メディアグランプリ

京都は「超攻撃的サッカー」が繰り広げられる街だった。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:須田 久仁彦(ライティング・ゼミ)

それは先日、京都へ訪れた時のことだった。天狼院書店が企画した旅部に、添乗員として同行するためだった。私にとって、実に5年ぶりの京都だったが、駅に降り立った時に感じた華やかな雰囲気は相変わらずだった。

京都行きが決まった時は仕事とはいえ、心が浮き立った。今までの旅部にも添乗員として参加していた私にとって、実に楽しみな仕事だったからだ。旅部は、トラベルプランナーとしても、添乗員としても、やりがいと楽しさを十分に感じさせてくれるからだ。その上、先日オープンしたばかりの京都天狼院を中心に、世界的な観光地である京都が舞台なのだから絶対的な楽しさがあるのは分かりきっていたからだ。

しかも、今回の旅部は特別だった。店主の三浦さんの発案で「秘トリップ」と題された旅は、その内容が事前に全く明かされないミステリアスなものだった。三浦さんを始めとした天狼院のスタッフの方が、どんな企みを盛り込んでいるか? その中で私が添乗員としてどう動けば良いか? スリルと期待が入り混じり、当日が楽しみで仕方なかった。

しかし、実は私には添乗員として参加する以外に目的があった。それは歴史好きである私にとって、どうしても京都で確かめたい疑問だった。

午後1時、京都天狼院のコタツの間はお客様でぎっしりと埋まっていた。実に20名以上のお客様が参加して下さった。まず、明かされた一つ目の内容は、班別活動だった。お客様が3つの班に分かれ、班別活動を行いながらスタッフの方から与えられたミッションをこなしていく内容だった。そして、私は店主の三浦さんの班に同行することになった。

最初に訪れたのは祇園の花見小路だった。町家が残る最も祇園らしい佇まいの通りには、伝統と格式があるお店が軒を連ねていた。そればかりではなく、ライカやエルメスといった海外ブランドのお店も、町家を改装した店舗を出していた。他にも新しく出店したと思われるお店も多く、活気で満ち溢れていた。

その後、八坂神社や知恩院などでミッションをこなしながら歩き、清水寺の門前、二年坂まで来たころには、私が京都で確かめたいと思っていた疑問は、確信へと変わっていた。

二年坂で一息ついていた時に、私は同じく歴史好きでもある三浦さんに話していた。「京都って、FCバルセロナのサッカーのような街だと思うんですよね」

「え? どういうことですか?」そう問い返す三浦さんに、私はこんなことを話した。

FCバルセロナは、サッカー好きはもちろん、サッカーをよく知らない人でも名前くらいは耳にしたことがあるクラブチームだ。メッシやネイマールといった世界的なスーパースターが何人も在籍するこのクラブは、サッカー界において常に最強レベルだ。そして、このクラブには一貫して変わらないスタイルがある。

それは華麗なパスワークで相手を崩すスタイルだ。流れるようなパスワークで相手を崩していくスタイルはとても攻撃的で、見ている者を驚かせ、その美しさにワクワクさせられる。それは選手や監督が変わろうが、変わることがない。むしろクラブは、このスタイルに合った監督や選手を集め、また若手をこのスタイルに合うように育てている。そして、新しい選手や監督がこの伝統的なスタイルをさらに進化させてきた。

京都は一見すると攻撃的なイメージとはかけ離れた場所だ。華やかな雰囲気の中を大勢の人が訪れ、楽しんでいる。とても平和的なイメージの場所だ。しかし、歴史好きから見ると全く違う別のイメージがある。

京都は何度も戦乱に巻き込まれてきた街だった。天下を目指した多くの者の争奪の場所となり、幾度となく街が焼き払われてきた。それでも常に立ち直ってきた場所だった。

また京都という場所は四方を山に囲まれている。そのため、物流を止めることも簡単な場所だった。そうすると、すぐに食べ物が無くなり、干上がってしまうので、とても守りにくい場所だった。京都を治めるためには、周辺の支配も含めた絶対的な軍事力を持っていなければならなかった。守るためには、常に外に攻撃をしかける力が必要だったのだ。

歴史好きな私にとって、京都にはその華やかな魅力の陰に、今も攻撃的な姿が潜んでいるのではないか? と思っていた。それを街を歩きながら、どうしても見つけたかったのだ。

そうして歩きながら街を見ると、新たに出店したお店が多い一方で、数年前にはあったお店が無くなっていることも多く、移り変わりの早さを感じた。また、老舗と言われるお店でも伝統や格式を守りながら、時代に合わせた商品を展開しているのを見かけた。海外の有名ブランドすら町家に取り込み、街を活気づけていた。それは、伝統と格式を守りながらも攻め続ける姿勢を崩さない、FCバルセロナのサッカーのようなスタイルだった。この「攻め」の姿勢を貫き続けるお店のみが、生き残る事を許される街だった。

街の活気も観光客の多さと合わせ、どのお店も常に「攻め」の姿勢を崩さずに挑戦し続けているからこそ出る活気だと感じた。それもまた、華麗なパスワークを駆使して攻め続けるFCバルセロナが華やかであり、美しいのと同じだからだ。

私の話しを聞いて下さった三浦さんは、「なるほど! 確かに」とおっしゃっていた。私は続けて「天狼院さんも攻撃的なスタイルが持ち味ですよね。だからこそ、京都という街は天狼院さんに合っているのではないですか?」と尋ねてみた。

三浦さんはそれには答えず、ただ笑みを浮かべるだけだった。しかし、私は三浦さんの眼の中に、京都という街で攻撃的なスタイルを貫いて行く自信を感じさせられた。

まだ開店してわずか2か月ではあるが、京都天狼院がその超攻撃的なスタイルをどのように仕掛けて行くのか? 楽しみで仕方ない。そして、FCバルセロナのように、多くのサポーター達が、その仕掛けに熱狂し、感動する姿を目の当たりにするだろう。

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2017-03-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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