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夢はかなわないほうがいいこともある


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記事:長谷川順子(リーディング倶楽部)
 
 
願っていたことが叶わなくてよかったと、後から思うことがある。
願いって何だろうって思った。
自分がそのとき願っていることが、必ずしも自分にとってよいことではない。
自分にはわからないのだ。
自分にとって何がよいことなのかが。
 
例えば、出逢ったひとがいいなと思って、おつきあいしたいと思う。
願っても、叶わない。
後から気持ちが落ち着いてから考えてみれば、叶わないことが私にとってよかったのだと思ったりする。
 
同じことを、幼馴染みが言っていた。
小学校の同級生である彼女は、20代で華やかに活躍していたとき、外国で出逢った年下の男の子と恋をして、遠距離恋愛の末に、結婚した。
遠距離恋愛で、あまり逢えないのに、彼女は芯の強い女性で、まったく不平不満をもらしたことがなかった。自分の逢いたいとかという感情ではなく、彼の立場に立って思い遣っていた。そんな彼女をすごいなと思った。それで、結婚式の招待状をもらったときは、心から祝福した。京都から関東に引っ越しをして、彼のもとへ嫁いだ。
かわいい子どもも生まれて、幸せに暮らしていると思っていた。少なくとも、私にはとても幸せそうに見えた。
昨年、久しぶりに会ったときに、何の話からだったか忘れてしまったが、「あのとき関東に就職活動して引っ越しする自分に、行かんでいいよと言いたい」と彼女が言ったのだ。
「えっ?」耳を疑った。
あのときの私は、彼と一緒に住みたい一心で、関東に就職先を見つけて、関東に来てしまったけれど、あのときの自分に行くなと言いたい、と。
「えっ?そうなん?!」
なんと、彼女は、京都に帰りたい、と言ったのだ。
 
夢を抱いて、彼と住み始めて、子どももできたのに、京都に帰りたい?
まあ、私も京都に帰りたい思いは強いけれど、独りの私が京都に帰りたいと思うのと、家族がいる彼女が京都に帰りたいと思うのは、全然違う。
彼との生活が大変なんだなと思った。
夢はかなったのに、かなわなかったということなのか。
 
「すべての夢は、かなうのです」
と書いてあった。『夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神』は、余命半年の主人公が、残される家族のために夢をかなえようと、ガネーシャという神さまから与えられる課題をこなしていく物語である。
 
ガネーシャは、夢をかなえるために課題を出していったが、最後に、夢を手放すための課題を出した。その夢が本質的に幸せにしてくれないのだとしたら、手放す必要があるのだと。
なぜなら、夢は手段だから。すべての人の目的は「幸せになること」であり、夢をかなえることは一つの手段にすぎないのだ。
 
夢をかなえるために生きている自分が、もしくはかなえた自分が幸せでないのならば、その夢を手放していく。
 
おそらく、そのような状況はよくあることだろう。
でも、その夢が自分にとって幸せなことだと思っているのだから、手放すのは難しい。
私もなかなか手放すことができなかった。子どもがほしかったし、幸せな家庭を持ちたかった。でも、あのときの私が描いていた夢は、本当に自分が望んでいたことなのだろうか。
周りがよしとすることを自分の夢として思い込み、世間一般が幸せな家庭だとイメージするものを、自分の夢として掲げていただけかもしれない。
 
自分の夢が見つからなかったから、なんとなく多くの女性が夢だと望むものを、「夢」に据えて願っていたのではないか。いや、自分の夢を放棄したと言っていいのかもしれない。自分の夢を追いかけるのがしんどいから、周りの夢に合わせたり、乗っかろうとしていたのだ。
それでは神さまがゆるしてくれない。自分の夢をしっかりと自分の身体で追いかけないと、
夢はかなわないのだ。
 
本当に望んでいる夢を見極めるのが難しい。
人はすぐ怠けようとするし、楽なほうへ流れようとしてしまう。
それが本当に望んでいることなのか。
 
結局、自分の願いはちっぽけなもので、大いなるものがすべて私にとってよい方向へと動かしてくれている、そんな気がしている。そのときどきで、私は失敗したとか、よくなかったとか思うことがあったり、ラッキーだったとか願いがかなったと思うことがあったりするが、よくないと思っていたことが、それが後から振り返ればそれがあったからこそ好転することになったり、ラッキーだと思ったことが、その後たいへんな思いをすることになったり、
どうなるかわからない。
 
ただ、私が今したいことをして、心地よい気持ちでいて、自分を発揮できているかどうか、
そういうことが大事なのかなと思う。
 
それでも、夢は抱き続けたい。
夢に向かって進みたい。
 
夢は希望であり、私を積極的にさせてくれるものだから。
かなってもかなわなくても、夢は私のエネルギーである。
夢をふくらませながら、生きていきたい。
 
 
 
 
***

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2021-01-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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