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メディアグランプリ

ハーゲンダッツ、逃れられない誘惑


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:青山 ひろみ(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
「やめよう、やめよう」と思っているのに、なかなかやめることができないことってないだろうか。
「健康になりたいので、タバコをやめよう」とか、「翌日胃もたれするので、飲み会のシメのラーメンをやめよう」とか。
 
わたしの場合、真夜中のハーゲンダッツがそれだ。
 
「今日も一日すごくいい仕事をした。今日も笑顔で子育てに取り組んだ。自分は本当によくやってる」
そんなことを思いながら、2歳の息子をやっと寝かしつけて、夜10時ごろに一人リビングでのんびりと一口一口味わいながら頂くハーゲンダッツ。
 
これは私にとって、至福の瞬間の一つだ。
しかし当然ながら、ダイエットしたいという思いとは裏腹に、私の体重は減っていない。
 
素材のミルクの品質と濃厚さにこだわっているアイスクリームなので、高カロリーなのだ。他のアイスクリームに比べカップのサイズは小ぶりだが、250-300kcalほどある。
 
やめられない理由は、ハーゲンダッツが美味しいからというのはもちろん大きな理由だが、それだけではない。
 
私はグロービス経営大学院という社会人向けビジネススクールにてMBA(経営学修士)という資格取得に向け、ここ3年ほど学んでいる。
昨年学んだ科目に「ソーシャルメディア・コミュニケーション」という科目があり、ハーゲンダッツを題材にして、企業のSNS活用や、消費者の深層心理分析など、数名でチームを組んで研究した。
 
ハーゲンダッツを食べている人へのインタビューや、コンビニやスーパーなど販売の現場に足を運んだり、SNSをどのように活用しているのか、消費者はSNSでハーゲンダッツについてどんなことを書き込んでいるかを観察する。これを2ヶ月間に渡り取り組んだのだが、取り組むほどに自分がハーゲンダッツから逃れられなくなる理由がわかってしまった。
ハーゲンダッツはまるで、悪魔だ。
 
ビジネススクールでの研究を通して、そう感じた理由は大きく3点ある。
 
まず一つは、ハーゲンダッツを食べること自体にファッション性があることだ。
 
でもハーゲンダッツのCMを思い起こしてみると、ラグジュアリーが似合う女性タレントが起用されており、ドレスアップされている。CMの舞台となっているのもいやらしさを感じさせない程度の高級感のある部屋。
CMを見て私は、宝石箱をのぞいているような気分になる。
結果、「ハーゲンダッツを食べている自分自身もおしゃれである」という気分になる。アイスクリームを買うと言うよりも、「ラグジュアリーな体験」を買っているのかもしれない。
 
あと、価格設定にもポイントがある。アイスクリームは100-150円ほどで買えるものが多いと思うが、ハーゲンダッツは1つ250円ほど。期間限定で450円ほどする「スペシャリテ」というシリーズも出たりする。
 
子供の時は親にねだってもハーゲンダッツは買ってもらいにくいはずで、大人になってからもまだ社会に出て間もない時は、とてもではないが手に取るのにハードルを感じる金額。
 
ハーゲンダッツを食べられるようになったことで、「大人になった自分」、「自分の成長」を感じているインタビュー対象者もいた。ハーゲンダッツが食べるという行為が、イケている大人の女性に成長した自分を感じさせているのかもしれない。
人間関係に置き換えて考えてみても、自分の気分を上げてくれる相手とは、つい会いたくなってしまう人が多いのではないだろうか。ここに、ハーゲンダッツの中毒性があると思われる。
 
二つ目は、コミュニケーションが発生するよう工夫されていること。
ここで言う「コミュニケーション」とは、企業とハーゲンダッツを買うかもしれない人のコミュニケーションを指す。
ハーゲンダッツはかなりの頻度で期間限定商品、新作を投入してくる。
さらに、コンビニ、スーパー、ネットショップなど、手に取りやすい場所に置いてある。
私の場合、コンビニに立ち寄った際に、他のアイスではやっていないようなキラキラパッケージがつい目にとまってしまう。
 
さらに、ほうじ茶ラテ、アリスの紅茶、マカダミアナッツ、ライチラズベリーなど、他のアイスクリームでは到底作らないだろう味が多く、一度試してみたくなってしまうもの購入要因となっている。当然、発売のたびにCM、SNS発信など行われる。それをみて、発売日にコンビニに走ってしまっている自分がいる。私は、まんまと罠にはまっているのだ。
 
三つ目は、消費者にとってコミュニケーションツールとしても活用できること。
安すぎない価格設定とラグジュアリー感のあるパッケージから、ちょっとしたプレゼントや手土産としても喜ばれる。
私も友達の家に遊びに行く時、新しい職場への挨拶にハーゲンダッツを持参した経験があるが、大変喜ばれた。
また、夫と喧嘩した際、ハーゲンダッツを買って帰ったりすると、だいたい許してもらえる。きっとこれは、他のアイスではダメなのだろう。
 
さらに自分の場合、ハーゲンダッツがメインターゲットとしているであろう「30-40代の働く女性」に当てはまってしまっているので、逃れるのはますます難しいのであろう。
自分のダイエットのことを考えれば逃げ出したいのだが、ハーゲンダッツの誘惑から逃げ出せない。
 
このような感じで、自分用に、プレゼント用に、かなりの頻度でハーゲンダッツを購入している。
自分の体重が減らない悩みはあるものの、自分にとってハーゲンダッツが自分にも周囲の人にも幸せを届けられるアイテムになっている。
私はまだまだ、ハーゲンダッツからは逃れられそうにない。
 
 
 
 
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2019-04-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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