メディアグランプリ

浮気の代償


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記事:金宮(ライティング・ゼミ日曜コース)

 

「もしも浮気してしまったら、どうする?」

新婚の頃、夫に聞いたことがある。

 

普通は、新婚の頃に尋ねる話ではないのかもしれない。

しかし、私たちは、結構大人になってから結婚した間柄だった。

出会いは、インターネット上。それも、ソーシャル メディア ネットワーク上で。いわゆるSNS婚、というやつである。

出合った当初、まさかお互い結婚するとは思っていなかったから、親しい女友達に話すように、過去の恋について、ほとんど話してしまった。夫の過去の話も、ほとんど聞いてしまった。

 

大人になると、それなりにお互いが経験を積んでいる。

過去、浮気をされた経験も、した経験も一度もない。なんてはずもなく、どちらもある程度、年齢相応の経験を積んできていた。だから、理性や法律のしばりなどで、何とかなることとならないことがあると、分かっていた。

 

テレビでは、浮気だ不倫だ、といったニュースが毎日流れている。

そして、浮気の代償として、離婚するだけではなく多額の慰謝料を求められたり、愛する子供と離れなければいけなくなったり、信用がなくなり仕事の機会自体を奪われたりしている。あるいは、離婚できずに、責められ続ける人もいる。

そう、浮気の代償は、一般的に、とても大きく、痛みを伴う。

 

私は初婚である。子供は、今のところいない。仕事は続けている。とすると、自分へのペナルティとして、夫はどんなものを想定しているのか。

 

初めての結婚、ということは、何回目かの結婚、とは違う。

何が違うかよくよく考えてみると、これまで同じ人と、社会的責任を持ちつつ何十年も同じ気持ちで一緒にい続けたことが無いことを意味する。

初婚というと、一見聞こえは良いが、そうすると、一番信用できないのは、自分の心ではないか。

 

今はよくても、この先はどうなるか。途中で飽きてしまったらどうしよう。いや、逆にこちらがムーミンママのような体形になって、どちらかというとやせ体系好きの夫に飽きられるかもしれない。あるいは、派手目な夫婦喧嘩の後に、「僕は、あなたじゃないとダメなんだ」とイケメンから急に熱く告白されたら。絶対に気が迷わないと、心から言い切れるか。

 

そんなことを考えていた自分に対する、浮気の代償についての夫の答えは、意外なものだった。

 

「3回まではオーケー。それ以上は……」

 

3回。貴重な数字である。

何が3回なのか、1回が、いーーーーーーーーーーーーーーーっかい、みたいなカウント方法でもいいのか、そもそも浮気の定義は何か。相手の1回と私の1回に差があった場合は、どうするのか。

そんな質問を、いくつかした。

浮気の定義は、男性と二人きりでランチ1回食べたら、といったたぐいのものではなく、ひとまずは普通というか、いわゆる不貞行為(フテイコウイ)というやつだった。

 

3回の理由としては、夫が言うには、拒絶しようのない、ジェームス・ボンドのようなイケメンに言い寄られたら、それはやむを得ないかもしれないし、そんなイケメンに言い寄られる女性を嫁に選んだ自分はちょっと誇らしいかもしれない。しかも、それで嫁が3回でちゃんと帰ってくるなら、逆に自分が、オトナの余裕のあるオトコっぷりを人に自慢できるからよい。そんな答えだった。

 

ということで、わたくし、3回まではおk。である。

 

「じゃ、逆に、俺が浮気したらどうする?」

江戸っ子の夫に聞かれた。

 

「俺だって、すごい美人に言い寄られたら、断れないかもしれないし」

3回まで許可してくれた大人の漢(オトコ)に対して、私は何と答えたか。

 

 

「うーん、うーん。

……じゃ、一生、醤油禁止」

 

理由は、夫の大好物が、蕎麦、鰻、寿司、醤油せんべい、おでんだからである。

だって、浮気をするような男は、お蕎麦も鰻も、お寿司も塩で食べればいいし、

おせんべいは我慢すればいいよねー。素材の味が感じられて、楽しいかもしれないよ。永久に。

 

寛容の精神、0(ゼロ)。

武士の情けも、0(ゼロ)。

 

少しして夫から発せられた言葉は、

「……地獄だ。不条理だ。それは、死んだ方がましかもしれない……」だった。

 

ええ、ごめんなさい。女は、怖い生き物です。

 

冗談はさておき、幸いなことに今のところ我が家では、私の3回券は未使用のままであり、醤油禁止令も、出ていない。

それは、何も悩みがなく、ずっと新婚当初と同じ状態でラブラブであることを意味する。ものなのかと独身時代は思っていたが、必ずしもそうではなく、以前とは違うジャンルの新たな悩みが、日々湧き出てくるものである。その点では、日々、対処を考えるところは、独身時代と変わらないと言えるかもしれない。

 

浮気の代償は、一般的に、とても大きく、痛みを伴う。

一方で、我が家では、浮気の代償は、夫婦でバラバラ、価値観が相違していて、その相違も大小異なりすぎているし、お互い、ある意味未経験ゆえの甘いところもあるかもしれない。

 

でも、少なくともどちらも、再構築が前提での代償であるような気はするから、甘くても痛くても、バラバラでもいいかなと、今は思っている。

 

物騒なニュースが多い毎日だけれど、できれば有事や代償に出くわさないよう祈りつつ、相手を思いやりつつ、毎日を丁寧に過ごしていきたい。

 

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2017-09-15 | Posted in メディアグランプリ, 未分類, 記事

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