スタバよ、しばしさようなら
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:安光伸江(ライティング・ゼミ通信限定コース)
4月16日、新型コロナの緊急事態宣言が全国に拡大された。
スタバはそれまで、緊急事態宣言が出た7都府県だけ休業で、あとの店は19時までの短縮営業になっていた。席を減らし、ソーシャルディスタンスを保てるようにしていた。そして16日の時点で「特定警戒都道府県」に指定された6つの道府県については、17日から順次「持ち帰りのみの営業」になり、他の県は相変わらず19時までの短縮営業……のはずだった。
ところが18日朝になって、13の特定警戒都道府県の店舗が全部休業になり、その他の県が持ち帰り対応になると発表があった。営業時間は19時までだ。私の行きつけのゆめシティ新下関店も20日からその対応になる。
私にとってゆめシティのスタバは憩いの場所だった。両親が死んでから一人暮らしで、料理も苦手だし、昼食はほぼ毎日ゆめシティに食べに来る。その前後にスタバで一服するのが日課だった。お気に入りのソファ席があって、そこに座れた時はいまこうして書いているように、パタパタとキーボードをたたく。課題投稿だったり連載原稿だったりブログだったり、文章を書くお仕事をしている。それが楽しかった。
うちからゆめシティの正面入り口までは500メートルほど、歩いてくるのにちょうどいい距離だ。その中にあるスタバは、まさに「行きつけ」といっていい。座卓を買ったから家でも入力作業はできるけど、スタバのテーブルの方が打っていて気持ちいい。だから私にとっての理想の執筆環境がこのスタバゆめシティ新下関店だったのだ。
だのに
だのに
20日から、どこで原稿を書けばいいんだ?
スタバで飲むコーヒーも
スタッフさんとのちょっとしたおしゃべりも
20日から当面の間は、持ち帰りだけになっちゃうなんて!
お店にいられないなんて!
スタバのすぐ外にはゆめ広場という催事場があって、その近くに休憩できるテーブル席もあるから、混んでなければそこでコーヒーを飲むこともできるかもしれない。ちょっと落ち着かないけど、テーブルをひとつ占領できれば、入力作業もできるかもしれない。
だけど、ほんとはそれもよくないのかもしれない。三密を避ける目的に沿ってない。だったら、スタバでコーヒーを買っておうちに持って帰って飲むか。それとも豆を買っておうちでコーヒーを淹れるか。コーヒープレスといって簡単に淹れられるグッズは買ってあるから、豆を買ってプレス用に挽いてもらえばおうちスタバもできるんだよね。
いや、でも持ち帰り対応だけでもスタバが開いているだけマシかもしれない。最初に緊急事態宣言の対象になった7都府県ではいきなりスタバが休業になっちゃったんだから。持ち帰りできるだけいいじゃんよ、とスタバ中毒な人は思うかもしれない。
だけど、だけど
私にとっては、この場所が、スタバという場所が、居心地がよかったんだよ。仕事するのもいい、くつろいで本を読むのもいい、ノイズキャンセラつきのヘッドホンをかぶってiPadで動画を見るのもいい。こころ安らぐ場所だったんだよ。
あとレストラン街やフードコートのいくつかの店舗もGWあけまで休業というところがある。だから食べに来るのもだんだん難しくなるかもしれない。食品館は「ライフラインだから」ということで営業を続けるみたいなので、ここで食べ物を買っておうちで食べる、というのが新しい日課になるのかもしれない。
メンタルの弱い私にとって、ゆめシティに来ること、スタバに来ること、お昼をゆめシティで食べることは、こころの支えでもあった。一日一度は外に出る、というので運動にもなっていた。幸い、車の通らない小道を通ってくるので、あまり人にも会わない。田舎だから三密はあんまり関係ない。小道には桜並木があって、そのすぐそばには広い公園もあるから、換気も十分である。だから私にとってゆめシティに来ることは、不急ではないかもしれないけど、日課として必要なことだったのだ。
これからどうしよう……。
いや、ゆめシティ自体は開いているんだから、そんなに悩むこともないかもしれない。食べ物だって、食品館でお弁当類を買って帰ってもいいかもしれない。おうちにこもるのはつらいけど、しばらくの我慢だ。といっても緊急事態宣言が当初の予定の5月6日までで解除されるとはあつまり思えないけどね。
ともかく今は、メンタルがやられないことを重要視しようと思う。メンタルが落ちると免疫力も落ちちゃうからね。一人暮らしだから、万一コロナに感染したら、誰にもめんどうを見てもらえない。食べ物の調達だってままならない。だからとにかく、うがい、手洗い、洗顔をしっかりやって、風邪を引かないように気をつけなくちゃ、と思っているところだ。
そして、持ち帰りなら対応してくれるんだから、時々スタバに行こう。お店でくつろぐことはできないけど、お店の人に会いに行こう。
スタバよ、しばしさようなら。
またお店でくつろげる日が早く来ることを、心から祈るよ。
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