恋愛至上主義??
記事:山田将治(ライティング・ラボ)
「ねぇ、最近って恋愛至上主義が強過ぎると思わない?この前の合コンで、カレシ居ない歴を正直に言ったら、バイキンみたいに扱われたもん」
タリーズの喫煙コーナーで、その女性は鼻から煙を吹出しながら言った。
思ったより美人で、なにより目にときめきを籠めている様に感じた。
恋愛至上主義が、本当にまかり通っているのか実感は無いが、日常を生きる上で重要であるとは思っている。
人間誰しも恋していれば、生活に張りが出来、精神的にはときめきがある分上昇する筈だ。
しかし忘れて為らないのは、恋していなければ有り得ない、失恋というリスクも負っているということである。
これは男性限定だが、いくら好きな女性でも自分の時間のせいぜい三分の一くらいしか占められない。頭の中は、99%以上占めているにも拘らず。
今年に入ってベストではないが、着想が面白かった映画は『ラブストーリーズ』である。不慮の事故で息子を失い、別れてしまった夫婦の物語り。同じストーリーを男性女性それぞれの視点で描き、二本で一本となる構成で仕上げてある。二本を続けて観ると、双方とも正論で共感出来るから不思議だ。
失恋(恋愛関係の破綻)も同じだ。男女それぞれの言い分はどちらも正しい。
どちらかが悪いとは言い切れない(DV等の極端な例は除く)。
では何故、失恋をするとここまで落ち込むのか。
生活の三分の一しか占めていないのに。
それは、時間ではなく頭(思考)の多くを、恋愛に費やしているからである。
だから恋すると、考えられない行動をしてしまうのだ。
だから恋すると、考えられない力を得るのだ。
やはり、恋することはすばらしいのだ。
私は常々、若者に対し恋をしろと言い続けている。
この一種のトランス状態に入らなければ、本当の人間力は測れないし、精神的フルスロットル時の踏み幅も増しはしない。
一方、運悪く失恋した者には
「君が悪いのではない。相手が悪い訳でもない。二人の関係が、思うように行かなかっただけだ。君等の人格が傷ついた訳ではない」と。
でもね、なかなか聞き入れてもらえないんだよね。
頭(思考)の「ほとんど」を費やす、恋という物は厄介だ。
「ほとんど」であって、全否定じゃないんだけどな。
追記
失恋した方にもう一言。
シルヴァンスタインの絵本『ぼくを探しに』をお読みよ。
自分に合っていると思った「かけら」と一緒に、クルクル回るのも良い。
「かけら」を放して、ゆっくり廻りを見渡すのも良い。
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