天狼院通信

宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』を観て、これが宮崎駿監督最後の作品になるかもしれないと思った。〔天狼院通信〕


記事:天狼院書店店主 三浦 崇典
 
今日、7月14日朝に池袋のグランドシネマサンシャインに向かった。
当然、宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』を観るためである。
 
前情報がまるでない状況での、宮崎駿監督の作品ならば観なければなるまいとのある種の使命感があったんだろうと思う。昨日、公開日を知り、慌ててネットで予約した。
 
それでも、パンフレットはあるだろうと売店で、
 
「宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』のパンフレットをください」
 
と言うと、店員さんはこう言った。
 
「パンフレットは、作られるとは言われているんですが、まだできていないらしく」
 
そんなこと、ある?
ちょっと面食らった。
もしかして、映画も本当は完成していないんじゃないかとすら思った。
もはや、達観したような、線画だけで描いて、これ映画ですなんて押し付けるタイプの、最後はこんなシンプルな作品でした的な内容なのかなと、正直心配した。
 
そんな映画なら、正直、観たくはない。
 
ネタバレしないように気をつけて書くが、始まってみると、まあ、宮崎駿だなと思った。
安心した。
 
そして、深淵に足を踏み入れたなと胸が高鳴るのを抑えられなかった。
 
宮崎駿監督の初期の作品『風の谷のナウシカ』は、当然映画も好きなのだが、あの難解な原作が好きだ。あそこに描かれる世界観は、もはや哲学であり、手塚治虫がフラクタルな世界観を『火の鳥』の作品群で示したように、宮崎駿は『風の谷のナウシカ』において、もはや1980年代にその哲学的世界観を明示していると僕は思っている。
 
その宮崎駿が、また深淵に足を踏み入れたのだ。
 
なるほど、世界をそう描きますか、と。
 
この作品は、ファンタジーであり、哲学であり、そして、古事記のイザナギ、イザナミにも通じるヒーローズ・ジャーニーでも有り、ある種の諦観でもあるだろうと思う。
 
僕は勝手に、本作を観て、初めて宮崎駿監督は自身をキャラクターに投影したのではないかと思っている。そして、その諦観が伝わってくるようで痛くも清々しいのだ。
 
実にアンバランスの世界を組み上げ続けてきた人が、最後に行き着く希望と諦観が、本作には描かれているように思えてならない。
 
清々しいと思えるのは、それでいいのだと、宮崎駿監督は思っているのではないかと勝手ながら推察したためだ。
 
アンバランスな世界の維持を継承するのは、実に、困難を伴う。その困難を人に押し付けようとは思わないのかもしれない。
 
あるいは、と深読みしたくなる。
 
日本の漫画やアニメーションは、手塚治虫という天才の出現によって、世界的芸術に昇華され、僕は宮崎駿監督は、その継承者の一人であると勝手に思っている。
 
その次世代への継承を、清々しく断念したと表明したのが、この映画なのではないだろうか。
 
もし、未来から見て本作品が、本当に宮崎駿監督の最後の作品となるのであれば、この考察はあながち外れているとも言えないのではないかと思う。
 
ともあれ、本作品は、宮崎駿監督作品でこれまで大いに楽しませてもらったあらゆる人類は、観るべきだろうと思う。
 
人それぞれに、違った感じ方をする作品かもしれない。
いろんな感じ方を聞いてみたい気もする。

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2023-07-14 | Posted in 天狼院通信

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