メディアグランプリ

子育てで大切なことは言葉よりも○○である


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鹿内智治(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「宿題やりたくない!」
 
うちの子どもは宿題するのが嫌いだ。
私が、宿題をしたらテレビを見ていいよと言うと、悲しい顔をする。それだけではすまない。
ときには怒りだし、暴れ出したり、大声を出したり、私に体当たりしてきたりすることだってある。先日は鉛筆を投げられたこともあった。
怒ったあとは泣き崩れる。
いやだー、やりたくないを繰り返して、ハチャメチャする。
そんな子どもをなんとか説得しておだてて、ニンジンをぶら下げて、机に座らせるまでが本当に苦労する。机に座らせてからも、様子を見ていないと遊び出すので注意が必要で、子どもに宿題をさせるのが私にとって憂うつな時間であった。
 
先日、テレビ見たいなら宿題を終わらせてね、というといつものように怒り出した。
「イヤだ、先にテレビ見る!」と言って暴れ出して、泣いたりわめいたりが始まった。
 
それを見て「もうムリ」「もう付き合ってられない」と思った。
 
私はイヤホンを取り出して、子どもが怒っている横で、音楽を聞き始めた。
完全に無視をすることにしたのだ。
 
「宿題の中身の話はするが、やるかどうかの話は一切聞かない、以上!」
 
そう伝えてイヤホンをはめた。
それでも子どもはいつも通りハチャメチャしていた。
怒ったり泣いたりを繰り返していた。
 
落ち着け、落ち着け、私は自分に言い聞かせた。
いつもどおりのままだと、子どもにペースを握られてしまう。同調してはいけないのだ。
同調してこっちが怒りだすと収拾がつかなくなる。宿題どころではなくなってしまう。
今日は徹底的に向き合う。やるまで待つ。子どもにペースは握らせないぞ。
そう思って、音楽に集中していた。
 
しばらく経つと、子どもにある変化が起きたのだ。
普段なら、かなりの時間わめいているのに、だんだんと怒りがおさまっていったのだ。
しかも、声のトーンもだんだんと小さくなっていった。
「何が起きた?」と思っていると、子どもがイスに座って机に向かったのだ。
 
「え? マジで?」
 
その間、私は何もせずに、ただ同じ部屋にいて音楽を聞いていただけだ。
普段、自分からはまずやろうとしない子どもが自分からイスに座って宿題を始めたのである。
これにはびっくりした。「オレ何もしなくていいの?」
 
イスに座っても油断してはいけない。
すぐに飽きて別にことを始める癖があるからだ。
ただ宿題は自分から始めて、宿題の中身の質問をしてくるようになった。
それらに答えていって、1つ目の宿題が終わったとき、
 
「あ~やめたい」
 
と始まったのである。
それを聞いてイラっとした。でも、今日は子どもに同調しないと決めている。
サッと机から離れて、イヤホンを付けようとした。
すると子どもから、
 
「分かった、やるから」
 
と自分から次の宿題に取り掛かったのである。
その後も、宿題をやめたい話には耳をかさないスタンスを貫いた。
そうしていたら、途中子どもが「やってたら、楽しくなってきたよ」と言い出したのである。
そうそう。やれば宿題なんて分かるようになるし、分かれば何ごとも楽しいんだよ。
 
合計3つの宿題を終わらせた。3つを一気に終わらせたは初めてだった。
「すごいじゃん! やればできるじゃん!」とめちゃくちゃ褒めた。
こんなに手がかからず、ひとりでできたことが私も嬉しかったのだ。
 
このことから、子育てで重要なことが見えた気がした。
それは、「言葉よりも態度が重要」ということである。
 
これまで子どもに宿題をさせるように、おだてたり、褒めたり、飴を出したりしていた。
宿題が始まっても、子どもはあの手、この手を使って、面倒なことは先延ばしにしようとした。本当に子どもは賢いと思う。
怒ってみたり、大声を出してみたり、泣いてみたりして、いろんな方法で親を乱して、話の趣旨をずらして、どうにか、自分が欲しい結果(うちの子の場合はテレビを見る)を手に入れようとする。
 
これまでは私が、子どもに惑わされて、約束を軽くしたり、例外を作ってしまうことがあった。
 
でもそれが、宿題をやらない理由を作ってしまっていたのだと改め反省したのだ。
 
子どもは親のことを良く見ている。
抜け道はないか。きっと無意識に、本能的な嗅覚で探しているのかもしれない。
そんな賢い子どもと親は日々、勢力争いで戦っているのと同じなのかもしれない。
 
子育てで大事なことは、約束をしっかりと守らせる。約束に例外は作らない。約束は守るものだと、親が本気度を示すものなのだと思った。
親の真剣さは子どもに伝わるのだと改めて思ったのである。
 
これは部下の育成でも同じことが言えるのではないか。
部下に仕事を振ってみても、平気で期限を過ぎたり、言い訳をしてやらなかったりすることがあるかもしれない。
そういうときは、例外があったり、抜け道を作ったりしているかもしれない自分の行動を振り返るのがいいのかもしれない。部下に強く言う前に。
 
子育てを突き詰めると仕事にも応用できるエッセンスが見えることがあるので、子育ては面白い。
 
 
 
 
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2019-11-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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