【12/26劇団天狼院】劇団天狼院冬公演『コーヒーが冷めないうちに』杉並演劇祭大賞を受賞した伝説の名作を劇団天狼院が上演いたします!《5代目秘本「秘本劇」》
お願いします、
あの日に
戻らせてください―。
「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」
不思議なうわさのある書店
天狼院書店を訪れた
4人の女性たちが紡ぐ、
家族と、愛と、公開の物語。
―4回泣けます
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天狼院書店店主および劇団天狼院主宰の三浦でございます。
今思えば、その本の原稿は、導かれるように東京天狼院のこたつの上に置かれました。
このときしかないタイミングで、僕の手に託されました。
そのとき僕は、11月16日から18日まで豊島公会堂の大ホールを借り切って開催する「天狼院の大文化祭」の準備に追われていました。そんな状況の中で、生まれたばかりの福岡天狼院の構築のために福岡に行っていて、一段落つき、羽田空港に降り立ったとき、「機内モード」を解除した瞬間に、おびただしい数のメールとメッセージが雪崩れ込んできました。
その中に、こんな主旨のメッセージがありました。
今、手元に原稿があって、どうしても僕に読んでほしい。それは文芸作品で、世の中に広げる方法を一緒に考えてほしい。
それは、もはや生ける伝説となりつつある、圧倒的な実績を持つ、スペシャルな編集者からのメッセージでした。
メッセージの中の、こんな一文がやけに心に引っかかりました。
「なんの手垢もついていない、作家のデビュー作です」
おかげさまで、近頃、超絶忙しくさせていただいていて、もはや、連日、ひどいときには朝の7時から深夜までアポや約束、仕事でいっぱいになっているのですが、スケジュールを無理くり調整して、すぐに会うことにしました。
何か、予感めいた、予兆めいた、おそらく、野生の直感的なものが作用したのだろうと思います。
会って、その原稿を読まねばならないと、焦燥のようなものを感じました。
東京天狼院のこたつで待っていた僕は、原稿を抱えてきた人の顔を見て、僕はある種、安堵を覚えました。
目がキラキラとして、自信に満ちているのです。
もう一刻もはやく読ませたいという想いが、全身の一挙手一投足からこちらに伝わるようで、これは、もしかして、とこの段階で僕は頭のなかで、ある仮説を走らせ始めました。
話を伺いながらも、この仮説を終始走らせることになります。
もちろん、読んでいる最中も。
その場で、冒頭を読ませて頂きました。
すぐに、引きこまれました。設定が、とてつもなくいい。
その設定が、クライマックス部分で炸裂するのではないかと、僕はわくわくしながら予測しました。
「とても、よさそうですね」
僕は、もはや、興奮を抑えきれずにそう言っていました。
そのとき、僕は翌朝まで読むことを約束して、大切な原稿を預かりました。
たしかに、僕は死ぬほど忙しい。
この原稿を読むには、一夜、丸々、睡眠時間を削らなければならない。
超絶多忙なこの時期に、限られた睡眠時間を削るのには、生命体として大きなリスクを抱えることになります。
正直言って、怖かった。
けれども、それ以上に、本屋としてこの本は、今、読まなければならないのだと、たとえば、消防士が家から上がる火の手を見て、飛び込まねばと思うのと、おそらく、同じような感覚で、たまたま通りかかった医師が、倒れた人を見て、手当しなければと思うような感覚で、いわば、「本屋のノブレス・オブリージュ」的な想いが、その原稿を前にした僕の中に、どうしようもなく、湧き上がってきたのです。
目の前に、予兆として輝きを放つような原稿がある。
僕が、どうにかしなければならない。
これは、僕の仕事である。
そう、自然と思うことができたのです。
正直、後は、ただ願うだけでした。
「狂おしいまでに、売りたいと思う本であれ」と。
一度、フロントライン(僕のオフィス)の机に広げて、読もうとしました。
けれども、連日の疲れが折り重なるように迫ってきて、深夜、頭が朦朧としてどうしようもない。
ただ、翌朝まで読み上げると約束したからには、これは守らなければならない。
仕方なく、僕は湯船にお湯を貯めました。
しかも、普段よりも熱めに設定し、お湯がいっぱいになると、湯船に蓋を敷いて、その上に原稿を持ち込んで、湯船に入り、原稿を読みました。
こうすれば、眠ることがなくなるからです。
