなー」「何が不満なのか、普通に言ってくれれば聞くのに」と彼らは言っていました。
  
日本企業だから、外資系企業だから、ではなかったのです。
  
よく考えてみれば、私達は日常生活でもこの過ちを繰り返して、関係を悪化させています。夫婦関係、親子関係、友人関係、どんな関係でも「言わなくてもわかってよ!」となった時点で、難しくなります。誰しもが散々経験していることではないでしょうか。
  
何故かそれが、仕事になると、会社となると「黙って仕事をしていれば評価してもらえて当然」になっていたのです。いい大人として、今考えれば恥ずかしい限りです。
  
私の「会社員とは、そういうもの」という思い込みは、本当にただの思い込みでした。自分で自分の仕事を評価し、希望給料を申告するというのは、ハードルが高いものでしたが、半ば強制的に、会社という「親」から精神的に自立して、自分の足で立たせてもらって、今振り返ると本当に良い機会でした。
  
会社であっても、親子であっても、最後は人と人の関係です。どんな関係においても「言わなくてもわかってよ!」と言うスタンスは、大人として、本当にもう卒業しようと、心から思っています。
 
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2018-11-08 | Posted in メディアグランプリ

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