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メディアグランプリ

苦手な人の美点を探せ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:池田和秀(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
私はもともと、人の好き嫌いが激しかった。
嫌いなタイプの人とは、同じ場所で同じ空気を吸っているのも嫌、というくらい、激しかった。
 
過去をふり返ると、迷惑をかけてきた方々の顔が浮かぶ。
例えば20代の頃の職場の上司。
目をかけてもらって、その上司が持っていた仕事のノウハウを引き継がせようとしてくださったのだが、こちらの都合に関係なく仕事を振ってくるその方がだんだんと疎ましくなり、いつしか冷たい態度を取るようになってしまった。
 
今思えば、まったく私の至らなさなのだが、「嫌だ」という気持ちが湧き上がってくると、どうしようもなかったのだ。
 
ところが今では、そんな好き嫌いはなくなった。
 
「どんな人でも大好き」というと言い過ぎになるが、「嫌い」という感情は出てこなくなった。
「苦手だな」と思う人が現れることはあるが、「また昔の自分が顔を出しているわ」と自分の心をリセットすれば、抵抗なく接することができる
 
それは、相手のことを、「素晴らしい人」と見ることができるようになったからだ。
 
「そんなきれいごと、できるわけない」という声が聞こえてきそうだが、可能なのだ。
 
私は今、心療内科のクリニックでカウンセラーをしている。うつ病をはじめ、さまざまな心の病を抱えた方々のお話を聴かせていただく。
 
「この人は苦手」と考えていたら、とてもカウンセラーの役割は果たせない。相手との信頼関係は築けないし、元気になっていただくことなどできなくなる。
 
だから私は、カウンセリングをするときに、あることに事前に取り組む。
 
それは、相手の方の「美点発見」をすることだ。
 
「美点発見」とは、相手の方のいいところや素晴らしいところを発見し、書き出していくワークだ。
 
どんなことでもかまわない。人柄でも、性格でも、考え方でも、見た目でも、趣味でも、まわりの人の評価でも、その人のいいところだと思えることなら何でもいい。
とにかくたくさん、思いつくままに、どんどん書いていく。
1つ2つ書いておしまい、ではない。10個、20個、30個、100個と、とにかく数を出していく。たくさん書けば書くほど、効果がある。
 
この「美点発見」のワークは、私だけが取り組んでいるものではない。
私のクリニックでは、すべてのカウンセラーがカウンセリングの事前準備として行うことが勧められている。カウンセラーの心得の一つとされている。
 
カウンセラーだけではない。
患者様にも、治療のなかで、ホームワークとして「美点発見」をしていただくようにお伝えしている。
 
心の苦しみは、人間関係から来ることが多い。
職場の人間関係、夫婦の関係、親子の関係など、特定の人間関係に苦しんでいるとき、「美点発見」は効果がある。
 
「あの人が自分を苦しめてくる」、「あの人とはどうしてもいい関係が築けない」、そんなあなたの心を苦しめる相手であっても、あえて「美点」を探してみる。
 
「美点なんてあるわけない」と思う相手でも、「いいところ」に意識を向けて、探そうとして見ると、かならず1つ2つと見つかってくる。
 
なぜなら、あなたが見ている「あの人」は、「本当のあの人」ではない。あなたの心がとらえた「あの人」であり、「あの人」の一部分でしかないからだ。
あなたの心を苦しめる相手の中にも、あなたには見えないだけで、かならずその人ならではの美点がある。それを探してみる。
 
「美点発見」をしているうちに、これまで見えなかった「あの人」のいい所が見えるようになってくる。
そうするとあなたの中で相手の捉え方が変わり、「嫌だ」と思っていた人の中の素晴らしさが見えてくるようになる。
すると相手との関係そのものも変化してくる。
 
私がクリニックで伺ったある方の体験をお伝えしよう。
 
この方は、両親の「美点発見」を毎日やっていくと決めて、半年間やり続けた。
なぜなら、口うるさい父親のことが嫌いだったからだ。
そして「美点発見」に取り組み続けて半年後のお正月、実家に帰省し父親と顔を合わせた。
すると今までにないくらい、父親と楽しく会話ができたのだ。
「美点発見の効果だと確信しています」とこの方は語っていた。
 
さらに、「美点発見」は、まわりの人に対してだけではなく、自分自身に対して行うこともできる。
 
自分自身への美点発見を続けた結果、就職活動で30社落ちた青年が、1週間で一発内定を得た例もある。
 
この青年は、面接で落とされ続け、「もうダメだ」と、自信をなくしていた。
「一流大学を出ていない」、「特に自慢できることもない」、と自分へのダメ出しを続けていた。
そこで、「美点発見」のワークに取り組んだ。
最初は「書けない」と言っていたが、少しずつ自分の美点を見つけ始め、最後には、「こんなに自分にも美点があったんだ」と、表情が明るく一変した。
そして、その一週間後、受けた面接で一発内定をもらうことができた。
 
自分への「美点発見」を行うことで、自分で自分のことが認められるようになり、自己肯定感が上がる。自分を肯定することができれば、自分への信頼と自信が内側からあふれ出てくるようになる。
 
心には、「傾向性」がある。心は、向かおうとする方向に向かっていく。
マイナスを見ればマイナスの方向に、プラスに目を向ければプラスの方向にむかう。
「あの人のことは嫌い」と心の中で思っていると、そのループの中で回り続ける。
 
だからあえて、形からでも「素晴らしいところ」に目を向けて、それを見つけようとしていく。
すると心そのものが変わっていく。
あなたの心が変われば、相手との関係も良くなっていく。
人間関係がよくなれば、心の苦しみも解消していく。
 
これをすべての人にできれば、すべての人と良好な関係を築けるようになっていく。
その技が「美点発見」だ。
試してみてはいかが?

 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-08-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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