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「10年日記」を続けると……


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:赤木 広紀(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「日記を10年続けることができた人間は何かを成し遂げた人である」
 
これは、平民宰相と呼ばれた原敬(はらたかし)首相の言葉。
 
日記を書き始めたのは、この言葉に感銘を受けたのがキッカケだ。
 
最初は、普通の手帳にその日あったことを書いていたが、あるとき「10年日記」なるものの存在を知った。
 
「一冊に10年分の日記を書けるのか!」
 
続けられるかどうか心配だったが、それまでに1年ほど書いてきたこともあり、清水の舞台から飛び降りるつもりで購入。
 
菓子箱のようなしっかりした箱に入った10年日記。
 
「今、二十歳だから、1冊書き終わったらちょうど三十歳か~」
 
10年後の未来なんて、想像つかない。
 
それでも「日記を10年続けることができた人間は何かを成し遂げた人である」という言葉に励まされながら、「10年日記」の記念すべき第1日目となった1993年1月1日には、こう記している。
 
「今日からこの日記をつける。10年間書こうと思うとしんどいが、今日一日、今日一日の心境で書き続けていきたい」
 
あれから27年が経った。
今年(2019年)の年末まで書き続けたとしたら、9861日。
来年には10000日を超えるだろう。
 
何かを成し遂げたかどうかは、今はまだわからない。が、少なくともここまで日記を書き続けることができたのは、何かしらの価値を感じたからなのは間違いない。
 
その価値とは何か?
 
27年書き続けられた価値とは、
 
「一日一日の区切りがつく」
 
という、まさに日記をつけることそのものだった。
 
区切りは竹の節のようなものだ。
 
大木でもポッキリ折れてしまうような強烈な風でも、竹はしなやかに受け流して、案外大丈夫だったりする。竹がなかなか折れないのは、根っこがしっかりしているのもあるが、節の存在も大きい。
 
日記を書くことは、竹の節を刻むように一日一日の区切りをつけることだ。
 
「なんとなく一日が過ぎてしまったなぁ。今日は何もできなかったなぁ……」
 
そんな気持ちになったことが、誰しも一度や二度はあるだろう。
 
でも、何もやっていない日なんて、本当は一日もない。
ただ、振り返らなかったら「今日は何もできなかったなぁ……」と漠然と思ったまま一日が過ぎてしまうかもしれない。
 
起きている時間をすべて有意義に使えることは滅多にないが、ちょっとでもやれたこと、できたことを日記に書いておくと、時間を無駄にしてしまったという後悔は減るだろう。この積み重ねは大きい。
 
ときには、「今日は最悪だ……」と思う日もあるだろう。けれども一日一日、日記を書くことで区切りをつけていると、「明日はこうしよう」と気持ちも切り替えやすくなる。引きずりにくくなる。
 
ここまでは、普通の日記でも得られる価値だ。
 
だが、27年も日記を続けられたのは、普通の日記ではなく「10年日記」だったからというのは、間違いない。
 
「10年日記」では、1年前、2年前の同じ日に何があったか、誰と会ったか、何をしたか、どう思ったか、どんな気持ちだったかが、ページを開くたびに目に飛び込んでくる。
 
そうすると、「最近、調子が悪いな~」「どうもうまくいかないな~」と落ち込むことがあっても、これが永遠に続くわけではないということが、過去の日記を見ればすぐにわかる。
 
感情のアップダウンがあっても、その波が大嵐にならないのは、「10年日記」を書くことで、身体にバイオリズムがあるように、心にもバイオリズムがあることがわかるからだ。
 
そう、一言で言うと、人生を俯瞰して見ることができるのだ。
自分を客観視できると言ってもいい。
 
こう書くと、「よし、10年日記書いてみよう!」と思う人もいるかもしれないが、
 
「でも、10年も続ける自信はないなぁ。毎年、正月に『今年こそは!』と思ったけど続かなかったし……」
 
と、「10年日記」に興味はあるけど、続けられるかどうか考えると、ちょっと、いや、かなり躊躇するという人もいるだろう。
 
僕自身、「10年日記」を始める前に、普通の手帳に毎日の出来事を1年以上書くことができたので、「これなら続けられるだろう」と購入した経緯がある。
 
だから、まずは大学ノートに一行でもいいので、毎日書くことから始めてほしい。
 
最近は、日記アプリもたくさん出ている。アプリのほうが続けやすいという人もいるだろう。だから、別に紙の日記にこだわる必要はない。
 
だが、紙の日記の良さは、一覧性だ。
特に「10年日記」は、一日一日が着実に積み重なり、最後には1冊に約3650日分の記録が残る。
 
10年分の日記をパラパラと見直すことを、ちょっと想像してほしい。
 
10年という歳月には、楽しかったこと、嬉しかったこともあれば、苦しかったこと、悲しかったこともあるだろう。なかには、生きているのが辛いと感じる日もあるかもしれない。
 
それでも振り返ると、苦しい時期の後には穏やかな日がまたやってくるのが分かる。
「夜明け前がもっとも暗い」という格言が、本当にその通りだ、真実なんだということが、自らの日々を振り返ることでリアルにわかるのだ。
 
「人生、色々あるけれど、きっとこれからも大丈夫だろう」
 
自分の歩んできた人生を肯定し、これから歩む人生を信頼する。
 
それが「10年日記」を書く、本当の価値ではないだろうか。
 
 
 
 
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2019-09-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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