TERNO-IN FESTA

生きるってこういうことだよなあ≪特派員みさきのイベントレポート~TENRO-IN FESTA編~≫


“reading life”を提唱する日本唯一の書店、天狼院書店。本の世界を飛び出して、様々なイベントを開催しています。

そのなかに、TENRO-IN FESTAと呼ばれるものがあります。フェスタといいましても、ロックフェスやビールフェスのような屋外で大規模に行うイベントではなく、言ってしまえば「本屋の飲み会」で、天狼院名物のコタツを囲んでスタッフとお客様で気楽な飲み会をしております。

とは説明しても、参加してない方には実態が伝わりにくいなあ、と思いますので、2017年9月某日に京都天狼院にて開催されたTENRO-IN FESTAをレポートします!

 

こんにちは、京都天狼院スタッフの飛田と申します。

今回のレポートは、TENRO-IN FESTA編です。私はシェフ(!)としてお客様をおもてなしいたしましたので、一スタッフの視点でレポートします!

京都天狼院で働きはじめて早半年、天狼院で開催されるさまざまなイベントを見てきましたが、生きるってこういうことだよなあと深々と思ったイベントでした。

 

※レポート写真はご参加いただいたお客様が撮影いたしました!

※過去のイベントレポートはこちらから見られますよ~。→写真の構図は、こうやって決めたら良いのか! ≪特派員みさきのイベントレポート~京都フォト部編~≫

 

・そもそもTENRO-IN FESTAって何だ?

TENRO-IN FESTAは、毎月天狼院で開催されている「本屋の飲み会」です。

そして、9月のTENRO-IN FESTAは特別に、新刊『酒肴ごよみ365日(誠文堂新光社)』とのコラボイベントで、こちらの本に載っているおつまみとともに、お酒を楽しむというイベントでした。→【関西 9/22(金)】月に一度の本屋の飲み会! TENRO-IN FESTA ×『酒肴ごよみ365日(誠文堂新光社)』 本の中のレシピが登場! 9月誕生日会もやります!どなたでもご参加歓迎!《お食事・飲み放題付き》

「ひゃーーーおいしそーーーー!」

私は表紙をめくった瞬間に叫びました、美味しそうすぎて。

こちらの本、レシピ本なのに料理写真にめちゃくちゃ力が入っているんですよね。しかも、写真に添えられたポエムがお洒落なこと!

なので、おつまみを作るためのレシピ本としても有能ですし、読み物としても最適なんですよね。

「毛布のような」ってひよこ豆のパスタを形容しますか? 村上春樹ですか、あなたは。はあ、最高。

 

掲載されているレシピ365日分をすべて提供するのもさすがに無理があるので、FESTAではこの中から秋が感じられる6品作りました。

お飲み物は、ビールやウイスキー、日本酒などで、すべて飲み放題です。ノンアルコールもご用意しております。

 

・続々とお客様がご来店!

イベント当日、19:00から受付開始!

続々とお客様がご来店します。

おひとりでのご参加の方が大半で、天狼院のイベントが初という方もたくさんいらっしゃいました。HPやfacebookをご覧になって来てくださったようで、本当にありがとうございます!

 

開始時刻までは店内やコタツでゆっくりしていただきます。

イベントが始まる前は、お客様同士もはじめましてで、なんだかソワソワした雰囲気なのですが、私は今日はどんなイベントになるのか楽しみでタマラナイ時間なんですよね~。

(と言いつつも、この頃の私は「時間がない!」と焦りながら、必死にお料理の準備をしておりました……)

 

・さあ、FESTAのはじまりだー!

時刻は19:30。

お客様とスタッフで囲んだこたつの真ん中には、本日のおつまみの数々が。まんまる名月を思い浮かべる里芋、新発見奈良漬けチーズ、山形直送梨をつかった彩り豊かなサラダなどなど。

有難いことに差し入れもいただきまして、そちらもお出ししました!

とくとくとく。みなさまのお手元に金色のビールが揃ったところで、かんぱーーーい

TENRO-IN FESTAの開始です!

「ひいぃ!華金のビールはなんて美味しいんだ!!!」と言いたそうなみなさまのお顔を眺めながら、私も幸せな気分に。

 

TENRO-IN FESTAは誕生会も兼ねておりまして、まずは9月に誕生日の方をみんなでお祝い! そして、お互いの自己紹介をして、親睦を深めていきます。

 

はじまるや否や、こたつマジック炸裂

好きな小説や漫画の話をしたり、何気ない世間話をしたりして、わいわいFESTAを楽しみます。賑やかな話し声や笑い声は隣のキッチンだけでなく、2階にまで響くほどでした。

今回ご参加いただいた方は、年齢も性別も出身も職業もさまざまで、そこにある共通点は「TENRO-IN FESTAに参加した」という一点だけです。なのに、ものの5分で打ち解け合って、話に花が咲くんですよね。

こんなこと、現代じゃありえない! と私は思います。

だって、家のご近所さんとの挨拶もままならず、知らない人に声を掛けられるなんて危険行為と思われる昨今、「こたつを囲んでいる」という条件だけで、これだけ他人と仲良くなれるんですよ!? 絶対に、普通じゃない!