原稿が濡れるといけないと思い、タオルを手元に置きました。
僕は、読み始めて、しばらくして舌打ちをしました。
文章が、頭に入ってこないのです。
おそらく、小説を初めて書いた著者だったので、冒頭、力みすぎたのではないでしょうか。説明が頭にすんなりとはなじまない。
改めて、糸井重里秘本の『骨風』は文章がうまかったのだなと思いました。
でも、せめて、複数の短編の中の1編だけでも読もう。
断るにしても、それが礼儀だと思って読み進めました。
すると、不思議なことが起きました。
はじめの方は、様々、設定の説明が必要で、登場人物の説明なども、わからなくなるのですが、ここを通り抜けてしまうと、物語の世界にすっと入り込めるようになる。
そして、後々に、冒頭で突っかかりながら頑張って読んだからこそ、後の感動が強いのだということがわかりました。
つまり、設定や登場人物は、すべて伏線であって、それぞれの話のクライマックス部分で、強靭にその伏線が回収されて行くのです。
極めて、なだらかに。
極めて、スピーディーに。
極めて、合理的に。
なにより、強烈な感動を伴って。
それがわかった瞬間、僕は強烈な嫉妬を覚えました。
素晴らしい作品を書く人間がまた現れてしまったと。
僕なんぞが逆立ちしても及ばない、極めて優れた作品が、目の前にあることを、認めざるを得ませんでした。
本を読むスピードは徐々に加速しました。
もう、眠気など、微塵も感じませんでした。
面白い。
非常に、面白い。
もう、やるせないほどに面白い。
2編目の途中で、僕は、もう号泣しました。
恥ずかしい話ですが、ひっくひっくとなるくらいに、泣きました。
原稿が涙で濡れてしまったので、手元においていたタオルで拭い取りました。
でも、僕は妙な安心感のもとに、読書を進めました。
なにせ、風呂に入っている。いくら泣いても大丈夫なのです。
そして、これ以降も、これ以上の感動の衝動が来るのだろうと、恐ろしくもそれ以上に楽しみに思いました。
いいのです。
本当に、いい。
人物がしっかりと描かれていて、彼らが作中で動くと、その中の世界がとても優しく清められるようで、もう涙が止まらなくなる。
わかったからもう、よしてくれ、泣かせないでくれと頼みたくなる。
結局は、愛なんだなと思いました。
終局的に、人間が共鳴できるのは、愛のみなのだと。
それが、臆面もなく、オーソドックスに、そしてまっすぐに描かれている。
ここまでまっすぐにそれをやられてしまうと、もはや、傑作と呼ばざるを得ない。
僕は遅読なので、読み終えるのに、数時間かかりました。
夜中、読み始めたのですが、浴室からでると、外はすっかり朝になっていました。
軽く体を拭いて、裸のままで、iPhoneを手にしました。
この原稿を託してくれた、編集者の方に、すぐに一報を入れました。
お待たせしました。
今、読み終えました。
5代目秘本、これでいきます。
思っていた仮説が、現実になる瞬間でした。
そして、その場で、こう伝えました。
「天狼院でこの本を1,000冊買い切ります」
静かに、当たり前のように、こう決意していました。
書籍は、正確にいうと、「返品条件付き買い切り商品」です。
つまり、「一旦は買い切って仕入れ代金を支払うが、同額で返品することができる」という不思議な商材。
けれども、僕は、この「返品条件」なしで、この本を買い切ることに決めました。
そのためには、新車1台分くらいの費用が必要になります。
それは、小さな天狼院にとっては、実に大きな冒険です。
なにせ、東京天狼院のすべての在庫が、4,000冊に過ぎないので、天狼院が1,000冊買い切ることがどれくらいのことなのか、想像頂けるかと思います。
一人でも多くのお客様に、この本を届けたい。
そういった想いが嫉妬混じりで生じる作品だったので、僕にとっては、至極自然な決断でした。
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こうした経緯で5代目天狼院となった本作『コーヒーが冷めないうちに』は、元々、杉並演劇祭大賞を受賞したほどの演劇の名作だったのです。
作者の川口俊和さんのご理解をいただき、今回、劇団天狼院で『コーヒーが冷めないうちに』を上演することが決まりました。
名づけて、『秘本劇』。
12月26日(土)、豊島公会堂で、20:00『コーヒーが冷めないうちに』上演です。
本で舞台となっていた喫茶店「フニクリフニクラ」が「天狼院書店」になります!
