友達の家に遊びに行くような気持ちで、福岡に遊びに来てほしい
記事:世良 菜津子(ライティング・ラボ)
「今度、東京から友達が遊びに来るんよねー」
「あー、そうなん? 」
「でさー、どっか連れてってっち言いよんやけど……ドコがいいかね?」
「あ、んー、うーん……」
福岡に生まれ育って30年、友達と何度かこんな会話を交わしたことがある。
ここだけの話になるが、福岡という街には、おいしい食べ物はたくさんあるが、観光名所と言われる場所がほとんどない。
県外の友達に「ドコかに連れてってほしい!」と言われても、少し困ってしまう。
実は、ディズニーランドのような楽しめる場所が、福岡にはないのだ。
その代わりに、福岡にはおいしい食べ物はたくさんある。
せっかく福岡に来てもらうなら、おいしい食べ物をいっぱい食べて、のんびりして帰ってほしい! 福岡県人なら、そう思う人が多いのではないだろうか。
この気持ちは、友達が自宅に遊びに来るときの心境に、近いのかもしれない。
1人暮らしを始めて数年、たまにではあるが、友人を自宅に招いて「宅飲み」をすることがある。
我が家は、特に何もない、普通の6畳の1Rである。
「家に行ってもいいー?」と言ってもらえるのは嬉しいが、せっかく来てもらっても、特に楽しんでもらえるものがないのだ。
我が家にある「遊べるもの」と言えば、UNOや人生ゲーム(ボード)だろうか。
こんな我が家で、果たして楽しんでもらえるのか。
友人を招くときは、ご飯を作って、お酒を準備して、せめてもの「おもてなし」の気持ちを伝えたいと思っている。それくらいしか、私が友人にできることがないのだ。
「これ、おいしいー!」
「なんか、自分の家みたいにくつろげるんやけど」
こんな風に言ってもらえると、すごく嬉しくなる。これが、私にとって、最高の褒め言葉であり、我が家に招いてよかったなぁーと思える瞬間である。
福岡と聞いて、食べ物を思い浮かべる人が、多いのではないだろうか。
ラーメン、水炊き、もつ鍋、明太子、お刺身、焼き鳥、ゴマサバ etc…
「福岡はおいしものが多い」という印象を持っている人が多いと思う。
仕事帰りに、ご飯を食べに行こう! と、友達とフラッと知らないお店に入っても、おいしいお店に出会える確率が高い。
あと、何といっても、関東圏に比べると価格が安い!そんなに飲みすぎなければ、1人3,000円程度でおいしいお酒が飲めて、おいしいご飯を食べることができる。
実は、ラーメンも290円で食べることができるのだ。
それでは、福岡と言われて「観光名所」を思い浮かべる人は、どれくらいいるだろうか。
福岡タワー、福岡ヤフオクドーム、太宰宇天満宮、キャナルシティー。
福岡タワーと福岡ヤフオクドームは目と鼻の先ほど近くにあり、天神からバスで20分ほどで行ける。キャナルシティ―は、博多と天神の間にある。太宰府天満宮は、天神から西鉄で約20分ほどで行くことができる。
福岡の名所と言われている場所を全部回ろうと思っても、1日あればすべてをゆっくり満喫することができる。
福岡は、「コンパクトな街」と言われることが多い。
それは、色々なものが密集している土地柄のせいだと思う。
空港から市内へのアクセスの良さ、デパートなどが集合している天神、各都市へのアクセスに便利な博多駅、おしゃれなお店が多い大名・今泉……とにかく、全てが近い。
住んでいても、すごく便利な土地である。
天神に行けば、買いたいものがたいてい揃っているため、あんまりウロウロする必要がない。
しかし、関東から遊びに来る人にとって「買い物」面では、福岡は東京に劣っている。
福岡にあるお店は、ほとんど東京にあると思う。わざわざ福岡で買って帰らなくても、東京で買えばいい話である。
それでは、福岡の自慢は何だろうか。
それはやはり、おいしい食べ物と、適度な自然と言えるのではないだろうか。
福岡には「糸島」という土地がある。
関東でいう、江の島や鎌倉のような場所である。
糸島までは、市内から車で約1時間ほどで行くことができる。
海岸沿いをドライブしたり、サンセットを楽しんだり、海沿いのカフェでお茶をしたり、道の駅に寄り道したり、おいしいパン屋さんをみつけたり。
今からの時期は、牡蠣小屋を楽しむことができる。安価で色々な牡蠣料理を食べることができるので、冬の間に1回は、牡蠣小屋を目当てに糸島を訪れる。
ここ数年、福岡県内でも「糸島ブランド」が確立されているほど、県内でも人気スポットなのだ。
また、「能古島(のこのしま)」も、自然を感じながらのんびりすることができる、人気スポットである。
能古島までは、姪浜という場所から、船に乗って約10分で行くことができる「島」である。
能古島には、アイランドパークやキャンプ場がある。
アイランドパークは、とにかく広い公園である。公園内では、簡易的なゴルフが楽しめたり、ろくろを楽しめたりする。
また、アイランドパーク内には「丘」があり、季節の花が一面に広がっている。
晴れた日には、青い空、一面の花畑、その奥には海が広がっており、まさに最高のロケーションである。お弁当を食べている家族、遠足に来ている幼稚園児、デートをしているカップルなど、各々にのんびりとした時間を過ごしている。
キャンプ場の目の前には海が広がっている。昼間は海で遊び、夜はBBQを楽しむことができるので、夏場はすごく賑わっている。
福岡とは、のんびりとくつろぎながらおいしいものを食べる、まさにそんな土地だと思う。
「東京」となれば、人も多いし行きたい場所もいっぱいあるし、なんだか予定を詰め込みすぎて、疲れてしまう。
しかし、「福岡」となれば、特に予定もなく、おいしいものを食べて楽しくお酒を飲みたい! と、友達の家に遊びに行くくらいの気持ちで来てもらうのが、ちょうどいいのかもしれない。
適度にくつろげて、おいしいものが食べられる。
それが、福岡の人気の秘訣ではないだろうかと、福岡で生まれ育った私は思っている。
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