この現象は、お酒の力やおつまみの力じゃなく、こたつマジックだと私は思います。

こたつという限定的な空間に、お客様同士が身を置くことで生まれるマジック。テーブルじゃダメなんです、こたつじゃなきゃ。

といいますのも、こたつは団欒の象徴だなあ、と思うのです。日本人って、複数人がこたつに座ろうとすると、必ず机を囲むようにプログラミングされているんですよね。こたつに2人座るにしても、絶対に向かいか対称に座る。これだけで、相手の顔を見てコミュニケーションがとりやすくなります。

そして、こたつスペースは畳が敷いてありますので、どこか心が落ち着くんですよね。緊張感が和らぐというか。これも日本人的発想ですが、普段の営業時にもこたつで寝転がっているお客様をよく見かけます。

そんなこんなで、みなさまマジックを引き起こして仲良くなっていくんです。中には次に会う約束をした方も。こうして和が広がっていくのを見るのは本当に嬉しいです。

 

生きるってこういうことだと思う

お客様は青春に戻ったかのように、笑って笑って、ずーっと笑っていました。こたつを囲んでいない私まで、楽しい気分になりました。

盛り上がりの衰えない宴も半ばを過ぎ、私はデザートの準備にとりかかります。その笑い声を聞きながら、「生きるってこういうことだなあ」と青二才ながら思ったのです。

 

人間を人間たらしめているものって、言語の複雑さとか感情の豊かさとか知能の高さとか、たくさんあると思うんですが、すべて社会性につながると思います。ここでの社会性とは、ひとりでは生きていけない、誰かと共に生きるということ。

社会性をもつ動物は、サルやアリに代表されるように存在しますが、人間ほど複雑な仕組みは構築していないですよね。そして、先に挙げた言語や感情や知能の発達は社会性を生むきっかけに過ぎないと私は思うのです。

社会性、すなわち誰かとの繋がりが人間らしさにつながる、と定義すると、普段の生活でそれを実感できる機会ってすごく少なくないですか?

戸籍上で私は存在するし、住民票上で私は暮らしている。けれど、それは究極的な人間らしさとは一線を画していると思います。

私は一人暮らしをしていて、家にいるときはほとんど話しません。実家と毎日のように連絡を取ることもありません。日中は大学やアルバイトに出かけますが、表面的な話がほとんどです。わが身を燃やして話をすることなんてほとんどないし、ましてや他人と強い繋がりを感じることなんて無に等しいです。

そんなふうに、京都の街でひとりポツンと、私は生きながらえていたんですよね。

 

でも、TENRO-IN FESTAは違いました。

ひとり一人、生きている。わたしはそう強く思いました。

何度も申し上げているとおり、お客様同士は初対面です。FESTAを穿った見方をすると、半強制的にこたつを囲み、話さなくてはいけないというイベントです。

見ず知らずの人と過ごすなんて嫌でしょ、普通。

でも、お客様としたら、せっかく来たイベントだから楽しまなきゃいけないという心理が働きます。

そうなると、赤の他人との「つながり」を話の中から見つけて、それを広げるしかないんです。日常生活ではそっと蓋をしていた「つながり」を引っ張ってこなきゃいけない。

これは重労働だけれど、その見返りとして人間らしさを得られます。誰かと一緒に今を生きている、という熱い感情です。

そして、そこには楽しさももれなく付いてきます。バラエティ番組を見たときの乾いた楽しさじゃなくて、心が満たされていく楽しさです。

 

わたしは、デラウェアの皮を剥きながら、お皿を洗いながら、そんなことを考えていました。そして、こんなイベントに関われることに、言いようのない幸せを感じました。

本屋の飲み会と、侮るなかれ。本当に素敵な機会だと思います。

 

・FESTAも終盤へ。最後にスペシャルゲスト登場!?

最後にデザートを召し上がっていただき、FESTAもそろそろ終わりへ……。

と、思いきや、最後にスペシャルゲスト登場!

『人生を狂わす名著50』の著者で、京都天狼院スタッフの三宅香帆です!

なぜ急に登場したのかといいますと、このイベント日が『人生を~』の発売日だったんです!(ここに紹介されている本は、本当にハズレなし。めちゃくちゃ面白い逸品ばかりなので、気になる方はぜひお買い求めくださいね~)(書籍の詳細はこちらです)

三宅さんが登場したおかげで、サインをしたり、お客様それぞれに選書をしたりと、最後になってイベントにやっと本屋らしさが出てきました(笑)

 

・TENRO-IN FESTAこれにて終了!

ふぅ~これにてTENRO-IN FESTA終了!

お客様もとっても楽しんでいただけたようで、「次も絶対に来ます!」と口々に声を掛けていただきました! そのお言葉を聞くだけで、疲れなんて吹っ飛びます。スタッフ冥利につきます。ありがとうございます。

 

ちなみに大好評だったTENRO-IN FESTA、来月も開催します!

次回のFESTAは、10月27日(金)19:30-@京都天狼院です。

そして、10月終わりといえば……ハロウィン! ということで、TENRO-IN ハロウィンFESTAを開催しますよ~!

仮装をしてむやみに騒ぐのではなく、本屋らしいハロウィンイベントをご提供できたらと思っております。

詳細は以下のページからご覧ください。

【関西 10/27(金)】月に一度の本屋の飲み会、TENRO-IN FESTA! 今回のテーマはハロウィン!10月誕生日会もやります!どなたでもご参加歓迎!《お食事・飲み放題付き》

 

みなさまのお越しを心よりお待ちしております!


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