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人は1位になると決めたら1位になれるのかもしれない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岡筋耕平(ライティング・ゼミ木曜コース)
 
 
「次は1位になりたい」
 
会社の同僚にそう話したとき、
 
「いや、無理でしょ」
 
と、最初から相手にはされなかった。
 
だけど僕は1位になれると思っていた。何故なのかは分からないけれど自信とは違う確信のような想いがあった。
 
勤め先の会社では毎朝、成績のメールが飛んでくる。メールには昨日までの成績の順位が1位から20位まで記載されている。
 
そこに名を連ねるのは、その職場での僕の1つの目標だった。
 
外資系コールセンターだったので、一つの電話にかかった対応時間や、記録に費やした時間など1秒単位で記録されている。もちろん短い時間が求められていた。その対応時間の短さが、毎日の集計結果として成績に反映されるわけだ。
 
僕は最初、箸にも棒にもかからなかった。
 
なので、当面の目標は取り合えずランクインすること。そこからでないと1位も何も始まらない。
 
「ランクインしたい」
 
当初、同僚に話した時にも
 
「無理でしょ」
 
と鼻で笑われた。
 
この同僚の言葉が、僕の反骨心に火を付けたのかもしれない。
 
「絶対にやってやる」
 
心の中でそう誓った。
 
願えば叶うとはよく言ったものだが、現実はそう簡単にはいかない。
確かに願わなければ何も始まらないわけだから、当然一理はあるのだがその後、どう行動に移すかが叶うかどうかの分かれ目だと思う。
 
 
まずは情報収集から、仕事関係の雑誌やネット記事を読み漁り、自分の知識量を増やした。知識量が増えると、それだけ対応中に調べる時間を省くことが出来て、時間の短縮につながる。
 
知識はただ詰め込むだけでは役には立たない。
実際に仕事で応用した内容や改善したほうが良い内容を、仕事終わりにカフェで毎日振り返り、その日の対応のメモを取って復習した。
こうすればもっと良かったな、とか指摘されたこと、逆に上手くいったことなどをノートにひたすら書き込んで行く。
 
次の日、それが出来ているかどうかを確認し、またその日の仕事帰りにカフェに寄って改善点を洗い上げる。
地道な作業だけど、これをやっていなかったら1位は絶対になかった。
 
帰りが遅くなってカフェに寄れなかった日や、休み前に飲みに出かけ日も、帰ってからか翌日に、復習の時間を作っていた。
そんな日々を繰り返していたある日、朝のメールに目を通すとそこには自分の名前が!! しかもいきなり4位。
月単位で成績が計算される仕組みだったので、月初めにいきなりランクインすることが出来た。
最初我が目を疑ったけど、紛れもない真実で素直に嬉しかった。
 
嬉しかったのはランクイン出来た事だけではない。
 
僕はその部署に配属されてからまだ3ヵ月程度だったのに、1年以上勤めている人たちを追い抜き、上位にランクイン出来たことだ。
僕がいた職場では、例え数か月前に入社していたとしても、上下関係は明らかだった。
配属された当初、しょっちゅう指摘や注意されたし、なかには最早パワハラでしょ、と言いたくなるような事まであった。
 
そんなこともあったから実力が証明できた気がして気分が良かった。
最初はランクインしただけで満足だったけど、もっと上を目指したくなってくるのが人の性。
次は3位以内を目指した。
そこには入社して1年以上のつわもの達がひしめきあっている。
その職場はコールセンターという過酷な環境もあってか、離職率が半端なかった。1年以上勤めている人は通常の会社で5年務めた人位の全体比率だと思う。
 
だけど、3位以内もすぐに達成することが出来た。
問題はこの次、1位と2位の差がとてつもなく開いていた。
不動の首位がいたから誰も1位を目指さなかったし、最初から諦めていた。
 
僕はそこに盲点がある事に気が付いた。
 
誰も目指さないからそこにチャンスがある。
 
「案外、やってみればいけるんじゃないか」
 
そう思った。
実際、1位になるまではきつかった。ランクインしてから一カ月間の間、毎朝メールをチェックして差があとどれくらいあるのかを確認した。
1位を目指すのはいいが、油断したら今の順位を下げてしまう恐れもあるので、気の緩みは大敵だった。
 
根気よく1位の座を目指していたある日のこと、僕の数字に変化はなかったのだけど、1位の人の数字が下がってきた。
そして数日後、順位は入れ替わり僕が首位に立つことが出来たわけだ。
本当に嬉しかった。
 
やれば出来る、そう確信出来た瞬間でもあった。
 
僕は実はこれまで何をやらしても順位をつける事で1位を取ったことがない。
遠慮しがちで引っ込み思案な性格もあるし、小学生時代にいつも運動会のかけっこ競争では上から3位だった。
 
学年が進級して、その年の目標を書かされた時、僕は
 
「今年も3位になりたいです」
 
と書いたら、先生からもっと向上心を見せなさいと書かれて帰ってきたのを覚えている。
その後、人生で何をやらしても3位以上を取った記憶がない。
だけど、社内で1位を取れたとき、僕は思った。
 
「上を目指すかどうかは、自分自身がそう思うかどうかなんだな」
 
と。
 
願えば叶う、本当にその通りなのかもしれない。

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2018-12-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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