あの幽霊さんが座っていた席が、こたつになります!
そう、劇団天狼院版『コーヒーが冷めないうちに』でございます!
しかも、今回は、劇団天狼院の春公演/映画『世界で一番美しい死体〜天狼院殺人事件〜』で、ひかると探偵役に挑んだ、あの佐伯恵太が大きくなって劇団天狼院に帰ってまいります!
そう、TBSのテレビ番組「恋んトス」にレギュラー出演し、数々のCMや舞台にも出演、若手タレントとしての地位を築き始めている彼が戻ってくるのです!
今回は短い時間ながらキャスティングの主要な部分を担ったり、販売戦略を立案したりと「プロデューサー」としても活躍しています。
彼は、またここから大きく羽ばたいてくれるだろうと確信しております。
さらには、もはや、劇団天狼院の安定した「キャプテン」になった井上仁美も出演が決定!
彼女の演技のファンも多く、この演劇でも活躍してくれるでしょう!
そのほか、佐伯や井上が招集した若手タレントの皆様が舞台を彩ります。
そして、今回も、『世界で一番美しい死体〜天狼院殺人事件〜』から、劇団天狼院の音楽監督を努める天才音楽家酒井麻由佳が、この作品のためにオリジナル曲を作曲してくれます。
また、音楽隊を組織して、『殺し屋のマーケティング』と同様、生演奏で演劇を盛り上げてくれます。
「久石譲くらいには余裕で勝てる」
と穏やかな笑顔で言った、彼女の才能の片鱗をご堪能あれ!
いやー、楽しみになってまいりましたね。
秘本を読まれた方は、ぜったいに、観に行った方がいい。
ハンカチと言わず、タオルを持って行った方がいい笑。
あ、そうそう。
『コーヒーが冷めないうちに』をご購入の皆様に朗報です。
通常、4,000円のこの「秘本劇」を、本をお持ちの方は特別料金の3,000円で観劇いただくことができます!
しかも、それは天狼院のご購入のお客様に限りません。
『コーヒーが冷めないうちに』をお持ちのお客様なら、ジュンク堂さんでお買い上げのお客様も、紀伊国屋さんでお買い上げのお客様も、TSUTAYAさんでお買い上げのお客様も、三省堂さんでお買い上げのお客様も、Amazonさんや他の街の書店さんでお買い上げのお客様も、一律で、1,000円値引きさせていただきます!
もちろん、当日、受付ロビーでも販売しますので、その場でお買い求め頂いてもOKです!
劇団天狼院冬公演『コーヒーが冷めないうちに』の詳細・チケットご購入は、こちらから。
いやー、楽しみになって参りました。
実は、今回は僕は演出・作ではなく、劇団主宰および製作総指揮として関わるので、どういう作品に仕上がるか、ちょうどお客様と同じ視点で観ることができるんですね。
僕は、当日、バスタオルを持って行きますよ!!笑
泣く気マンマンです!
泣いているのを見られるのが恥ずかしいから、当日は、ひとりで2階席で観よっかなーと密かに企んでいるところです。
【概要】
日時:12月26日(土)
19:30 開場
20:00 開演
21:10 公演終了
21:20 漂流書店 『5代目天狼院秘本』に関連したスペシャルイベントを開催
21:50 終了
場所:豊島公会堂
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-19-1
アクセス:「東京メトロ池袋駅」(東口)より徒歩5分/「JR池袋駅」(東口)より徒歩5分
チケット:
前売り一般 4,000円
*『5代目天狼院秘本』をお買い求めの方は1,000円引きとなります。
当日『5代目天狼院秘本』をご持参いただくか、会場にてお買い求めください。
チケットは「秘本購入済み」を選んでください。
*各キャストの応援チケットをご用意しております。
応援チケットをお求めの方は応援チケットのキャスト名を確認してご購入ください。
『5代目天狼院秘本』は天狼院書店店頭もしくは通販にてご購入いただけます。
【天狼院書店へのお問い合わせ】
TEL:03-6914-3618
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