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他人軸のリュックは、おろした私


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:東方小百合(とうぼう さゆり) (ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「あ〜 、あれもやりたい、これもやりたい」
「時間が足りなーい」
 
これは、好奇心旺盛で、アクティブに動ける人の言葉だと思っていた。
実際、私自身もこれに属する。
しかし実は、自分軸がないということみたいだ。
自分軸がない人は、他者の声に振り回され続けてしまうそうだ。
 
私は、ドキッとした。私のことだ。
 
私には、自分軸が、見当たらない。
他人軸で、生きてきたのかも知れない。
 
常に相手を気にして、言いたいことも言えずに、我慢をして過ごしてきた。
それが、相手を大切にすること。私なりの精一杯の気遣いだったのだ。
 
他人軸でいると、自分にバツをして、人にどう思われるかばかりを気にする。
自分で、自分が嫌なので、人にそこを見せないようにしようとする。
 
私は、自己開示が苦手だった。そして、自己受容が出来てなかった。
 
自分のありのままが、出せない。
自分の言いたいことが表現出来ない。
 
それは、相手を思う優しさからくるときもあるが、
私の意見や考えを批判されたくないと思っていたのかも知れない。
怖いのだ。だから、自分でなく、他人に合わせる。
 
そんなブレブレの自分軸では、子育てにおいても、影響する。
 
私の子育てが、そうだった。
 
他人軸だと、自分の子供さえ守れないことを私は、長男の停学で学んだ。
思春期真っ只中の高校3年生、ある日、学バスの運転手さんとトラブルになった。
たくさんの学生を乗せて、ギュウギュウなバスでの出来事。
 
「奥に詰めて」と運転手さんが、言う。
「もうこれ以上無理」と長男が、ぶっきらぼうに放った。
 
これにイラついた運転手さんが、長男の首根っこを掴んだのだ。
 
売られたケンカ? と、勘違いした思春期の長男は、首根っこを掴み返した。
言い合いになり、激昂した運転手さんに、バスを降ろされてしまって、歩いて、登校した。
 
こんな経緯だったように記憶している。
 
学校から連絡があり、急いで、出向く。
私は、震えと怒りで、取り乱した。
 
「もう、何やってるんだ」
「学校からの呼び出しなんて、ふざけるな」と、長男に対して怒りしかなかった。
 
今、考えると、長男のどこが悪くて、停学までの処分が下されるのかが、
分からない。
 
でも、当時の私は、自分軸を持っていなかった為、長男の心を守ることが、出来なかった。
 
この頃、ナイフみたいに尖っていた思春期長男は、学校での生活態度も悪かったため、悪印象になってしまったようだ。
 
暴力的行為ということで、罰を受けることになる。
 
私は、面談室で、来る先生、来る先生に、頭を下げる。
他人軸だった私は、息子の行動を謝り続けたのだ。
 
納得いってない長男が、隣でイラついて座っている。
 
長男は、今でも
「あれは、俺は、悪くなかったと思っている」
「なんで? お母さんが、頭下げて、謝っているのか、意味分からなかった」と
言っている。
 
そして、更に成長した長男が、言う。
 
「俺を守る。信じてると言っていたのは、嘘だったよ」
「全然、守ってもらってなかったよ」
 
他人軸の私だったから。
他人軸は、子どもさえ、守れないのだ。
 
自分の意見、子供の心を守る為の私にしか出来ないことが、あったはずだ。
悪かったことは、きちんと謝る。しかし、私が、長男にしてやれたことは、
別の所にあったのである。
 
自分軸で、学校と関わるってこと。
 
学校の先生にどう思われようと、学校がどう対応しようと、私が、全力で、長男の心を守るべきだった。
私は、長男の意見にも耳を傾け、長男の言い分、私の考えをきちんと伝えるべきだった。
 
子どもを誰が守る?
私しか知らない、学校の先生には、分からない、我が子のいいところを
親の私は、いっぱい知っているでは、ないか?
 
後日、校長室に呼ばれ、処分が下される。
 
校長はじめ、担任、生活指導、学年主任とずらっと並んでいる前に
親子で、並び、
 
「停学処分7日間」
 
今、考えると滑稽だ。
 
「ご迷惑をおかけしました。親としても、今後このようなことがないように、指導していきたいと思います」とまた、頭を下げる。
 
これも滑稽だ。
 
大切な子どもの心を守れなかったことに、今でも後悔している。
そして、自分軸の大切さを痛感している。
 
自分の望むことを選択して、自分軸で生きよう。
 
あれから、5年、今は、建前や相手に嫌われたくないと言うことを手放し、真の自分軸で過ごすことを心がけている。
 
「自分は、どうありたいか?」
「自分は、どう思うのか?」
 
まずは、自分自身の心に聞いて、それを大切にしている。
それを優先させることで、自分軸が、持てるようになってくる。
 
他人軸から自分軸へ。
 
私の背負っていた他人軸のリュックの中には、本当にやりたいこと、言いたいことがあっても、我慢をしてしまうと言う、不安や恐れなどのネガティブなものが、たくさん入っていた。
 
それを、おろした私は、自分軸のリュックだけを大切にすればいいのだ。
 
親の私が、自分軸を大切にする。
それ自体が、子ども達への贈り物になるのだ。
 
ありのままで、いい。そのままで、いい。
あなたは、そのままで、愛されている。
どんな時でも子どもには、そう、言ってあげたい。
 
実は、私自身が、言って欲しかった言葉なのかも知れない。
 
他人軸のリュックは、必要ですか?
 
 
 
 
***

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2020-06-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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